レッドゾーン(上) (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062769921

作品紹介・あらすじ

莫大な外貨準備高を元手に、中国が国家ファンド(CIC)を立ち上げた。若き買収王・賀一華は日本最大の自動車メーカー・アカマ自動車を標的にする。さらに鷲津政彦を誘い出す。「一緒に日本を買い叩きませんか」。日本に絶望した男はどう動くのか。産業界の中枢に狙いをつけた史上最大の買収劇が始まった。

感想・レビュー・書評

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  • 感想
    アカマはマツダがモデルかと思っていたが、トヨタのようでもある。日本のリーディングカンパニーのトヨタを海外からの買収で守らない国は何してるんだという感じ。

    これまでの作品はある程度事実を基に作られていたと思うが、トヨタ買収騒動なんてあったかな?今作からオリジナルになったのか?いずれにしても上巻はこれから起こる嵐への仕込み的な感じ。鷲津のスーパービッグディールがこれから始まると思うと楽しみ。

    あらすじ
    中国が日本のアカマ自動車をターゲットにした買収を行おうとしていた。鷲津は、中国国家安全部の王より中国の外貨準備金を使って立ち上げたファンドCICでアカマ自動車を買収しようと誘いを受ける。

    CICは、サブプライムローンで資金難にあえぐアメリカのゴールドバーク・コールズに資金出資を行い、一気にアカマ自動車の買収を行う姿勢を見せる。

    一方、曙電機の再生に目処をつけた芝野は、CROを辞し、昔、銀行時代にお世話になった恩人が残した東大阪の町工場マジテックの経営に乗り出すことにする。

    中国のホリエモン賀がアカマの株を買いあつめており、TOBをすると宣言していたがその後の動きがなかった。一方、鷲津はリンの進めでニューヨークに行き、GCの買収を検討するが、トップと会って中止する。その後、上海に行き、賀と会い、彼の手引きでアランの婚約者だったという美麗に会うが、彼女は精神的ショックで声を失っていた。

    アカマ自動車は、社長がTOBに備えて、軍事産業部門を立ち上げ、国から守ってもらおうとするが、社内での抵抗が強い。赤間一族の副社長を担ぐ一派があり、最高顧問の赤間周平に収めてもらおうと考えていたが、周平はレースの事故で亡くなる。周平が亡くなったタイミングで賀はTOBを仕掛ける。

  • 【感想】
    学校の授業で習った内容や、普段日本人が口にする「中国」という国。
    皆がどんなイメージを抱いているかは分からないが、少し前までは個人的に卑下して見ていた感覚があった事は否めない。
    ただ、最近GDPが抜かれ、確実に巨大化が止まらない「中国」という国の不気味さや底力に、最近は畏敬の念や憧れなどを抱いている。
    (大小の差はあるとしても)国民1人1人のスペックも、日本は中国に敵わないだろうなと最近思う。

    本作品もその優秀さと不気味さは健在で、あの鷲津でさえも中国の連中の掌で踊らされているような、そんな印象を抱いた。
    単純に下品なだけでは決してなく、したたかさや損得勘定などを容赦なくできる辺り、中国人はとても興味がある。

    最高の作品でした。下巻も楽しみ!


    【あらすじ】
    莫大な外貨準備高を元手に、中国が国家ファンド(CIC)を立ち上げた。
    若き買収王・賀一華(ホーイーファ)は日本最大の自動車メーカー・アカマ自動車を標的にする。
    さらに鷲津政彦を誘い出す。
    「一緒に日本を買い叩きませんか」。
    日本に絶望した男はどう動くのか。
    産業界の中枢に狙いをつけた史上最大の買収劇が始まった。



    【引用】
    p166
    「あの国には法律がない。いや、そもそも法の精神すらない。そんな国で、何をやるんだね。」

    法律は無力だ。
    所詮、法律はお上品な先進国のためにだけ機能する。
    為政者や特権階級の人間が、法律の解釈を勝手に曲げる国に未来はない。


    p247
    決断に悩む時は、3日悩むといい。
    最初の1日は、自分の考えを肯定して悩み、2日目は、徹底的に否定してみる。
    そして最後の日は、その2つをぶつける。
    そこまで悩んだ決断には、結果が自ずとついてくるものだ。

  • 伏線満載の上巻。
    前作ほどのめり込めなかった。
    賀一華が悪党という感じがしないからかも。

    下巻に期待。

  • しまった!!ハゲタカから読まないと分かりにくかった。
    投資が分からないから難しい。

  • 11月-1。3.0点。
    ハゲタカシリーズ第3弾。今回は、自動車メーカーを巡る闘い。トヨタがモデルかな。
    ハゲタカ2.5に出てきた、賀一華も重要な人物に。
    切れ味あるストーリー。安定感。

  • 好きな登場人物の1人であるリンの露出が多くて良いです。中国が遂に描かれたな、、、という感じ。下巻へのフリが随所に描かれており、どうなるのか楽しみです。

  • 投資ファンドや投資銀行の業務内容についてストーリーを通じて理解できるため腹落ちしやすく、記憶にも残りやすいと思いました。

    大企業のM&A案件とか一生に一度手掛けてみたい。

  • 感想は下巻

  • 後編に続くための、前フリ話で特に面白いってわけじゃないが、
    後編をワクワクさせるような期待感の詰まったお話。
    じっと我慢して読みましょう。

  • ぎゃっ、読んだことあった。

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著者プロフィール

1962年、大阪府生まれ。同志社大学法学部政治学科卒業。新聞記者、フリーライターを経て、2004年、企業買収の壮絶な舞台裏を描いた『ハゲタカ』でデビュー。映像化された「ハゲタカ」シリーズをはじめ、 『売国』『雨に泣いてる』『コラプティオ』「当確師」シリーズ『標的』『シンドローム』『トリガー』『神域』『ロッキード』『墜落』『タングル』など話題作を発表し続けている。

「2023年 『それでも、陽は昇る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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