ロードムービー (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 6891
感想 : 510
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  • Amazon.co.jp ・本 (446ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062770637

感想・レビュー・書評

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  •  冷たい校舎の時は止まる。この本を側に置いて読みたかった。懐かしい登場人物達に出会えて嬉しかった。辻村深月はいいな。と素直に思えた作品。

     「雪の降る道」が大好き。みーちゃんは健気で頑張り屋さん。可愛らしくて、応援したくなった。スガ兄は文句なしにかっこいい。ヒロ君の心の描写に心打たれた。

  • 辻村深月のロードムービーを読みました。
    子供の頃に経験したことをおとなになってから思い出すと、また違った気持ちで思い出すことができる、という短編集でした。

    表題作のロードムービーは子供の頃の冒険の物語でした。
    しっかりもののトシちゃんと気弱なワタルは教室でのいじめやワタルの家庭の事情から二人で家出することを決意します。
    地方の町から東京に出て、転がり込もうとした家に到着しますが...

    4編の物語はそれぞれ温かい物語で面白く読みました。

    解説で辻村深月の物語たちでは登場人物が重なっていると書いてあったので、もう一度順番通り読み直してもいいかな、と思ってしまいます。

  • 「冷たい校舎の時は止まる」に続いて読む。彼らと再び会えて嬉しい。
    それぞれの短編の主人公が誰と関係するのか、全部読み終わったところで、「道の先」→「トーキョー語り」、「雪の降る道」は分かったけど、「ロードムービー」の主人公であるトシとワタルが誰か分からなかった。ネットで検索してあーっ!てなる。こんな風につながってるのは、読んでて嬉しい。
    ヒロくんは、この経験を経て、強く思いやりのある高校三年の鷹野になったのだ、と分かる。さらにはタカノのおじさんに。
    充がいい感じの大人になって、脇役だった彼が、主人公になって、「今、どれだけおかしくても、そのうちちゃんとうまくいく。気づいた頃には、知らないうちに望んでいた“遠く”を自分が手にできたことを知る、そんな時が来る。それまでは、どれだけめちゃくちゃだって悲しくたっていいんだ。いつか、どこか正しい場所を見つけて、千晶は平気になる。だから安心していい、心配しなくていいんだ」って言えてる。でもリカの前ではやっぱり充は充なのもなんか嬉しい。そう言われた千晶が、携帯を大事にし、東京を目指していて、ちょっとヤな子からずいぶん成長したことに気づいて嬉しい。
    「光待つ場所へ」の前に読まないといけないものが何冊もある、、、。

  • これはもう、大好きです。『ロードムービー』が特に。子供の無垢ゆえの残酷さとか、リアルに思い知らされたりもするけれど、それを上回る温かさに救われます。読み終えた後の余韻がすごくて、しばらく次に進めませんでした。とてもステキなお話。

  • 全4編からなる短編集。
    「冷たい校舎の時は止まる」のスピンオフ的作品。未履修でも読めるが、より楽しむには履修推奨。
    4編とも、痛みによって何処かへ行ったり学校休んだりします。そして、優しさや愛が溢れています。
    最初の話「ロードムービー」が特に好きでした。
    トシちゃんの本名に納得し、ワタルの演説に泣く。
    次の話「道の先」で「彼」がある生徒に語る、
    「僕たちは、どこにでも行けるし、変わっていく。僕には言える。いつか絶対に平気になる日が来る」との言葉には、読んでいる自分自身でさえ励まされるような気がしました。

  • 「僕のメジャースプーン」と同じように、今までの小説の登場人物が出てくるので、ワクワクしながら読みました!「章ごとに違う話なのかな〜」と思いきや、意外な所につながりが!やっぱり辻村さん!裏切らない‼︎

  • この作家さんとは本当に相性が良いなぁ。

    冷たい校舎の〜のスピンオフの様な内容だけれども、読んでいなくても全く問題なく楽しめると思います。
    実際私は登場人物ほぼ覚えておらず。

    4編からなる短編集。どれも良い。
    一番初めの表題作は心にグッときて、そして驚かされる。二度美味しい。

    いやぁ、本当に辻村作品は良いなぁ。

    冷たい校舎の〜を読んだ人は尚、読んでない人も
    私の様に忘れた人も楽しめる作品だと思う。

    パラパラーとでもいいから、冷たい校舎を再読しようかしら。

  • 読了。小学生の家出だったり、塾のバイトだったり、幼馴染の話だったり…の短編集。だけど、辻村深月マジックにやられました。「え⁈そういうこと⁈」っていう嬉しい驚きが心地よかったです。あー、これは再読必須です。

  • 2023年1冊目。5編から成る短編集ですが、是非「冷たい校舎の時は止まる」の後で読んでみてください。感動が倍増します。短編同士の繋がりもだし、冷たい校舎は〜からの繋がりも楽しめる一冊です。冷たい校舎は〜の彼らが頑張っていること、頑張ってきたこと、胸がじんとします。また本作のみの登場人物も、各々のフィールドで是非頑張って、と応援したくなります。最後の雪の降る道は号泣....辻村深月さんの描く子どものエピソードにはほんと弱いです。

  • 最高だった。。
    表紙の絵がやさしくて、借りてみた一冊。

    この短編集で私が好きだったのは、ダントツで「ロードムービー」!
    読んだ人はみなさん好きなシーンだと思うのだけど、、、
    ワタルの演説シーンと、家出してたところをトシの両親が迎えにきちゃうシーンが鳥肌立った。

    ワタルは物語冒頭からずっと、情けないイメージだった。トシの後ろにちょこちょこついていったり、隠れているような。でもそんなワタルはこれだけトシのことを考え、勇気を出して行動した。二人の間にアツい友情を感じた。


    あと、トシとワタルが中学生から暴力を受けるシーンは、映像はなくて文字だけしか見てないのに本当に胸が痛くて、アカリと中学生にめちゃくちゃ腹が立った。

    トシが女の子だったというのはビックリだったけど、男の子に思わせる意味ってなんなんだったんだろう?とちょっとモヤモヤ。


    みなさんの感想を見ていると、他の作品とリンクしている部分もあるそうな。。辻村深月さんの作品をいろいろ見て、「この人ってあの人か!!」とかつながったら楽しそう☺️

著者プロフィール

1980年山梨県生まれ。2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。11年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、12年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、18年『かがみの孤城』で第15回本屋大賞を受賞。『ふちなしのかがみ』『きのうの影ふみ』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』『本日は大安なり』『オーダーメイド殺人クラブ』『噛みあわない会話と、ある過去について』『傲慢と善良』『琥珀の夏』『闇祓』『レジェンドアニメ!』など著書多数。

「2023年 『この夏の星を見る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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