- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062769211
感想・レビュー・書評
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まさかのハチ主人公に驚きながら、ものすごくオオスズメバチの生態に興味を持ちました。オオスズメバチの巣の1サイクルをこんな風に、物語にしてしまうなんて、驚きでした。こんな虫の本ならいくらでも読める気がします(笑)
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あらすじを読んで、ハチなんて興味ないから読む気がなかったのだけど、間違って借りてしまい、読んでみたら面白かった。
ハチの一生をハチ目線で描くなんて斬新。きちんとハチの生態をふまえたうえでの、とてもよくできた物語だと思う。 -
一匹のオオスズメバチ(マリア)の一生を描いた本。
マリアが擬人化されているのでファンタジーのような
それであり、弱肉強食な自然の恐ろしさや美しさが
生々しく描かれているためリアリティーに溢れていて
自分も虫になったみたいにマリア達の世界観に
入り込んであっという間に読んでしまった。
人間にとって1ヶ月はあっという間だけど、
オオスズメバチたちにとっては一生であって、
とてつもなく壮大で過酷な1ヶ月なんだなと実感。
本当に勉強になる。儚くも素敵なお話。
私のお気に入りの1冊です。 -
オオスズメバチの一生を擬人化した小説。
わずか1か月程度の寿命の中で、メスであるオオスズメバチのワーカーの壮絶な一生が擬人化され描かれている。
オオスズメバチのワーカーはメスでありながら、他の虫を狩ることに命をかけている。もちろん種を残すためである。一方、メスでありなが種を残すための交尾をすることはない。することなく一生を終える。著者はワーカーとしての狩り等については学術的なことをベースに詳細に書いている。一方、このワーカーにメスとしてのは、著者が感情を吹き込んでいる。この感情が、ワーカーの本能と対比され、儚さをとても感じた。
巻末にあるように、たくさんの情報にあたりまとめ上げ、のめりこませる物語に仕上げる著者のスキルにはいつも感服させられる。今回もオオスズメバチをはじめ様々なハチの見方が変わった。
「永遠のゼロ」はマンガ化されたが、是非この本もマンガ化して小学生~中学生に読んでほしい。 -
ヴェスパ・マンダリニアの戦士、疾風のマリアの物語。
ヴェスパとはスズメバチの学名、中でも最大の種がマンダリニア。オオスズメバチのこと。
ちょーっとした抵抗感を越えて、あっという間に読了、ぶっ飛びました。
社会性昆虫、すごいです。
ワーカーとしての一生、女王の過酷な運命、そして戦いや闘い。
この生き様が現実のものだっていうんだからもう、ねぇ。
人間目線では見えない世界がどれほどのものか。
コレをフィクションで書き切る視点と筆力には脱帽。
百田尚樹すごいっ -
初の百田作品。 これは読まされた。掴まれるタイプの小説。想像しやすいストーリーというのはあるが、この本はむしろ想像を強いられる。ありありと浮かぶ情景に、背中がゾクゾクした。 オオスズメバチが主人公という不思議な設定。それは、森のなかの食物連鎖における弱肉強食の世界。力あるものが制圧し、蹂躙し、糧とする。そこには愛も情けも実に虚しい。 なぜ、女王がたくさんの子を産む繁殖方法なのか。読ませるストーリーながら、深いリサーチのもと、忠実に描かれる生態。 「ねぇマリア、私たちはどうして子供が産めないの?」
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「オオスズメバチ」を擬人化しての物語という発想そのものが、というより人間から嫌われ者の「ハチ」、それも人間に危害を与える程の獰猛な「オオスズメバチ」を主人公にするという百田直樹氏の着想力に先ずは恐れ入ったという所。
百田氏の手抜きなしの「調査力」でオオスズメバチの習性を完璧に反映したストーリーは流石です。帝国(ハチの)の繁栄と衰退、女王蜂とワーカーの関係性などを読み進めながら思ったのは、単なるオオスズメバチの短い一生の中での事というよりも、「永遠の0」に繋がる「戦慄」を感じながら読み進んだので、ちょっと思い感じで読了。それは「ハチ」の一生を我々人間に置き換えて読んでみれば分かる事かも知れない。 -
すんごいスズメバチに詳しくなりました。
教科書になるレベル。その世界観を十分に理解した上で物語を読み進められるので、引き込まれます。 -
オオスズメバチの話。忌み嫌われるけど彼女たちも必死なのがよくわかる話。遺伝の話がおもしろかった。