新世界より(下) (講談社文庫)

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著者 : 貴志祐介
  • 講談社 (2011年1月14日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (560ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062768559

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新世界より(下) (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

  • 怒涛の勢いで読み終わった。
    読み終わってしまったことが悲しい…。


    お話は…
    呪力をもった人類が現れて、呪力のない人間と大戦争が起こる。そして勝ち残った呪力をもつ人類が築き上げた世界が、この本の今。語り手の渡辺早季が住む世界。

    呪力によって創り上げられ、何かがおかしい世界。その矛盾に気がつき、好奇心で探索を始める幼い頃の早季とその友達。大人になるにつれて消えてゆく記憶とほころびだす世界の歪み。




    設定はSFだけれども、ミステリーでもあり、戦争アクションでもあり、ファンタジーでもあり…分厚い文庫本3冊におもしろい!がいっぱい詰まった本!

    読み終えた後の達成感、爽快感、そして手に汗握るこの感覚。
    ぜひみんなに読んでこの感覚を味わってもらいたい、そんなお話。
    でも、おもしろいと同じくらい怖くなる。笑
    人間ってこわいね。
    怖いのが苦手な人は要注意。

  • なんだこれは! ものすごく面白かった!
    (と、こぶしを握る)

    ジャンルはSFということになっているのだそうです。少年少女が主役の近未来SFです。超能力と異人種が登場するファンタジー色のつよいサイエンスフィクション。けっして軽くない。目がくらむほど(物語としての)魅力に満ちた広大な世界と、そこにひびきわたる重低音の物語。細部までいきわたった繊細なディティール。
    世界の設定を思いついて、こんな風に文字にしてしまう、物語にしてしまう作者、すごいです。

    主人公早希も、周囲の少年少女は個性的で、魅力的でした。
    瞬と早希は永遠の、そして悲劇の初恋だから、最後まできらきら光っててとてもうまいと思ったし、真理亜と早希のカップルももすごくセクシーで可愛らしかった(百合!)、悪鬼の子どもの出生を知るとき父母のことをかんがえると胸が痛んで、救われてくれと祈らずにいられなかった。バケネズミたちも街のひとびとも、それぞれ印象深かったりかっこよかったり。

    ラストの怒涛の戦闘は圧巻。グロテスクで迫力満点なのは貴志さんお得意なのですね。
    …ものすごく電車乗り過ごしました。

    悪の経典ファンの方で、未読のかた、この本を読まずに一生終わらないほうがいいですよもったいないから。と。読み終えたいま、興奮気味にお勧めしたい。

  • 夏祭りの夜、ついに人間に反旗を翻し、奇襲を仕掛けたバケネズミたち。呪力という最強の武器をもつために、権力の上に胡座をかいてきた人間と、人間以上の科学技術を身につけ、虎視眈眈と下克上を狙って準備をしてきたバケネズミとの全面戦争が始まる。

    ほとんど丸々1冊、バケネズミとの戦いが描かれていた下巻。上巻を読んでいた時から既に、私にはこの世界が怖くて気持ち悪いものに見えていた。人が生まれた瞬間から既存の価値観に洗脳し、一見健全な上っ面だけを重視し、その体面を保つことだけに注力するこの世界が不気味で仕方がなかったのだ(というのもひょっとしたら、現代の価値観に洗脳されているのかもしれないが、思想信条や表現の自由がある分、柔軟な考え方ができるのは間違いなく今の日本だろう)。それゆえ、どちらかといえばまだ現代人の感覚を持ち合わせているように思われるバケネズミに感情移入して読んでいた。

    この世界の怖さは、あれだけ人間に協力した奇狼丸を平気で捨て駒にし、またそのことに感謝すらしていないことに象徴されるように思う。どれだけ「人が人を殺さない」「争いのない」世界と言っても、とても健全な感情をもった人の集まりとは思えない。人間が自ら神と称する世界なんて、ろくなもんじゃない。

    人間の味方をし、救った奇狼丸と、人間を殲滅しようとした夜狐丸の、神と崇めた人間に対する本音が全く同じというのは興味深い。支配と隷属の関係がどのように出来上がるか(力と知恵のどちらが重要なのか)、そうした構図も見えるし、逆に権力が崩れ落ちる理由を物語っているではないか。

    ラスト、バケネズミの正体が明らかになる。私が人間よりむしろ彼らの価値観に同調していたのは、やはり間違いではなかったのだ。むしろ、薄々そうなのではと潜在意識で思っていたことを突きつけられたショック。こんな後味の悪い小説は久々だ。バッドエンドは好きな方なのだが、それでもそう思ってしまう。貴志祐介氏は、救いのないストーリーを思いつく天才(そしてドS)ではないか。

    様々な社会になぞらえたり(まるで今の日本を皮肉っているようにも思う)と、考えさせられる作品であったことは間違いない。特に、中巻からはノンストップで読み進めた。壮大な世界観、圧倒的な読ませる力をもつ物語であった。

  • この本の生み出す世界にすごく引き込まれた。大きな理由として、自分的にとても現実的である、現実味があるように思えたからである。
    確かに呪力という超常能力は現実的ではない、しかしだからこそ、他の、攻撃抑制や愧死機構、悪鬼や業魔など、現実に沿った、または起こり得ると納得できる事柄が、物語の重要なファクターとなり、それに深い印象を受けた。
    普段SF小説を読まないからあまり知らないが、もしかしてSF小説とは既存の知識をもとにあり得る事柄を描くものであり、ある意味では超現実的であるのかと思った。また、今回この本を読んで、自分はこんな世界観が大好きなのだと分かった。現代とは違った、だけど通ずるところがある、または不可思議の中に確かに現実味があるような世界が(今読んでいる携帯小説もそんな感じ、やっぱり大好き)。
    図書館で借りたが、ブックオフで売ってたら買おうかな。

  • 感想は上・中・下巻まとめて。

    アニメ化をきっかけに再読。
    SF・ファンタジー・ホラー・ノスタルジー、さまざまなジャンルを内包した世界観は日常から離れたい時にふと読みたくなります。

    今からわずかに1000年後の設定なのですが、SFだのファンタジーだのいいながら、所々有り得そうな未来なのが怖い。

    ファンタジーは好きなのですが、その中でも「隠された都合の悪い真実の管理者に対して反論していく」物語が俺はどうも好きなようです。

    ファンタジーは世界観の説明が大変だなぁ、ということで最初に読んだ時は上巻の説明部が冗長だったイメージがありました。
    が、再読してみると意外とその部分が面白かった。
    中巻と下巻のスピーディな展開もやっぱり良かったです。

    自分で何の疑問も持たず、考えずに他人に管理してもらうことは楽なのですが、実は恐ろしいことなんですよね。
    その考える手助けになるのが現代の本であり、この世界のミノシロモドキだった。
    自分たちに思考と知識を与えてくれる、先人達の遺してくれた本に感謝です。

  • 東京へ向かってから長い…
    気持ち悪い生物もうにょうにょしてるし…
    クライマックスに向かってのどんでん返し、
    背筋が寒くなるような事実…
    余韻を残しつつ、長編ファンタジーを締めくくっている
    と思います。
    瞬のことを何度も何度も思い出そうとする場面、
    ナイトカヌーの思い出、センチメンタルで良かったです。
    瞬だけでなく真理亜と守も、もう少し出してほしかったな。

  • 人間の身勝手さ、罪深さや歴史の繰り返しを説いてると感じた。また同時に、その過ちの歴史繰り返しの中で少しずつ学び、懸命に生きて行こうとする人間の姿を描いている。

    合計一千ページにもなる一大巨編だが、先が気になり一気に読める。もしまだであれば、ぜひとも多言語化されて、この素晴らしい小説を他の国の人にも読んでもらいたい。できればいつの日か実写映画化された作品を見てみたい。

  • 青年になった主人公。
    バケネズミたちの動きがおかしいぞってところから、物語は怒涛の展開へ。
    見たことも聞いたこともない生物、古代兵器、文字にするとSFちっくなんだけど、読んでいてもSFらしいとは思えない。
    スクイーラの最後の言葉が印象的でした。

    長いけど、かなり面白かった。

  • 悪鬼を倒せる唯一の武器サイコバスターを手に入れるため、東京の地下をさまよう四人。案内するニセミノシロモドキはTOSHIBA製、向かう場所は中央合同庁舎第8号館。リアル過ぎる。恐ろしい生物の巣窟となった地下鉄の成れの果ての洞窟を決死の覚悟で行軍する様が凄まじかった。どうやって悪鬼を倒すのか最後までハラハラドキドキ。基本的人権のために闘うスクィーラには色々考えさせられたが、知性を持った存在には等しく権利が与えられるべきという考えは正しいと思う。最後に明かされたバケネズミの正体は思った通りだった。奇狼丸の壮絶な最期に黙祷。

    p326
    「もし、わたしたちが、引き返さなきゃならなくなったら?」
    「それで、自分が作った間抜け罠(ブービー・トラップ)にかかるようなら、生きる資格はありませんな」
    わたしは、自分に生きる資格があるかどうか、心配になってきた。

  • 仮に、人間に「手を触れずに、見つめて念じるだけで」モノを自在に操る事ができる能力があるとします。念じるだけで炎を操ることができ、鍵をあける事ができ、人の首をひねることさえもできてしまうとします。人間の社会はその時、どうなってしまうのでしょうか。

    本作「新世界より」は、現代から約1000年後、そのような能力を扱うことができる人間たちが暮らす世界を描いた作品です。

    今作では、作者の貴志さんに圧倒的なスケールの世界観を見せつけられました。
    念能力を扱うことができる人間たちが、その能力を他人に向けることを抑えるためにどういう仕組みを作るったのか。念能力を使えない人間をどうすることで彼らの世界の均衡を保っているのか。その「隠された真実」がドラスティックな展開の物語の進行につれて徐々に明らかになっていきます。それまでの歴史とその社会の背景、そして「業魔」や「悪鬼」の正体には何度も驚かされたと同時に、「あぁ、こういう世界ならこういうことが確かに起こりうるんだろうなぁ」という妙な納得をしてしまいました。

    主人公・早季は、物語の巻末でこう語っています。
    「けっして信じたくはないが、新しい秩序とは、夥しい流血によって塗り固めなければ、誕生しないものなのかもしれない。」
    これまでの人類の歴史もそうでしたし、物語の中の早季たちの住む世界も、現代以上の「血みどろ」の上に成り立っていると言えます。それを、人類はどうやって克服していくのか。新たな混乱と新たな希望が見え隠れするラストは、この言葉によって締めくくられています。

    「想像力こそが、すべてを変える。」

    想像力こそが、人間が自身の課題を解決に導くことのできる唯一の武器なのでしょう。


    「私たちは、人間だ!」

  • 上中下まとめての感想で。



    いやー長くて読みごたえのある話だったから、本当は評価高めにしたかったけど、全体的に後味が悪すぎる。
    残酷描写が多すぎて、いつまでたってもつらい場面ばかりで、そして無意味な性描写も好まない。
    出てくる生き物は気持ち悪いし、殺しあう辛さからずっと逃げられないのもきつい。

    すごくよく作りこまれたファンタジーだと思うけど、もうちょっと爽やかさが欲しかったよ。最後のオチまで残酷という。

    アニメの原作にしてはちょっと・・・。
    内容違うっぽいけど、これ気軽にアニメから入った人が読む内容じゃないと思うわ・・・。

  • 貴志さんはアタリハズレがでかい!このみに合う合わないもあるのだろうが、作者で本を買う自分としてはある意味ギャンブル。
    で、新世界は文句なしに面白かった。
    最初に引き込まれるまでに多少時間がかかるものの、引き込まれてからは、途中で読むのを中断するのが困難なくらいで。お薦め。

  • 遠いようで想像する事ができるような未来の話だと
    思うと、なんとも複雑な気持ちになりました。

    万事が解決するハッピーエンドとは行かずに、
    勧善懲悪とは反対の「生における原罪」についての問いが
    終始なげかけられていた事が印象深いです。
    また、主人公の手記形式が取られたことで、
    それらについての彼女の当惑がまざまざと感じられました。

    世界観の広げ方が、横ではなく縦の時間軸を重視していたので、
    主人公の体験の端々から見え隠れする世界の様相に惹きつけられます。
    個人の視点というミクロな世界から、歴史の流れを感じるマクロな世界への広がりは、キッチリ描かれていると唸ってしまいますね。

  • 大型のげっ歯類を思うと平静ではいられなくなること請け合いです。(笑)
    というのはおいといて、怖いのは猛獣や化け物じゃなくて、自分の中にある既知の醜い感情や考え方なのかもしれない。

  • 人類が同胞を葬り去るために炭疽菌などの生物兵器や核爆弾を創り出したことへの皮肉めいた客観視。橋本・アッペルバウム症候群やラーマン・クロギウス症候群の患者は異常犯罪者という形に置き換えれば実在すると言えなくもない。
    奇狼丸や野狐丸らバケネズミの賢さに比べ、早季や覚ら人間の脆さ…最後のオチは不気味な余韻を残す。

    ネタバレになってしまいそうなのでぼかしますが、実験の材料にされるマウスやラット、ブタ…見た目が愛らしいものには可哀想という感情も高まるけれど、どこかで切り捨ててはいる。共通意識が抱けないとして、肌の色や宗教、文化の違いを理由に同じ人間同士で排除し合ってきた歴史についても考えさせられます。

    タイトル、格好良いのに新世界=ミナミ、道頓堀周辺=ビリケン、串カツ、ソース二度づけ禁止 まで飛躍してしまう関西人の悲しさよ。

  • ここ数年の貴志先生の大作路線は、なかなか財布が追いつかないこともあり敬遠しがちだったんですが、「悪の教典」を読んだのを機にこちらにも手を伸ばしてみました。
    で、一言、最高でした。
    創造世界の密度がとにかく濃く、息もつけない迫力です。小説の世界にのめり込むとはまさにこのこと。
    色んな方が指摘されていますが、本作には「黒い家」の人間哲学や、「天使の囀り」の緻密さ、「クリムゾンの迷宮」の疾走感ある恐怖、「青の炎」の少年心理など、初期貴志作品のあらゆる魅力が詰まっています。それらがSFという新たなフィールドで、爆発したような作品だと思います。
    そして、読後の余韻も壮絶なものがありました。異種(バケネズミ)に対する人間の差別が現在の人種差別を風刺してるのかな、と想わせる場面は多々ありましたが、ラストに至りそれが人間のおぞましい業に基づいていたことが明らかになります。大きな力を手にしてしまった時、人間の想像力はやはり無力なんでしょうか?
    とまれ普段は殆ど読まないジャンルの作品なので、評価が甘くなってしまうきらいはあるかもしれませんが、それでも圧倒的に面白い小説であることは間違いないと思います。大傑作です。

  • うーん、この人こんなに説明くさい人だったっけ?て感じです。世界観作ることに集中しすぎてる感がいなめませんでした。あとほんとに恐怖煽りすぎ。その時私たちが気づいていれば…的なところが多すぎて、え、またそれ?となったりして。あ、でも今思うとそれは手記という設定だからわざとそうしたのかな?いや、それにしても。。あと人間の業とかを描きたかったんだろうけど、それを前面に押し出しすぎてて、その押し付けられた感が残念でした。
    あとやっぱり呪力設定はいらないと思います。設定上は必要なのはわかってるんですけどw

  • 勇躍下巻に突入すれば、いきなり10数年の時が流れて…。
    相変わらずの町の営みながら、そこにいきなりバケネズミの攻撃に“悪鬼”の出現が加わって延々と続く殺戮の描写はかなりのエグさ。“悪鬼”がひたひたと迫る様はまさに恐怖のどん底で、遡って語られる歴史の秘密を骨に、SFファンタジーから、オカルト&サイコミステリーと来て、今度はホラー。次々と変化する物語の様態は大部を倦ませず、頁を繰る手が止まらない。
    要人が次々と倒れ、最早これまで、どうなるのと思うところからは再び冒険SFの世界で、最終兵器を巡って繰り広げられる果てしないチェイスの絶望感や緊迫感に、上巻のサバイバル譚など序の口に過ぎなかったことを知る。
    心根の強さを持つ主人公の不屈の意志が迸り、失敗が許されない最終兵器の乾坤一擲の一撃。いや、最後もやっぱりスター・ウォーズでしたねぇ、と思っていたところが、豈図らんや…。
    種の起源と保存とかコミュニティの成り立ちという含蓄の深いテーマを秘めながら、壮大なエンタテインメントにして読ませるのに終始するかと思いきや、最後に来て人間の心の深淵にある醜さだけには念を押して、大団円とは異なった何ともどこか苦いあと口。

  • とにかく世界設定がすごい。

  • <ネタバレ有>



    気持ち悪い。

    この言葉が最高の褒め言葉になる小説は、まず読んだことがなかった。

  • 私には物足りず。
    世界観はすごいと思うし、全体的には面白い物語だけれど、不要なダイアログが多すぎるように思った。どうしても行を飛ばして読み進めたくなってしまうのは、文章そのものに魅力を感じられなかったからかと。好みの問題でしょう。

  • 最初は、上中下巻と随分長い作品であることに対して、飽きっぽい私でも無事に読み終えることができるか、少なからず不安もあった。
    しかし、上巻を読み始めてからは、読み終わる前に、「これはマズイ」と急いで書店に行って中下巻をまとめ買いしてしまうほどのめりこんでしまった。
    この本は王道のSFでありながら、様々なジャンルが組み合わされており、長くとも飽きさせない。
    また、物語の締め方も、「単純に良い本であった」と、単純に本を閉じることができない。何か人間として考えざるを得ない、深いテーマを投げかけてくる。
    そういった意味でも飽きさせない、心に残る一冊であった。
    アニメ化もされているが、私としては、ぜひとも本で、文字で新世界よりを楽しんでほしい

  • 上中下、一気に読んだ。
    1000年後の日本。
    呪力を持つ人間とバケネズミの世界。
    全人学級で同じ班になった早希、覚、真理亜、瞬、守の5人。
    上・中は子供時代の話で、悪鬼や業魔にまつわる真実を知ろうとするアドベンチャー。
    それが下巻になると沙希達は大人になっていて、描写がグロテスクで急にホラー色が強くなる。
    最後にバケネズミの祖先が明らかになったときには悲しい衝撃が。
    久しぶりの貴志祐介、面白かった。

  • SF初心者の意見としては、最高に面白かった。久々に奥底からワクワクして、手に汗握って興奮した。上巻では時代や背景の説明があるために、どうしても展開の盛り上がりに欠けるような感じだった。それでも徐々に面白くなってくる予感だけ置いて行かれた感覚。中巻でその感覚は間違っていなかったと確信した。右肩あがりにじわじわ来る。急激にあがらず、じっと、ゆっくり、面白さを垂れ流してくる。読む手が止まらなくなり始める。下巻で面白さの流れが雪崩のように迫ってくる。止まらない。さらに、上中巻で張っていた伏線を綺麗に回収し始めるもんだから堪らない。これが、あれが、これも繋がるのか。と驚きで満たされる。それに、激闘の後の締めも、このままの流れで進むかと思いきや、まさかの真実。素晴らしいという他ない。クオリティの凄まじい高さを感じて、他のSFを読むのが不安になる。良かった。本当に面白くて、読んで良かった。純粋に、ただただ本の世界にのめり込むことができた小説。最高でした。

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夏祭りの夜に起きた大殺戮。悲鳴と鳴咽に包まれた町を後にして、選ばれし者は目的の地へと急ぐ。それが何よりも残酷であろうとも、真実に近付くために。流血で塗り固められた大地の上でもなお、人類は生き抜かなければならない。構想30年、想像力の限りを尽くして描かれた五感と魂を揺さぶる記念碑的傑作。

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