アウト & アウト (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062770118

作品紹介・あらすじ

探偵見習いで元ヤクザ。矢能が呼び出された先で出くわしたのは、死体となった依頼主と妙な覆面を被った若い男。図らずも目撃者となり、窮地に追い込まれた矢能。しかし覆面男は意外な方法で彼を解放した。これが周到に用意した殺人計画の唯一の誤算になることも知らずに。最も危険な探偵の反撃が始まる。

感想・レビュー・書評

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  • 矢能シリーズ第二弾。
    読みやすくて、とっととページが進む。
    展開が早くて楽しい。

    以下作品紹介・あらすじより------------------------------
    探偵見習いで元ヤクザ。矢能が呼び出された先で出くわしたのは、死体となった依頼主と妙な覆面を被った若い男。図らずも目撃者となり、窮地に追い込まれた矢能。しかし覆面男は意外な方法で彼を解放した。これが周到に用意した殺人計画の唯一の誤算になることも知らずに。最も危険な探偵の反撃が始まる。

  • 面白かった!
    ハードボイルド・アクションストーリ

    しかし、残念なのは、この作品って「水の中の犬」の続編とのこと。解説で解説しないで、裏表紙に書いておいてよ(怒)
    なので、「水の中の犬」も読まなければ。

    ストーリとしては、
    元ヤクザの探偵の矢能が主人公。
    小学2年生の他人の娘の栞と暮らしています。
    そんな矢能が呼び出されて出くわしたのが、死体となった依頼主。さらに、覆面を被ったその犯人の数馬。
    目撃者となるも、変な形でその事件にかかわることになってしまいます。

    ことの真相を独自のルートで調べていきます。
    一方数馬側のストーリも面白い。
    なぜ、数馬が殺人を犯すことになったのか?

    そして、徐々に明らかになっていく真相。
    本当に悪い奴はこいつっとなって、矢能の対応がまた面白い!。
    さらに、ほっこりとしたエンディングへ。

    とても満足なストーリ展開です。
    なので、前作も読んでいたらもっとよかったのかもと後悔しちゃいます(笑)

    お勧め!

  • 登場人物みんなキャラが立っているのがいい。数馬パートは切なかったけど、矢能と栞の関係性にはほっこり。続きが読みたい。

  • もとヤクザで探偵の矢能が、安田が殺された現場で数馬と遭遇。ここから、事件が始まる。いきなり数馬から屈辱的な仕打ちを受けた矢能。どうしても腹の虫が収まらない。一方、可愛く頭の良い栞が、矢能を翻弄する。数馬が安田殺しを依頼された理由を理解できたその瞬間から、自分の過ちに気付き、数馬は矢能に黒幕への対応を託す。最後は矢能の機転により真実以上の仕打ちを黒幕に与え再起不能にした。栞との関係もより良い状態に。後味が最高でした。木内さんの本、この爽快感をどう表現すればいいのだろう。もう少し感想文の勉強をしよう。

  • 『BE-BOP-HIGHSCHOOL』のマンガ家・きうちかずひろは、本名の木内一裕名義で小説家としても活躍している。そのことは知っていたが、彼の小説を読むのはこれが初めて。

    この『アウト & アウト』は最近(2018年)遠藤憲一主演で映画化され(監督はきうちかずひろ自身)、それがなかなか好評らしいので興味を抱いたのだ。

    予想したよりもずっと面白かった。ウェルメイドなハードボイルド・アクションである。

    ストーリーにややご都合主義的で強引なところはあるが、スピーディーに畳みかける展開でグイグイ読ませるので、細かい瑕疵が気にならない。

    主人公は元ヤクザの私立探偵で、超コワモテ(遠藤憲一にピッタリ!)。
    ゆえあって、「栞」という小学2年生の少女と同居している。その「ゆえ」は、前作に当たる『水の中の犬』に描かれているらしい。

    この強引きわまる設定は『レオン』を意識したものだろうし、全体に「どっかで見たような話」感が漂う。
    それは悪く言えばオリジナリティの欠如だが、よく言えば〝既成のエンタメのオイシイとこ取り〟である。

    前作『水の中の犬』も読んでみよう。

  • 『水の中の犬』の続篇、主人公は元やくざの探偵矢能。前作では陰の探偵に対し、陽の探偵矢能。元やくざだけあり、度胸としたたかさを兼ね備え、はったりの押し出しも強い頼もしい奴です。

    前作の縁で小学2年生の女の子栞と同居してます、彼女は年の割りにしっかりした大人の考えを持ち、矢能の痛いところを突いてくる厳しさ優しさを合わせ持ってます。中年の元やくざと少女、ベタな関係ではあるけれどはハラハラさせられるし最後はホントよかったな!って思わされる。

    本筋のほうはスピード感あり、矢能の問題処理能力、追撃能力が頼もしい限り。そして敵役の若者ですが身体能力にすぐれ、冷静な判断力を持ちながらも純粋過ぎる故、善悪の判断を誤ります。矢能と彼の邂逅は、探偵とのそれと違いながらも眼を熱くさせるに充分でした。最期はしたたかな矢能らしい着地で、前作のやりきれなさを払拭してくれます。

    ですが、エピローグではまたホロリと…2作続けてですが、エピローグのわずか2ページほどの描き方が素晴らしい、木内氏の力量に拍手です。

    異なる主人公を据えて続篇を描くという構成、そして陰と陽に例えられる主人公の対比、さらに二人を取り巻く脇役達(情報屋、やくざ、殺し屋等々)どれもが濃密に交差し合って物語を完成させており、ハードボイルドのジャンルで確固たるポジションを築いてる秀作だと思います。やはり探偵が好きだな、権力の後ろ盾がない徒手空拳、でも魅力的な脇役がいて、正義だけでは割り切れない決着があって、そこにドラマがある。

  • 「水の中の犬」の主人公・探偵からすべてを託された元ヤクザ矢能。慣れない探偵稼業ながら、個性的なブレーンたちを無理矢理使いまわして恐るべき真実を解明する。
    敵役である数馬の存在感に圧倒される。また、矢能と栞の関係が何ともいい。お互いを必要とする思いが、とても清々しく武骨な物語に潤いを与えてくれる。

  • 何も考えずに読んでよし、でも前作、水の中の犬を読んでから読むと、泣ける!

    水の中の犬で、物腰柔らかく、しかしひたすらにストイックに生き、死んだ「探偵」。
    その生き様に関わり、ちゃちゃをいれながらも味のあるいい脇役を務めた矢能が、
    なんと今回の主人公。

    そうして最後に関わった栞が大事に愛されて、育っているのもまたシアワセなおまけ。

    前作の息詰まるハードボイルドに、軽妙な味が加わるのは、
    その対比とともにとっても味わい深い。

    これは2作を並べて読んで満点、という感じで。
    もっとがんばれ、矢能!

  • ちょっといいかも。
    私立探偵で過去に訳ありで、他人の娘を育てていて、事件は起こる。
    王道に近い設定。
    だが、これがなかなかいい。安心して読めると言い換えてもいい。
    最近の本は突飛であればいいような風潮が一部あるが、そうでない良さをもう少し若い読者に啓蒙するべきだと思う。
    たしかに、この作品を客観的に評価するとなれば、諸手を挙げて素晴らしいとは言えない。「どっかで読んだことあるよなこんな感じ」てな感じになる。が、好きか嫌いかといえば『好き』なのだ。
    これがいいし、これでいいのだ。
    銃に関する件も悪くない。

  • 「水の中の犬」の続編です。

    しかしながら主人公は別人になっています。

    もちろん「水の中の犬」にも登場している人物ですが。

    なるほど〜こんな続編の書き方があるのか!!と妙に納得しました。

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著者プロフィール

1960年、福岡生まれ。2004年、『藁の楯』(2013年映画化)でデビュー。同書はハリウッドでのリメイクも発表されている。他著に『水の中の犬』『アウト&アウト』『キッド』『デッドボール』『神様の贈り物』『喧嘩猿』『バードドッグ』『不愉快犯』『嘘ですけど、なにか?』『ドッグレース』『飛べないカラス』『小麦の法廷』がある。

「2022年 『バッド・コップ・スクワッド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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