虚夢 (講談社文庫)

著者 :
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062769716

感想・レビュー・書評

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  • 以前に読んだのを忘れて2度目。以前より精神病、心療内科にかかる病気、ADHDなどの話題が増え身近に感じるようになったので この本のような事件が今後も増えてくるだろうな。その後の被害者やその家族の色々な人生の変化も凄い。

  • 心神喪失者の犯罪をテーマにして色々考えさせる内容のミステリで貫井徳郎っぽいダークさ

  • 心神喪失のために罪を問われなかった殺人犯という重いテーマの上に、終盤に2重に仕掛けられたどんでん返しが面白い。

  • 犯人か統合失調と後で診断され不起訴となった無差別殺人事件に巻き込まれ、自分は重症から生還するも、目の前で娘を亡くした母親。事件後に酒に溺れた元夫。事件から4年後に街中で犯人とすれ違ったことから始まる、ある意味での夫婦の復讐の話。憲法39条や精神障がい者への偏見など、社会が抱える問題点や、犯人を法的に裁けない被害者家族の葛藤がよく判る。諸刃の剣にもなりそうな微妙なテーマをここまで仕上げられる薬丸さんは、さすがです。犯罪を犯す個人と、特定の集団を紐付けることはナンセンスだけど、社会的なインパクトが大きい事件が起きると一般化してすり込まれる人間の防衛反応も否定はできないな。もし自分が、当事者になったらどういうスタンスを取るのだろうと考えさせられました。

  • ゆきが弟を殺した時の経緯や、歯科医の母親が実際はどの程度弟の面倒を見させていたのか等の描写を、読者の想像に委ねるのではなく読みたかった。

    全体的に読みやすいし、ドキドキするし面白かった。薬丸岳さん作品をこれから制覇していきたい。

  • 刑法39条の存在を考えさせられる作品。大切な家族を奪った犯人が精神病を理由に罪に問われない…その時残された家族がとった行動は…。

  • 統合失調症をはじめ、精神的な病についての、信憑性についてはわからないが、刑法39条についていろいろ考えさせられた。

  • 一気読み。
    タイトルが深い。

  • 最後の最後まで驚きだった。何冊目かになるが、いつもデリケートで難しい題材を、どんなに想像力を働かせても読み取れない様な加害者目線から書くところが凄いと思う。そして、思いも寄らない展開に作者の力を感じる。今回も楽しめました。

  • 薬丸さん四作品目です!

    今回はかなりエンターテイメント性が高いなと思ったのが一つ大きな感想でした!
    統合失調症だと佐和子が知ったときのあの一言。後に、この一言の意味が理解できるところや、
    ゆきも精神病であるという結末。
    ゆきのお客さんだった先生が、まさかのあの人。
    読者を飽きさせないストーリー展開でもありました。

    まあそれは一つの特徴であり、個人的には『aではない君へ』、『友罪』の評価の方が高いです。あれは、エンターテイメントというよりは、我々読者に問いかける問題がメインでした。
    なので、読後に自分の中にこの作品を落とし込む作業がなかったのは少し不満かな…と、まあこれはこれで面白いんですけどね!!

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著者プロフィール

1969年兵庫県生まれ。2005年『天使のナイフ』で第51回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。2016年、『Aではない君と』で第37回吉川英治文学新人賞を受賞。他の著書に刑事・夏目信人シリーズ『刑事のまなざし』『その鏡は嘘をつく』『刑事の約束』、『悪党』『友罪』『神の子』『ラスト・ナイト』など。

「2023年 『最後の祈り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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