人形館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062767163

感想・レビュー・書評

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  • 大好きな綾辻さんの館シリーズ。
    順番通りではないけど、この本で6作品目の館シリーズを読んだ。

    『人形館の殺人』は異色編で賛否両論あるとのことだったので、どう異色なのか、自分はどう思うのか確かめたかった。

    なるほど、これは確かに異色作だ。
    今までの館シリーズとは毛色が違う。

    ネタバレにならないで唯一言えるのは、クローズドサークルではないということ。
    館に誰も閉じ込められてない!
    それなのに没頭できて一気読みだった。
    人里離れなくても閉ざされてなくても、館シリーズならではの怪しい雰囲気は他の作品と変わらない。

    前作とは違うトリックで読者を驚かせよう、楽しませようとしてくれる綾辻さんがやはり好きだ。
    どの作品もそれぞれ違う驚きがあるので、自分の中でランキングが付けられない。

    全9作しかない館シリーズの未読は、残り3作品になってしまった(;_:)
    もうもったいなくて読めないよ。。。

    ブクログをはじめる以前はミステリーよりも「ためになる本」を読んでいて、いつの間にか読書の楽しさを忘れていた。

    そんな自分をまた本好きにしてくれたのが『十角館の殺人』のあの1行だった。
    本でなければ感じられない面白さを思い出させてくれた。
    だから館シリーズには特別な思いがある。

    現在、館シリーズ最後の作品となる10作目の『双子館の殺人』を執筆中だとか。
    これが本当の最後だと思うと寂しくてたまらない。

  • 彫刻家・飛龍高洋が画家の息子である飛龍想一に遺した緑影荘。この館は顔がなく身体の一部が欠損したマネキン人形がなぜか邸内各所に佇んでいることから、「人形館」と呼ばれていた。街で起きる残忍な通り魔殺人事件、何故か姿なき脅迫者に襲われる飛龍想一。破局へと向かっていく物語の驚くべき結末とは。

    解説の「綾辻作品の真骨頂は緻密に構築されていた世界が瓦解し散華するときのカタルシスである」という言葉にとても納得させられました。読んでいて、いつの間にか物語の世界観に没頭させられてしまう綾辻作品に改めて感動しました。

  • 再読なのに、全くといっていいほど記憶になかったので物凄く楽しめた。
    双子館が出るまでに残りもちびちびと再読で楽しむ予定。

  • 父が飛龍想一に遺した京都の屋敷。
    顔のないマネキン人形が邸内各所に佇む「人形館」。

    街では残忍な通り魔殺人が続発し、
    想一自身にも姿なき脅迫者の影が迫る。

    彼は旧友・島田潔に助けを求めるが、
    破局への秒読みはすでに始まっていた。

    シリーズ中、ひときわ異彩を放つ第四の「館」。

    **************************************

    シリーズって、どんどん面白くなくなるイメージがあるけど、「館」シリーズは、どんどん面白くなっていく。

    毎回、全然違うトリックで衝撃を受けるねんけど、今回も、予想をはるかに超えた内容でよかった。

    どうしても理解できひんかったところもある。
    28年前の被害者は、ほんまにお兄さんやったのか。
    なんで、本人は何も話さずうやむやにしたのか。

    「遠すぎる風景に秘められた恐るべき真実」

    真実がまだ見えてこうへん。
    今回のは読み終えて、ふと、映画の「アイデンティティー」を思い出した。
    この映画は5本の指に入るぐらい大好き。
    なので、余計にこの内容も好きなんかもしれへん。

    ティミーが出てきたんかと思った。

  • 今回もまた騙されました!

    物語はゆっくりと進んでいく。
    少しずつ想一の心情や感情が変化していって最後の最後でまさかの展開。

    今までの館シリーズと比べると、登場人物の思いなどがメインでなかなか事件や犯人に繋がっていかないですが、逆に私的には、主人公の相一の性格や感情が読み取れてとても読みやすかったです。

    なんなら、もっと事件が起きてほしいくらいでした^ ^
    そして、島田さんにもっと逢いたかったぁwww

    やっぱり、館シリーズは面白い!

  • また、やられた。くそう!
    この方法もあるって知ってるのに、綾辻さん、性格悪いよ、でも読んでて面白いから只管悔しくもある。
    でも面白いんだよ。そこが悔しい。
    密かに表紙の木の中央の顔に吃驚した。

    そしてやっぱり島田潔の名前の由来はそこだったか。その部分のところで思わず「ああああ!」と叫びたくなるほどに嬉しい吃驚だった。まあ、最初の人形の件であれ?って思うけど。
    館物は綾辻さんは最早私的に定説となりました。
    時計館の新装版はいつ出るのだろうか・・・

  • 賛否両論あるが私は好きだった。
    最後、多重人格であることが分かると今まで見えていた世界がガラリと変わり、自分でやっていることに自分で怯え、一人相撲をしているような虚しさを感じた。

    途中まで絶対犯人は架場じゃん!分かりやすすぎる!とたかを括っていたが、もちろんそんな単純なラストではなかった笑
    登場人物の心情や館の描写も細かくされており、比較的イメージしやすく入り込みやすかった。
    多重人格もの?は意外と好きかもしれない。

  • こんなもんだろーと思い読んでいたら騙されたんですが、自分が求めているミステリーではないものの興味深かかった。

    引き摺り込まれる書き方

  • なるほど、異色作なのだな、と読了しての素直な感想。
    ミステリー初心者ながらいくつかの可能性を考え、真相に近付きつつあった思考が見事にハマってしまったようで、及ばなかったのがとても悔しいです。
    賛否両論あるかと思いますが、私は好きかな。
    勿論十角館も、水車館も、迷路館も、見事にどんでん返しを受けておりますが、このまま時計館へと歩を進めようと思います。

  • 見事騙されました!綾辻先生の作品の世界に惹き込む文章は本当に凄いですよね。読了後の昂揚感がとても好きです。次の作品も楽しみです!

著者プロフィール

1960年京都市生まれ。京都大学教育学部卒業、同大学院博士後期課程修了。87年、大学院在学中に『十角館の殺人』でデビュー、新本格ミステリ・ムーヴメントの契機となる。92年、『時計館の殺人』で第45回日本推理作家協会賞を受賞。2009年発表の『Another』は本格ミステリとホラーを融合した傑作として絶賛を浴び、TVアニメーション、実写映画のW映像化も好評を博した。他に『Another エピソードS』『霧越邸殺人事件』『深泥丘奇談』など著書多数。18年度、第22回日本ミステリー文学大賞を受賞。

「2023年 『Another 2001(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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