新世界より(上) (講談社文庫)

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著者 : 貴志祐介
  • 講談社 (2011年1月14日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (488ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062768535

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新世界より(上) (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

  •  書店で目にし、どうしても読みたかった。2008年、第29回日本SF大賞を受賞した本書です。

    1000年先の未来。
     文明はある理由で滅び、生活は明治以前の電気の無い時代に良く似ています。
    江戸時代と違うのは、人々は「呪力」を持ち、「呪力」に頼って生活しています。

     読み始めてすぐに「ハリーポッター」と連想しましたが、改めて思うと
    「悪意や攻撃性を題材にした、グロテスクな日本版ハリポタ」と言った感じでしょうか。(あくまでも私感です)

    設定はSF的ですが、内容はファンタジー。ミステリーな要素も含んでます。不思議な気持ち悪い動物も数多く登場します。

    下巻まで一気の読んで分かった。(と思ってる)
    「悪鬼」や「業魔」はいつも私たちの心の中にあり、潜んでいます。相変わらず無くならない悲惨な事件のほとんどは、この「悪鬼」や「業魔」のせいです。
    恐らく、混迷する政治もコレのせい。
    物語に出てくる「攻撃抑制」と「愧死機構」を持つ必要のない世の中になる事は、現代においても恐らく実現することは無いんでしょうね・・・

     恥ずかしながら、著者(貴志さん)の本は全く読んだことが無く、名前さえ知りませんでした。ホラー小説を良く書かれる方のようで、なるほどと思わせるエグイ描写が多いです。

    「リング」で著名になった鈴木光司と同じく、ホラー小説家が書くファンタジーは素晴らしい。

    「新世界より」当たりでした。

  • 貴志祐介さんはやはりどこか狂気じみた才能の持ち主だ。
    千年後の世界より、さらに千年後の同胞に向けられた語り。
    超能力を持つ人間ばかりの集落、その人間を神と畏れ労働力として使われているバケネズミ、ミノシロや風船犬、カヤノスヅクリ等得体の知れない生物たち…この不気味な世界で何が起こるのか。伏線がはりめぐらされている気がする上巻、読了。

  • 文庫で上、中、下に及ぶ超大作だが、一気に読める傑作。独特の世界観にドップリつかれるし、ボディーブローを浴びたような読後感。日本の童謡や怪談など土着的な気持ち悪さ、おどろおどろしさが楽しめる。もちろん手に汗握る逃走劇など、見せ場盛りだくさん。バケネズミや不浄猫など、名前を聞いただけで、それ一体何!?と、興味がわく不気味な生き物が続々と登場。ただ、超大作だけにちゃんと集約されるのか不安だったが、しっかりと落としどころに持っていき、きちんと終わる。脂汗をかいたり、冷や汗をかいたり、背後が気になったりと、正直疲れたがすごく面白かった。

  • 長い長い物語。独特の世界観を説明するための、前置きにあたる部分がまた長い。ここで挫折する人もそれなりにいるのでは?と思いますが、のれれば一気に読破できるようにも思います。

    以下、下巻までの感想を一気に。

    遠い未来、人口は激減、科学技術は衰退し、人々は「呪力」という一種の超能力に頼って生きている。争いごとのない、穏やかで平和な世界は、徹底的に管理された歪で冷酷な世界でもあった。子供の頃の冒険が、世界をあげて隠してきたその秘密を少しずつ紐解いていく。

    バケネズミという知能の高い生き物の争いを発端に、町は空前前後の危機に襲われる。しかし、人間達にはそれに対抗する術はなかった。

    主人公の回想という形式が、決死の戦いに挑む彼女が無事だったことのネタバレになってしまっています。その他にも、設定の粗が随所に・・・

    ただ、圧倒的な力をもってしまった人間の驕りとか、無意識の差別意識とか、支配欲とか・・・誰もがおそらくもっているであろう、人間の醜い部分の恐ろしさと、それを隠したり押さえ込んだりすることで生まれるゆがみの危険性とか、まかり間違えば、誰にも手のつけられない世界が生まれてしまうのかもしれない、という危機感とおぞましさのようなものが、読後感にゆらゆらと立ち上ってくるような読後感です。

    しかし、一番おぞましいのは、作品中の「教育」、「倫理」という言葉ですね。

    痛い表現、グロい表現が随所に。なのに登場人物たちは、あんまり気にしてなさそうな感じ。前半はそうじゃないように思うので、生きるか死ぬかの場面では気にならなくなる、ということなのか、だんだん麻痺してくるということなのか・・・。たとえば、奇狼丸の扱いはそんなもんでいいの? その判断に、後悔はないの? そういうところにも空恐ろしさを感じます。けど、たぶんその辺までは作者は意図しておらず、表面的になぞっただけのような。その点、ちょっと物足りない。

  • どこかのブログで絶賛されてたので読んでみた。
    SF読むの久しぶりな気がする。
    後半になって展開が面白くなってくるので、中・下巻が楽しみ。

    「あなたは、他人の痛みを、我がこととして感じられる人です。そして、よくよく肝に銘じてください。その痛みこそが、人と獣とを分かつものだということを。」

  • 20160903
    職場の先輩に勧められて読みました!「現代文学の中で一番好き」「ファンタジーだし、好きだと思う」と猛プッシュでした。(笑)
    ハリーポッターは大好きですが、実はファンタジーってあんまり得意じゃなく…久しぶりにファンタジーを読みましたが、おもしろかった!!
    今から1000年後の日本とか、徳川家康について教科書では川をどうにかしたことしか記されてないとか、今があって成り立つファンタジーというか、そういう設定すごく好きです。基本的に通勤中しか本は読みませんが、家でも本を開きたくなるおもしろさでした。
    続きが気になります。アニメも見よっと。

  • 面白かった。総評を下巻に纏めます。

  • 前半が、割りと読まなくてもあまり困らないような箇所が多い。
    半分を越えた辺りから、だんだんメインの話にはいっていく。そうなると、どんどん読み進められる。

  • 秋の夜長に徹夜本!と思って、まとめサイトなどでも人気なこの本を読み始めた。

    最初は全部読み切れるかどうか心配していたが…220ページを過ぎたあたりから一気に面白くなった!
    他の方のレビューにもあるけれど、ちょっぴり退屈な200ページを耐えると、そのあとにはご褒美のような展開が待ち受けている。
    次はどうなってしまうんだ!という最後で、上巻は締めくくられている。

    2日で上巻を読み終えたので(予想以上に早かった)、次の休みにまた図書館へ行って続きを借りようとおもう。
    待ちきれない!
    読書休くれ!笑

  • 超名作。上中下とあるが4日で読んだ。これを読んだ後は普通の面白さの本を読んでも物足りなさを感じてしまうほど。
     未来の日本が舞台で、その世界では「呪力」と呼ばれる超能力が人間には備わっている。一見便利に見えるが使用には制限が多くあり、また主人公たちが暮らす共同体にも多くの禁忌がある。それに触れた子供たちはいなくなる。そうした正体不明の何かに怯えながらも彼らは好奇心を抑えきれずにその世界の様々な姿を知って行く。
    自分たちのルーツは? 呪力はなぜ存在するのか? なぜ禁忌が存在するのか? なぜ世界はこういう形をしているのか?
     なおアニメ化してる。あまりにも作画が崩壊してしまったため、新作画より、のタグをつけられる始末。テーマ曲「割れたリンゴ」はいい曲。
     

  • 舞台は、今から1000年後、未来の日本。
    現代文明が滅び歴史が途絶えた後、呪術と呼ばれる超能力を使える人々が、のどかな田園風景の村の中で平和に暮らしている世界。
    主人公の5人の少年少女が、ハリーポッターっぽい呪術の学校で青春したり、村の外で化け物の戦いに巻き込まれたり。
    そして、ひょんなことからこの世界に隠された秘密を知り、最終的には人間や化け物も含んだ大きな戦いに発展していく。
    ジャンルとしては、和風ベースのSF+ファンタジー+ミステリー+ホラー。
    上中下巻で全1500ページの大作だけど、上巻の中盤あたりで物語に入り込んで以降は、長さを感じず面白く読めた。

    小説で感じた魅力は、「緻密な世界観」「物語のルールを守りつつ予想を裏切るストーリー展開」「哲学的な問いかけ」の3点。

    1.緻密な世界観
    西洋ファンタジー小説だと、指輪物語とかの定番の世界観(地理・歴史・生態系・魔法理論など)があるのだけど、この小説は和風な世界観をゼロから構築したところが先ず凄い。
    特に、村の結界の外で生きているグロテスクな生物の描写が無駄にリアルで詳細。
    最初はその描写が気持ち悪いのと詳細すぎるのとで、上巻の序盤、読む気力が無くなりそうになった。

    でも、上巻の中盤、失われた歴史が明らかになる。
    途絶えた数百年の歴史の中で何が起こったのか、なぜその歴史は忘れ去られなければならなかったのか、なぜ1000年前と違う生物が生きているのか、なぜ住民皆が呪力を使えるのか。
    謎がいくつも提示されると、どんどん物語に引き込まれた。
    特に、1000年前の文明が滅んだ後の奴隷王朝の描写。無駄に残虐でホラーテイストなのだけど、最後まで読むと必要な部分だったかもと思う。

    2.物語のルールを守りつつ予想を裏切るストーリー展開
    僕の理解では、SF作品の大前提とは、初期設定として読者に公開された世界観、つまり我々が住む現実世界とは異なる「いくつかの嘘」の整合性が、物語の最後まで崩れていないということ。
    そして、優れたSF作品とは、主人公が与えられた試練に対し、その世界観のルールに則った形で、しかし読者の予想を裏切る方法で解決していく作品だと思う。
    SFファンタジーには、初期設定の世界観作りを頑張りすぎて、ストーリー展開がそれを活かしきれないものもたくさんあるような気がするけど、この小説は高度に両立していると思う。

    この小説の世界では、人が人に呪力で危害を加えようとすると脳内的にストッパーが働いて攻撃できない、という絶対的なルールが存在する(お蔭で人間同士の故意の殺人や戦争は起こらない)。
    物語の後半、このルールを逆手にとった混乱が起こり、何度も絶望的な状況が訪れるのだけど、物語上のルールは守りつつ、でもその裏をかいた形で主人公は試練を克服しようとする。
    読んでいて、何度も裏をかかれるのだけれど、物語の中のルールを破っていないので納得できるし、裏切られるのが気持ち良かった。

    3.哲学的な問いかけ
    もう一つ、僕が感じる優れたSF作品の要素は、哲学の思考実験的な命題に気付かせてくれて、読後にあれこれ悩ませてくれる作品。

    この小説で問われていることとして感じたのは以下の3つ。
    ・世界の真実の姿を知らないまま平和に暮らすのと、真実を知って苦しみのある世界に飛び込むのと、どちらを選ぶか?(同テーマの別作品「マトリックス」)
    ・万能の能力を持つことで人類は幸せになれるのか?(同テーマの別作品「デスノート」)
    ・自分と外見や思想の異なるもの(この小説では人間並みの知能を持つ醜い化け物)に対して、人は仲間意識を持てるか?(同テーマの別作品:「彗星のガルガンティア」)

    どれもはっきりとした答えは無いし、考えても仕方のないことかもしれ... 続きを読む

  • 前知識としてアニメは見たのですが、やっぱ原作のほうが内容濃そうです。

    世界観にグイグイ引き込まれてます。
    中巻に続く。

    以下、あらすじ
    ============
    ここは汚れなき理想郷のはずだった。
    1000年後の日本。伝説。消える子供たち。
    著者頂点をきわめる、3年半ぶり書き下ろし長編小説!

    子供たちは、大人になるために「呪力」を手に入れなければならない。一見のどかに見える学校で、子供たちは徹底的に管理されていた。
    いつわりの共同体が隠しているものとは――。何も知らず育った子供たちに、悪夢が襲いかかる!

    第29回日本SF大賞受賞

  • 雰囲気、世界観、醸し出される空気といったものが巧みに描写されていてどっぷり世界にはまり込める作品でした。
    SF、ファンタジー、ミステリー、ホラー、どのジャンルに属するのかわからない、というより全ての要素が融合してとにかく凄く面白かったです。
    久しぶりに読む手が止まらなかった。

    ただ、やっぱりこの著者の描くグロテスクなシーンの描写の仕方?表現方法?があまり好きになれないですね。
    元々自分があまりそういったものが好きでは無いというのもありますが。
    一貫してそのような作品ばかり書いてるようですが、せっかくこれだけの世界観を構築し表現する筆力があるのだから、是非残虐さに捉われない作品も書いてみて欲しいです。

  • 「呪力」と呼ばれる超能力を、誰もが持った世界。
    イメージするだけで、物を壊したり、浮かせたり、なんでもできる世界。
    主人公の早季の手記から物語は始まる。
    大人になった彼女が、呪力を手にした子供のころから遡っていく。
    箱庭のような危険の無い世界で、早季は友人たちと何不自由なく暮らしていた。

    ジュブナイル的なホラーファンタジー。
    上巻は設定を理解するのにいっぱいいっぱいで、あまり楽しめるところまでいけなかったけども、
    話が転がり始めてからは、ページをめくる手が止まらない。

  • あまりにも恐ろしい。けれど目が離せない。これは、1000年後の日本。神の力を手に入れた子供たちの話である。安全な町から初めて外にでた子どもたちは、その隠された先史の歴史を知ってしまう。これはありえない、と思いつつも、もしかしたらありえる未来の話ではないか。

  • 世界観が凄い。人類がPK能力を持つと世界はどうなるか。「国立国会図書館つくば館」の端末機械である「ミノシロモドキ」が語るおぞましい歴史は大変説得力があった。持たざる者はやはり奴隷となるしかないのか。呪力というPKを持ち神様と呼ばれる人間側から物語は書かれているが、実は現在の私たち人間はバケネズミ側なのだ。今後の展開が楽しみ。同種間攻撃抑制のための愛の生活と愧死機構が興味深かった。

  • amazonで序盤は世界観とかが分かりにくいっていうレビューが多かったと思うけど、それ知ってたからかそうでもなかった。生活様式や生き物1つ1つに対して細かい描写があって、作者は世界を一から作り上げてるんだと妙な感動を覚えた。一字一句を大切に読めた作品。

  • 未来の日本。
    人類は超能力を手に入れていたのだが、全てが統制され、作られた世界で生きていた。

    おもしろい。今後が楽しみ。

    以下引用

    「Ⅰ若葉の季節」
    まず、主人公の渡辺早季が、この手記を書くに至った経緯を説明します。
    この手記を書いている時点で、主人公は約35歳です。
    210年12月10日、神栖66町生まれなのですが、
    この「210年」というのは西暦ではありません。

    主人公の自己紹介の後、
    「もし、秋月真理亜がこの世に生まれてこなかったとしたら、
    結果的にあれほど大勢の人が命を落とすこともなかったはずだから……。」
    という文章があります。
    これは③と関連している思わせぶりな文章の一つなのですが、
    「普通に読めば真理亜が大量殺人の引き金を引くように読めます。
    しかしこれは一種の叙述トリックと言うか、ミスリードです。
    この文章のせいで、真理亜に対して偏見を持ったまま
    読み進めてしまった人が多いでしょう。」

    神栖66町に関する説明があります。
    神栖66町は、八丁標(はっちょうじめ)と呼ばれる注連縄で囲まれた、
    周囲50キロメートルほどの地域に点在する七つの郷からなっています。

    次に、「悪鬼」と「業魔」に関する、説明という名の前振りがありますが、
    この時点では意味不明なので飛ばします。

    夕暮れ時に早季、真理亜、朝比奈覚(さとる)、青沼瞬、良、麗子などが、
    陣取り合戦をしていて、その終わりに早季がミノシロを見ているという描写があります。
    ミノシロというのは、たくさんの触手をもつ陸生の生き物です。

    また、覚が、ネコダマシという非常に大きな猫を中庭で見た人がいる、という話をします。

    ここからしばらくの間、早季が小学校のような存在の「和貴園」から、
    中学・高校のような存在の全人学級に進学するまでのエピソードがあります。

    「祝霊」が来ないと和貴園を卒業することはできません。
    祝霊というのは、超能力を使えるようになることです。
    早季はこの祝霊が来るのが遅いため、なかなか和貴園を卒業することができず、
    悩んでいました。
    和貴園を卒業できなかったらネコダマシが迎えに来る、という噂があるのですが、
    早季はそのネコダマシを目撃してしまい、母親に悩みを打ち明けます。
    その夜、早季は両親の会話を盗み聞きします。
    早季の母親は、
    「私、もう、子供を亡くすのは嫌よ!」とか、
    「だって、早季は、不浄猫を見たって言ったのよ!」などと、
    深刻そうな会話をしていました。
    しかしその直後、早季にもようやく祝霊が訪れたのでした。

    早季は屋形船に乗せられ、八丁標の外のお寺、清浄寺へ連れて行かれます。
    そこで無瞋上人(むしんしょうにん)という白髪の僧侶から、早季はテストを受けます。
    そのテストの内容は、無瞋上人が自分の腕を小刀で切り付けている振りをして、
    早季がその痛みを感じることができるか、というものです。
    早季は胸が苦しくなり、倒れてしまいます。

    アニメの1話ではこのシーンがカットされていました。
    確かに危険な新興宗教っぽい内容なのでカットされるのも分かりますが、
    実はこれは早季に「愧死機構」が備わっているかをテストしていたという
    重要な伏線になっているシーンでした。

    その後、早季は何人もの僧侶の前で炎を見るように言われ、その炎を呪力で動かします。
    次に、人形を動かされ、その人形に呪力を封印されたと宣言されます。
    しかしその直後、真言(マントラ)という呪文を授けられ、
    以降はその真言がないと呪力を使えない身体になってしまいます。

    そしてようやく全人学級に進学することができた早季は、
    覚、瞬、真理亜と再会します。
    ちなみに、こ... 続きを読む

  • 500ページ近い本だが、一気に読み終えた。渡辺早季による回想録という形態で書かれており、神栖66町や町を構成する七つの郷、人々の習慣、悪鬼や業魔などの背景情報について淡々と述べたあと、祝霊と通過儀礼、全人学級において麗子と学がいなくなったエピソード、バケネズミを助けたこと、それに付随してバケネズミのコロニーについての解説、そして夏季キャンプで図書館と出会い、早季と覚の孤独な土蜘蛛コロニーとの闘いが描かれ、奇狼丸によって闘いが終結したところまで。アニメが如何に忠実に作られていたかがよくわかった。
    アニメでは今ひとつわかりにくかった風船犬や離塵師の死因、愧死機構についても理解できてスッキリした。

  • すごい面白かった!魅力的なキャラクターたちに魅了されながら、独特の世界にどんどん引き込まれた♬早く中巻が読みたい!!

  • いかにも講談社ノベルスという感じの大長編でした。
    長いだけの価値はあります。

    高里椎奈や恩田陸みたいなふわふわしたファンタジーと思いきや、読み進めていくと SF という。
    どんどんどんどん、風呂敷が広がっていきます。

    ほんと、怖い。
    ホラーじみた世界観も怖いけど、なにより、風呂敷を広げるだけ広げて畳む気がないのだろうか心配になって怖いのです。

    (中)に続く。

  • アニメ化されてから本作を知り、一気に読んでしまった。内容は美しすぎる未来の小さな共同体。しかし、そこにべったりと染みのように張り付く排除の構造という二面性を孕んだもの。本文の中に出てくる”ネコダマシ”が「ダブルバインド」的な手法を使って人間を狩るように、本文を貫いている雰囲気もダブルバインド的。いかに見かけが美しく見えても、またその逆であっても、内実はわからないものだ。人類学・動物行動学的な遠未来SFで、世界観の描写がとても美しい。後半にかけてミステリやアクションの要素が強くなり、駆け足になっていくが、個人的には前半部分の少々冗長とも思えるような世界観描写が読んでいて一番楽しかった。ドーキンスの『利己的な遺伝子』やピンカーの『人間の本性を考える』が好きな人にはお勧め。コンラート・ローレンツが元ネタだと筆者は述べているけれども。

  • ジュブナイル、ミステリー、ロードムービー、和風SF、生物学、文化人類学…いろんなエンターテイメントと学ぶ楽しみが凝縮されている、傑作! 
    はじめは亀のようにのろのろと物語がはじまり、上巻218ページで「ミノシロモドキ」が出て来た瞬間に、疾走が始まる。「呪力」という超能力が使える人間が支配する世界で、5人の子供たちが幼年、少年、成人と成長し、目にする世界と人間関係を広げていくたびに、開示されていく「新世界」の謎、おどろおどろしい成り立ち。中巻の真ん中から下巻のラストまでは疾風怒濤の展開、ページを繰る手が止まらなかった。

    とにかく、練りに練られた物語の世界観に圧倒されます。甘美で、残酷で、魅惑的。
    特に、人間を「自然界に生息するただの一生物」として観察し描写している作者の視点、その突き放し感が、とてつもなく恐ろしい。同じ人間という種族としての優越感や劣等感は文体から排除され、「実験でハツカネズミを観察する科学者」と同じ目線で、生物・人間を描いている。その視点にゾッとすると同時に、なぜか奇妙に快感を覚えるんです。そして快感を覚えた自分にまたゾッとする。

    特にラストの大騒動では、これ以上ないってくらい「考えたくない人類の未来の可能性」を見せつけられ、茫然。本当に、あれだけはあっちゃいけない…。
    5人の少年少女が、夏休みの自由研究として「鳥の出産の仕組みの観察」をしているシーンで、さりげなく、でも事細かに未来の鳥の出産の仕組み(偽卵とか巣の乗っ取りについてなど)が描写されているんだけれど、これがラストへの大きな伏線になっているという、あまりの手の込み方に愕然としました。(これは一例で、伏線は他にもたんまり)

    人間はどんなに進化しても「自然界の1種類の生物に過ぎない」「時の洗礼と試練を受け進化した!はずなのに、やはり同じことを繰り返す」という、生物学的・歴史的に当たり前の事実を突きつけられる。
    読後感、重いですがめちゃくちゃ刺さります。

  • 2012 10/15読了。有隣堂で購入。
    アニメで見て気になって買ってしまった本。初・貴志祐介。
    人々の間にサイコキネシスが普及した、1000年後の未来を描くSF。
    けっこう助走期間長いのかなあ、と思っていたら1巻半ばから冒険の連続で驚かされた。思わず読みふけってしまった。
    多くの人間がPKを使える世界、ちょっとキレたら相手の頭を爆発させかねない世界で社会をどう保つか・・・というのはとても面白い。
    急いで続きも読む。

  • ようやく読了しました、「新世界より」。貴志祐介といえばホラーではありますが、この本はまさにSFと呼ぶに相応しい、ブレのない作品でありました。
    主要な登場人物の人数もちょうど良く、名前も覚えやすく、世界観にのめりこんで読むことが出来ました。
    日常から始まり、その日常に見え隠れする暗い影を言及していくにつれて、その世界の真相へ近づいていく…割とありがちな話の筋ではありますが、この作品には設定による様々な制約が存在し、それがキャラを引き立て、世界を引き立てているように思えます。
    上巻から中巻にかけての、突如として訪れる非日常っぷりにはなかなか緊張感がありましたね。大どんでん返しというものはありませんでいしたが、SFに若干のホラーが混ざる貴志祐介の世界の描き方は読んでいて飽きません。最後の最後に書かれるバケネズミの詳細には驚いた。なるほど、そこでミノシロモドキの伏線を回収するか…と納得。
    ネタバレレビューなので書きますが、記憶回想が太字で書かれているのでそこは強調があって読みやすいし、本文中に出てくる箇所でもあるので自分で読んだその前後を「確かあんな感じだったな」と思い出しながら読めて楽しかったです。
    貴志祐介の次なるSFに期待したいところです。上中下となかなかの長編ですが、このくらいの物量があったほうが楽しめそうです。

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1000年後の日本。豊かな自然に抱かれた集落、神栖66町には純粋無垢な子どもたちの歓声が響く。周囲を注連縄で囲まれたこの町には、外から穢れが侵入することはない。「神の力」を得るに至った人類が手にした平和。念動力の技を磨く子どもたちは野心と希望に燃えていた…隠された先史文明の一端を知るまでは。

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