暗黒旅人 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062769808

作品紹介・あらすじ

売れない作家の成功の代償は、命を懸けた「使命」の遂行。
九年前の約束を果たすため、男は車を駆る。一度捨てた命。全てを懸け、闘う。

売れない作家と芽のでない女優。不遇の日々に疲れ果て樹海に潜り込んだ恋人たちの前に謎の老人が現れる。「成功を授けよう。ただし男女の仲を捨て、男は『使命』を受けろ」。九年後、富と名声を得た男のもとに、奇怪なイメージが飛来した。男は直感する。「使命」を果たす時が来たのだ、と。ホラー&アクション。

感想・レビュー・書評

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  • 初めての大沢作品。人にお借りしたのでたまたま読んだのですが、最初に読むべき作品ではなかったのかな?いまいち好きじゃなかったです・・・それぞれのミッションが唐突に終わりすぎな気がして、消化不良気味です。

  • 暗黒旅人 (講談社文庫)

  • 大沢さんは、外さない作家だと思うけど、本作はちょっと外しかな。
    使命が曖昧だし、主人公は何ら取り柄があるわけでなく、行き当たりばったりで戦いを挑むが、敵のあまりの弱さで勝ち残っていく。
    ホラーの要素があると言うだけで、伝奇小説としては出来損ない感が強い。
    大沢さんの夢がつまった作品として楽しめるかなあ。

  • 自分達の成功と引き換えに、お互いの愛情を封印した二人。
    ただ、約束の使命を果たす日がやってくる。
    その使命とは、人間の欲望や憎悪に対抗することだった。
    使命のために命を懸け、二人の愛情を再び得ることは出来るのか?

    最後の使命の終わり方はいまいちかな…

    2015.10.21

  • ホラー小説なのかな。
    水 火 木 土。
    水が腐るのでなく、その水はものを腐らせるのが早い。
    つまり、微生物の繁殖が急速ということなのですね。
    有機物の分解が早い。

    レッドアイから始まる 『ヌグイ』
    ぬくいの訛った言葉なのかな。
    地の神を怒らせて、地震か火山の爆発を誘導する。

    柱様。大きな丸木で、組み立てられた階段。
    地滑りが起こりやすい。
    地滑りが起こらないように、5歳の子供を人柱にする。

    地下深くに、人々の欲望を吸収して
    肥大する 悪臭漂う 大きなヒルのような存在。
    人を飲み込んでいく。

    それに対して 戦う 小説家 御岳。
    老人より 『使命』 を授かる。
    しかし、どんな使命なのかが よくわからない。
    好きな人 わかれて セックスしなければ 成功する
    という 前提も 面白いな。
    意外と 世俗的な老人である。
    それを真に受けて 御岳は たたかい 
    浅葉由子は、サポートする。

    樫村は、妹の仇とはいえ、ヒマな刑事である。

  • 大沢在昌初めて読んだけど結構面白かった。初めてとしては、入りやすいです。三章が好き〜
    一応ハードボイルドの方も読んでみたいなぁ。

  • 九年前。御岳雄一郎は一度死んだ―。
    当時32歳で売れない作家だった御岳は、女優の卵の由子と人生に失望し死を決意した。
    そして、深く入り込んだ樹海の奥で謎の老人と出会い奇妙な約束を交わした。
    作家と女優の成功と引き替えに、『使命』を受けたのだ…。
    その後、2人は約束通りに富と名声を手に入れたが御岳には未だ『使命』が何を意味するのか不明だった。
    やがて、御岳は度々同じ“イメージ”に襲われ、身辺には不可思議な出来事が!?
    人間の欲望が生みだす暗黒を、巧みに描いた異色長編小説。

  • *****
    使命を受け入れることで成功が導かれる。
    孤独に戦い続けることで人知れず世界を救う。
    *****
    水、火、木、土。
    この4つのエレメントとは戦った。
    金とは戦っていない。
    *****
    4つの強大な力に立ち向かった先に辿り着いたのは、
    自分が本当に大切にする「人」を幸せにする、
    という使命。
    *****

  • ■大沢ファンとしてはありな作品
    ・大沢在昌さんらしい文章の流れの良さがあり、緊迫感のある空気を
     感じながら一気に読める作品です。
    ・銃をどんぱち打ったり、殴りあったりというハードボイルドシーンは
     それほどなくとも、大沢さんらしいと感じられる上手さがあると思います。

    ・全てをリアリズムで構成しているわけではありませんが、不可思議な面を不可思議なまま残してもリアルさを損なわない書き方ができていると思います。
    ・大沢さんの最高傑作レベルということではないため星四つですが、大沢シリーズのひとつとしてあっていい作品だと感じます。

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著者プロフィール

1956年愛知県名古屋市生まれ。慶応義塾大学中退。1979年に小説推理新人賞を「感傷の街角」で受賞しデビュー。1986年「深夜曲馬団」で日本冒険小説協会大賞最優秀短編賞、1991年『新宿鮫』で吉川英治文学新人賞と日本推理作家協会賞長編部門受賞。1994年には『無間人形 新宿鮫IV』直木賞を受賞した。2001年『心では重すぎる』で日本冒険小説協会大賞、2002年『闇先案内人』で日本冒険小説協会大賞を連続受賞。2004年『パンドラ・アイランド』で柴田錬三郎賞受賞。2010年には日本ミステリー文学大賞受賞。2014年『海と月の迷路』で吉川英治文学賞を受賞、2022年には紫綬褒章を受章した。


「2023年 『悪魔には悪魔を』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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