- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062766777
感想・レビュー・書評
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母子家庭で友だちもいない生活を淡々と日常をこなしていた少年に、変化が訪れた小5の夏。この夏がなければ、おじいさんがいなければ、友達ができなければ、彼はどうなっていたのだろう。にぎやかなんだけど、心の中はとてもしずかな、よい物語でした。少年少女にもおすすめですが、大人がしみじみできると思います。よいものを読んだ。おじいさんスキーとしてはこれはとてもよかった。こういうおじいさんになりたい(←あれ……?(^^;)
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面白かった。
押野いい子だな。
主人公も主人公で、冷めてるけど純粋で可愛かった。
縁側懐かしいなぁ。
いとこと過ごした夏休みを思い出した。
水泳、ラジオ体操、あったあった。
また夏に読み返したい一冊。 -
ステキな物語をありがとうございます。
読後に訪れるあの感覚は何だろう…。 -
最初から最後まで全く飽きずに読み進んだ。推野が優しくてステキでたまらない。ステキな子ども時代
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舞台が田舎で主人公の住んでいるおじいちゃんの家の情景が凄く思い浮かんできた。
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夏の昼下がり縁側でサイダーを飲んでいた少年は、いつしか大人になり団扇片手にビールを飲む。それでもツマミのぬか漬けはそのまんま。だからそれを食べるとあの時代の夏にいつでも戻れる。波乱万丈ではないが、毎日が新鮮だったあの頃に。開けっ放しの窓からいい風が入ってくる。そんな感じの作品。夏のこの時期にピッタリの一冊だ。
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小学5年生枝田光輝の一人語りで物語がしずかに進む。彼の視線で見る世界だけが描かれているため、母親が何を始めたのかわからないまま、彼はおじいさんと暮らすことになる。
光輝の心もとない心情や、押野や野球の仲間との思いがけない出会いと喜びが輝くように描かれて、読者にもわくわくする心の動きが鮮やかに伝わってくる。
物語は5年生の夏休みのことだが、その後の描かれ方も独特だった。光輝は与えられた場所で、彼の精一杯を生きていく。
「人生は劇的ではない。僕はこれからも生きていく」
淡々としていながら、強いインパクトを受ける作品だった。 -
おじいさんの家で過ごした日々。
それは、ぼくにとって唯一無二の帰る場所だ。
ぼくは時おり、あの頃のことを丁寧に思い出す。
ぼくはいつだって戻ることができる。
あの、はじまりの夏に――。
おとなになってゆく少年の姿をやさしくすこやかに描きあげ、野間児童文芸賞、坪田譲治文学賞をダブル受賞した感動作。