名前探しの放課後(下) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 730
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  • Amazon.co.jp ・本 (456ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062767453

感想・レビュー・書評

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  • 上下巻通じての感想です。

    同級生で自殺者が出ることを知ってタイムリープし、その自殺を阻止しようというのが本作の話の主な流れです。
    にもかかわらず上巻の途中で早くも、自殺者はこの人で確定ではないのかと思いました。
    これで下巻まであると冗長な話になっちゃうのではと思って読んでました。
    ですが、下巻で、まさか、そんな!?という展開でした。
    私は夜寝る前に下巻を半分くらいまで読んでいましたが、途中で止められず、結局最後まで読み、時計で時間を確認するのも恐ろしい時間に就寝して、今朝は寝坊をしました。

    というわけで面白かったことは間違いありません。
    ただし、最後はちょっと強引というか荒削りなところ(実際にはこんなに上手くいかないのではと思うところ)がある印象も受けましたが、その反面、登場人物たちの熱量が感じられました。

    なお、私は、本作の登場人物が登場している他の作品としては、「凍りのくじら」、「ぼくのメジャースプーン」、「樹氷の街」(「光待つ場所へ」に収録)の3作を事前に読んでいます。
    「子どもたちは夜と遊ぶ」は未読です。
    私は、本作の登場人物のあの人は、あの作品のあの人だというような情報を事前に知っていて読んでいましたが、そういう情報を知っていない人のほうが、最後により大きな驚きを得られると思います。

  • 他の本とのリンクがいい!
    、、、が、読んでない人は理解不能では?

    ここまで壮大な長編を読んでいる気分。
    下巻からの内容を深掘りしていくところや、真相に近づいていくところは読み応えあり。
    まだ続くので丁寧に読んでいきたい。

  • 上巻を読了した際に、意外とあっさり自殺する人分かったな〜と思っていたのですが…見事に騙されました。ヒロインがキーパーソンなんだろうな〜と何となく思ってたらとんでもない。学校という閉鎖的な空間での悩みや学生独特の雰囲気など、とてもリアルで面白かったです。

  • 後半は読む手が止まらなくて、夜更かしして最後まで読んでしまった。

    タイムスリップの真相はビックリしておもわず声が出てしまったし、大好きなキャラ達に再会できて嬉しい気持ちでいっぱいでした。
    2人とも元気になって本当によかった。

  • 「クリスマスの日にクラスの誰かが死ぬ。」
    未来で起こる「だれか」の死を阻止するため、少年少女たちが動き出す。
    点が線になったとき、見えていなかった未来が現実として姿を現す。

    種明かしの後半は怒涛の展開で疾走感がたまらない。
    生きる理由があれば「死ぬ」未来は起こらない。

  • 下巻に入ってからの面白さがすごくて、あっという間に一日で読み切ってしまった!

    主人公の依田いつかは、撤去されたはずの看板が戻っていることから、3か月前にタイムスリップしていることに気がつく。高校の同級生が、クリスマスイブの日に自殺する。誰かは思い出せないが。
    自殺を阻止するために、中学からの同級生の坂崎あすなとその「誰か」を探し始める話。

    騙された。辻村さんらしいミスリードなのに、素直になにも疑わずに読み進めてしまったので、やられたなという気持ち。
    タイムスリップはそういうことなのね。「僕のメジャースプーン」では、ずっとふみちゃんって言ってたから、苗字だなんて気づかないし、全然気づかなかった。今回は、作品の順番通り読めていて本当によかった。
    石のスープの寓話と、過去の主人公たちとの再会と、張り巡らされた伏線と。すっごく面白かった。

  • 「俺がいた未来すごく暗かったんだ」
    自殺者を探すいつか達。 そしてその候補の基。彼に水泳を教えるいつか。 基と一緒に水泳を教えてもらうあすな。 2人はXデーを回避することができるのか。

    随分と久しぶりに再読。自殺者も分かっていた状態だったけど、やっぱり面白くて一気に読んでしまった!一回目は完全に騙されたのもありますし…伏線を確認しながら読了。
    2度目だと、基が「損な役回り」って言ってたり、あすなが礼華の教科書(授業進行度)の違いに気づくところとか、ノートの意味だったりかなり綿密に伏線がばら撒かれていたことに気づく。普段どんでん返し系も再読あまりしない主義なんだけど、これは再読しても楽しめた。

    実は『ぼくのメジャースプーン』は未読なんだけど、順番で読まなくても、いつかとあすなの成長物語は感動した!やっぱ順番に読んだ方がいいと思うんだけどね、、これから読む人は是非順番通りに!

  • 読み終わった!最後の大どんでん返しはびっくりしたけど、、星3止まりかな〜?私的には

  • 「ぼくのメジャースプーン」を読んだ後に読むのがおすすめだ、と、この本を教えてくれた父に言われたのですが、その意味がわかりました。
    最後のどんでん返しが最高でしたが、まさかの2回、最後の最後で食らっちゃいました!笑笑
    主人公は同い年の高校一年生で、共感するところが多く、特にヒロインのあすなちゃんとは似ているところが多くてまるで私を見ているかのようで色んな意味で面白かったったです。
    個人的に河野くんが虐められていたわけじゃなくて、あと友晴がいい奴で本当に良かったーと思ってます。
    ぼくメジャに出てきた登場人物が大きくなって(6年後の設定)再び出てきてくれたのが最高でした!!
    思い出話の中や、セリフ、性格で、ぼくメジャのあの子は、この子のことだろうな〜と何となく推測できるようになっていて、(もちろん最初の方は全然わからないようになっている)それに1ページ1ページ、一文一文に伏線が張られていて、最後には必ず全ての伏線が回収されて気持ち良かったです。
    というかいつかくん、かっこよすぎよ...

  • 最高でした。
    今作品のクライマックスを読んで、文庫本の帯の
    すごろく順に読んできて良かったと実感。
    とにかく作品同士のリンクが多くて贅沢。
    チヨダ•コーキの名前が出てくるだけで嬉しいし、
    郁也、多恵さん理帆子や秋山先生にも会えて嬉しい。
    あの子もしかして「ふみちゃん」?…ってことは、
    彼は「ぼく」か!みたいな発見と、物語の続き。
    (ウサギのシール出てきてやっと気づきました汗)
    理不尽なのは嫌だ。孤独故に死なないで欲しい。
    大切な家族と生き別れてたくない。
    一生懸命な姿って素晴らしい。

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著者プロフィール

1980年山梨県生まれ。2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。11年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、12年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、18年『かがみの孤城』で第15回本屋大賞を受賞。『ふちなしのかがみ』『きのうの影ふみ』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』『本日は大安なり』『オーダーメイド殺人クラブ』『噛みあわない会話と、ある過去について』『傲慢と善良』『琥珀の夏』『闇祓』『レジェンドアニメ!』など著書多数。

「2023年 『この夏の星を見る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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