真実真正日記 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 349
感想 : 28
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062768122

作品紹介・あらすじ

僕は作家だ。だが執筆中の小説はまったく進まない。たまには本当のことを書きたい。これはフィクションに疲れたマイナー作家の、ささやかな休暇としての日記だ。誰にも見せないのだから嘘は書かない。そういう意味で、僕はこの日記を真実真正日記と名づけよう。虚と実のあわいを絶妙に描き出す慟哭の記録。

感想・レビュー・書評

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  • タイトルから、帯コメントから、表紙からドキュン。嘘って何かね。

  • もう!いったいなんなんだ!!
    阿修羅になっちゃった!!

  • タイトルからしてエッセイかと思いましたけれども、実際は日記風の小説、といったところですかね。主人公はなんとなく町田氏を連想させますけれども、やっぱしフィクション上の人物なのであるからして、町田氏とは別の人物、と考えた方が吉かもしれないですね。

    ヽ(・ω・)/ズコー

    なんというか、平坦な日常の中にも時折見せる鬱屈とした感じが妙にリアルで、そういや、ボキもこういった気持ちになる時あんなぁ…みたいな共感・共鳴を呼んだのであるからして、少なくとも僕的には良作であった!

    ヽ(・ω・)/ズコー

    最近の著者の作品はエッセイみたいな小説が多い…という印象を僕は抱いているんですけれども、今作はその中でもかなりずば抜けた! 魅力ある著書に仕上がっているんじゃなかろうかと個人的には思いました。おしまい。

    ヽ(・ω・)/ズコー

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/682522

  • 2020/12/4購入
    2022/12/8

  • 2006年に刊行ということで今から約12年前の書籍ということになるが、妙にリンクしていて笑いどころとじっくり考え込むポイントとが混ざり合っていて良い。
    日記の体裁を以て描かれるマイナー作家「僕」の妙な日常と書き進めている小説「快楽のムラート」の進行具合。
    他の短編や長編などと一味違って、思想みたいなものがわかりやすく読み取れる。「真実」で「真正」な「日記」なんて誇張されすぎた物事で嘘になるけれど、最早二重三重に否定されて本当のことのように思うわけで。
    自宅で日本酒を燗にする面倒臭さを長々と綴っているあたり、最高に笑える。流石町田康。阿修羅になるところも大いに楽しんだ。

  •  彼の作品を全て読んだわけではないが、今までに読んできた作品の中では一番面白かった。
     星五つはちょっと甘いかも知れないけど、四つ星半には辿り着いていると思う。
     いつもの町田節とはちょっと違う感じも受けるが、それは日記形式という構成によるものなのかも知れない。
     そのいつもとちょっと違う印象が実にいい(なんて書くといつもの町田節が悪い、といっているようだがそうではない)。
     ふざけているようで、鋭い観察力で批判精神を随所に発揮している。
     日記を書いている人物の正体を明かす最後は「うーん、ちょっとどうなんだろう」と思ってしまったけど……。

  • 日記という体裁をとったダラダラとした小説。
    面白可笑しくは読めたが面白いとは言えない。

  • ”世間の人は本当のことを知りたがり、世の中には本当風のことが溢れている。でもそれらは全部嘘、単純なストーリーだ。人々は本当に本当のことは知りたがらない。なぜなら本当のことは疲れるし、本当の本当のことは誰にもわからないから。”

    再読

  • 【本の内容】
    僕は作家だ。

    だが執筆中の小説はまったく進まない。

    たまには本当のことを書きたい。

    これはフィクションに疲れたマイナー作家の、ささやかな休暇としての日記だ。

    誰にも見せないのだから嘘は書かない。

    そういう意味で、僕はこの日記を真実真正日記と名づけよう。

    虚と実のあわいを絶妙に描き出す慟哭の記録。

    [ 目次 ]
    日記の書きはじめ/比々さん/文差点の騒動
    新店コンドル/矢村の素晴らしい文学/暴動の予感
    猿の不安/執筆の停滞/鈍くさい店でスカタン
    ブライトな若者/コンドルの不始末/花火と爆撃狂
    嫉妬の感情/撮影所見学/鰻の食べ過ぎで苦しい
    言葉が通じない/海もどきの怪/農業の勉強
    寂しいおっさん/頭のなかの猿/辺多子さんの「茶漬節」
    僕は幕下/バンド名決定/地獄の忘年会
    奴隷制復活論/メッセージソングの失敗/串カツ屋で大喧嘩
    縁起をかつぐ癖/ふわふわの兄ちゃんとオガタ/比々さんを招待〔ほか〕

    [ POP ]
    作家町田康が、「真実真正」をうたいつつ、その生活の虚実をつづった「日記」。

    引っ越し挨拶に「螺子」という漢字を聞いてくる男や、アイドルグループとの討論会兼演奏会に漂う気まずい空気。

    そして「犬とチャーハンのすきま」という名のバンドの顛末など、世間を怒りつつも恐れる男の日々がものがなしい。

    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

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著者プロフィール

町田 康(まちだ・こう)
一九六二年大阪府生まれ。作家。九六年、初小説「くっすん大黒」でドゥマゴ文学賞・野間文芸新人賞を受賞。二〇〇〇年「きれぎれ」で芥川賞、〇五年『告白』で谷崎潤一郎賞など受賞多数。

「2022年 『男の愛 たびだちの詩』 で使われていた紹介文から引用しています。」

町田康の作品

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