酔いがさめたら、うちに帰ろう。 (講談社文庫)

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著者 : 鴨志田穣
  • 講談社 (2010年7月15日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062766883

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酔いがさめたら、うちに帰ろう。 (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • この本を読むたびに涙が出てきますがアルコール依存症で、奥さんにも捨てられた男が自らアルコール病棟に赴き、病を治して家族のもとへ帰っていく話です。生きることの重みを伝える本です。

    永作博美と浅野忠信主演で映画化されるというので、久しぶりに読み返してみた。涙が出た。リリー・フランキーの帯にある、
    『なんだかんだあっても、幸せな男』
    というように、彼は、鴨志田穣は『幸せもの』だとおもう。本当に。

    内容はというと、アルコール依存症で十回血を吐いて閉鎖病棟で治療をする鴨志田穣と離婚をしながらも『家族』として彼を支え続ける西原理恵子とその子どもたちの家族の物語である。僕は、ほとんど酒が飲めない。でも、それが救いになっていて、おそらく現在の僕のような経験をすると、アルコールに限らず何らかの依存症になってしまうのではないか、と思うからだ。

    鴨志田穣は、帰る家を見つけて、愛する人の膝で、最期を迎えた。立派で品行方正な人間の人生には少しもシンパシーを感じないが、不思議と彼の人生にはシンパシーを感じてしまう。それは僕が、『ダメ人間』であるからに他ならない。そんな『本性』をひたすら押さえつけて『世間』という実体のないものとひたすらおり合わせようとしている自分がいるんですけど、「はたしてそれでいいんかね?」と自問している自分が最近います。まぁでも、彼は結局、帰ることが出来る「場所」があった。僕はたぶん、ないだろうな。

    まぁでも、「帰らぬ道は誰もおなじ」ですからね。くいのない生き方をしましょう。それが彼にとっての供養です。

  • 誰も鴨ちゃんを見捨てなかったのは、鴨ちゃんが見捨てられない人だったから。
    愛されていたのですね。

  • 西原理恵子の夫だった著者のほぼ実体験の話だと思う。
    フィクションとしてあったが概ねノンフィクションなのではないだろうか。
    アルコール依存症で入院という重いテーマを軽く書きあげている。
    塀の中の懲りない面々のように濃いいキャラの人ばかりでてきて、感心する。
    最後、酔いをさまして、うちに帰る主人公が哀しくて切なかった。

  • 西原理恵子の元夫で戦場カメラマンの鴨志田穣の本なですが、
    腎臓がんで無くなっていてその原因はアルコール中毒。
    そのアルコール中毒の療養のための入院生活を綴った本です。

    闘病生活と戦場カメラマンの話題とあるかなと思ったものの基本的には闘病生活について書かれています。

    とはいえ、アルコール中毒となった原因に戦場カメラマンとして過酷な現実と向き会ったことによるストレスがあったみたいで、
    著者が戦場カメラマンになった経緯や
    戦場の兵士について、
    ポルポト政権の取材についてだとかも書かれています。
    ほんとに軽くですが与えられたインパクトは大きかったです。

    はなしの基本となるアルコール病棟という閉鎖された世界についてや
    アルコール中毒の辛さについてだけでも
    自分にとって未知の世界で面白いのですが

    この著者は
    子供の時に見た夢を叶えるチャンスを
    酒場でつかみ
    叶えるため努力し活動し叶えたものの
    現実の辛さから逃げるために酒を煽り
    仕事が出来なくなり
    人間関係も壊して身体も壊す

    というお酒で得たものも大きく失ったものもそれ以上に大きくとすごく複雑な気分にさせられて考えさせられました。

    この本で一番印象に残った言葉は酒場で言われた
    「カメラさえあれば君もカメラマンだ。
    あとは儲かるかどうかだけ。」
    という著者の師匠に当たる人から著者が出会った時にもらった言葉です。

    夢に飛び込むことがじつは簡単なんだけどその世界で生き抜くことの難しさを感じさせられてすごくかっこいい言葉だと思いました。

  •  鴨志田氏が亡くなっているからこそ、しんみりと冷静に読める。しかし、彼がいまも生き続けたら何を書いたのだろうか。それは、冷静に読めることでも無いかもしれないし、なんというか、いろいろと考えてしまうけれど、それでも読んでみたかったなぁ。
     中島らも氏もそうだけれど、アルコール依存症というのは、死に至る病であると思う。

  • 自分自身、相当な酒飲みと思っていましたが、これを読むとまだまだ大丈夫なんじゃないかと妙な自信を抱いてしまう、そんな一冊。

    アルコールに由来する様々な病的症状はおぞましいほど深刻なのに、妙にそれを感じさせない明るさが全編を包んでいるから不思議。

    とはいえ、家族が心配するのをよそ目についつい飲んじゃう主人公には、少々苛立ちを覚えることも。

    同じ酒飲みからすると、どうせ飲むなら他人に迷惑をかけるなよ、と思ってしまうので。

    だけど後半、余命を知った後にようやく自身の過去を振り返る姿を見ると、何となく私自身の行く末を見たような気がして共感。それ故か、最後はなんかホロっと来てしまいました。

  • いい本だなあ

  • 決して上手な文ではないですが、温かい人であることが伝わってきます。
    壮絶な人生ですが、非常に情けないものが大半で、しかし思ったとおりに生きていて。そのしょうもなさと子供さが、やっぱり昔から僕のヒーローです。ご冥福をお祈りします。

  • こんなふうに笑いの要素を盛り込めるということは、自分の嫌な部分や情けない姿を、一度真正面から見据えたうえで赤裸々にしているのであって、できないものだよ、なかなか。

    そして「抗酒剤」「奈良漬けで再燃」など、知られざるアル中の苦悩に、わたしは驚く。
    加えて、悲しすぎる幼少期。
    戦い、敗れ、戦い、戦い、敗れ、敗れ、
    西原理恵子さんに会って、結ばれ、別れ、また近づき、
    そうして鴨志田さんは最期に、どんな気持ちになったのだろう。

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