新世界より(下) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 12531
感想 : 1052
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  • Amazon.co.jp ・本 (560ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062768559

感想・レビュー・書評

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  • いつの時代も人間は愚かだとつくづく感じた。
    どんなに強大な力があっても、どんなにルールを作っても世界の綻びは生まれる。
    いや、強大な力やルールで支配するからこそ綻びが生まれるのだろうな。

    動物、昆虫?(或いは化け物…)たちの描写はとても細かいので想像しながら読み進めたけれど、挿絵があったらもっとわくわくしたかも。

    単行本で読んだのでとにかく重くてボリュームがあって自宅でじっくり読んだので一気に読むとかはなかったです。

    私は普段の貴志祐介さんの本の方がやはり好きかなぁ。

  • 読み終わったー!

    久々に読了感満載の大作読んだ。
    でも、長さを感じさせないくらい、テンポ良く、飽きてきた頃に話が進み始めたりと、最後までスルスル読めた!
    でも、後半洞窟の中で、描写のシーンが多いのはちょっと飽きてしまって、スルースルー読んだ。

    なんか、回収されてないこと色々ある気が。。。

    マンガの7seedsにもどことなく似てるような。

    なんだか人間の弱いところ見せられたような。

  • ★★★★☆☆ 4.0
    名作三部作。全員が読むべきSFの傑作です。

    以下2023/10/9追記
    7年ぶりに再読。三部作とは思えないほどあっという間に読ませる世界観にやはり脱帽でした。
    読んでる最中も読んだ後もこの作品のことしか考えられなくなるので、時間があるときにまた読み直したい(備忘:今回は海外への転勤)。

  • 面白かった。
    色々突きつけられてくるものはあるけど、それはそれ。
    エンターテイメントとしても、楽しめる。

  • 貴志祐介さん、『悪の教典』しか読んだことなかったけど、これは面白い。世界観の作り込みが素晴らしい。ちょっとゾクッとする感じ。

  • 一気に上中下読み通した。
    なんと言っても、作り込まれた世界観がすごい。人間が呪力を持って成り立っている社会を難なく理解でき、破綻がない。ほぼ世界観の説明に徹している上巻の序盤でも、描写に起伏があって飽きずに読むことができ、この世界に入り込める。現代社会の常識や道徳に照らし合わせると、主人公や周りの考え方に納得できないことも多いが、この世界ならそう考えるだろうな、という説得力があって受け入れやすい。まあ、感情移入は全然しない。早季にはむしろ綺麗事ばかりで苛々させられた。
    夏祭りがとにかく絶望的で、特に三賢人とも呼ぶべき人達の全滅には愕然とした。手記を書いている以上はこの危機を脱するだろうとは思っていたが、東京に上陸して以降は何度か「もう駄目だ…」と思ってしまうレベル。
    スクィーラがここまでの残酷な反逆に打って出た理由が明かされた時は切なくなった。それまで冷酷無比な将軍としか思えなかったのが、一気に同情に塗り変わった。それと同時に、「人間」の支配者側の無意識な差別や傲慢さ(『完全な自治を認めていた』や、バケネズミを殺戮しながらも相手にだけ謝罪を要求する)に気がついて薄寒くなる。あれだけ綺麗事を言っていた早季ですらも無自覚ながら残酷な支配者だった。おそらく、当人たちはずっと気がつかないだろう。
    読む手が止まらないのは久々でとても楽しい読書体験だった。

  • 文量もあるし、多分この作家の最高傑作だと思う。
    読み終えてかなり経ってしまったので、断片的な記憶しか残っていないが、読み返すなら間違いなくこの作品だ。

  • 3部作、計1450ページくらいの大作。ちょうど1年くらい前に先輩に勧められて、貴志祐介さんの「青の炎」がめちゃ好きだからすごい気になってたんだけど、ようやく読めた。。長いから、なかなか手が出せなかったけど、読み始めたら楽しくて全く苦にならなかった。

    まずこの題名がすごく好き。「新世界より」。有名な交響曲からきてるらしい。聴いてみたけど聴いたことあるような、ないような。クラシック音楽に疎すぎる。。

    1000年後の日本って言われると、アニメとかにあるあるの、ものすごく発展した都市があって、人がたくさんいてっていうイメージだった。けどこの物語では、日本の人口はわずか5万ほど。結界によって隔離された小さな町が舞台。文庫版の表紙絵みたいな、のどかな田舎でのお話。sfで非常に作り込まれた世界観だけど、なぜだかその情景がありありとイメージできて、読中はずっと美しい風景に酔いしれていた気がする。


    呪力を手にした人間、物語の主人公から感じたことを一つだけ。
    真の強さってのは強いだけではなく、それ自体にある程度の弱さを含んだものなのではないか。
    完璧なものとか絶対的なものって実は脆いよね。柔軟に、沈んでも浮かび上がれることの方が重要だよねって。
    ちょっと違うけどまあ、優柔不断くん、メンヘラちゃん上等やんって。

    • ともひでさん
      あの作者だったのか、冬休みあたり俺も読みたい
      あの作者だったのか、冬休みあたり俺も読みたい
      2019/12/04
  • 「新世界より」読了。ベースはSFだが、ホラーやミステリなど、様々なジャンルが渾然一体となって 読む者を惹き付ける、とても魅力的な作品だった。最初は少年少女の学園モノかと思いきや、徐々に物語は異形の世界へと引きずりこまれていく。人間とバケネズミ。相容れぬ2種の生き物が迎える、悲しい結末。果たしてバケネズミが再び◯◯として、人間と同等に生きる未来はあるのだろうか。奇狼丸と野狐丸の叫びは人間に届くのか。

  • 上中下巻で1400ページオーバーの超大作!

    1,000年後の未来で人間が呪力を持ってる世界!?
    代わりに現代文明の叡智のほとんどが承継されていない!?

    早季達は小さな社会のルールと周囲の思惑に翻弄されながらも大人になる。

    数百年の秩序ある理想的な社会には歪みが生まれ、自分達が虐げてきたもの達から災いが齎される事となる。

    何となく【シスの復讐】でジェダイが構築した社会的な秩序が崩壊した理由が間接的に理解できた気がします。

    貴志祐介さんの作品は本作品が初ですが他の作品も読んでみたくなりました!

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著者プロフィール

1959年大阪生まれ。京都大学卒。96年『十三番目の人格-ISOLA-』でデビュー。翌年『黒い家』で日本ホラー小説大賞を受賞、ベストセラーとなる。05年『硝子のハンマー』で日本推理作家協会賞、08年『新世界より』で日本SF大賞、10年『悪の教典』で山田風太郎賞を受賞。

「2023年 『梅雨物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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