千里伝 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 34
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062770712

作品紹介・あらすじ

中国唐代。外見は幼児のまま十八歳に成長した千里は、天地を望みどおりに創り変えることができる伝説の秘宝「五嶽真形図」を求めて旅に出る。道連れは吐蕃王国の狩人・バソン、少林寺の少年僧・絶海、そして謎の道士・趙帰真。魔神・共工も襲いくる中、図を手にするのは誰なのか!?中国歴史ファンタジー。

感想・レビュー・書評

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  • 仁木さんの僕僕先生シリーズが好きで、他の本も読んでみようと『魔神航路』を少し読んでいたが、ギリシャ神話好きな私にもいまいち世界に入り込めず悲しい思いをした。この千里伝のシリーズならば、僕僕先生と同じ中国ファンタジーなので面白いかもしれないと手に取った。
    最初の方はあまり動きもなく少しつまらないと思ってしまったが、読むうちに段々と面白くなっていった。とにかく主人公の千里は傲慢で高慢で自信過剰。読んでいて腹が立つ程だった。最後こそ皆をまとめて力を出すことができたが、もっと自分自身を見つめ非を認めないと今後が思いやられる。僕僕先生の王弁とはタイプの違ったダメ人間っぷりだが、このシリーズもやはり主人公の成長がテーマの一つなのだろうか。
    善が善とは限らないし、悪が悪とは限らない。善が悪を敵対視するように、悪から見たら善もまた悪なのだという流れは以前僕僕先生シリーズでも感じたが、現代の差別化、いじめ、もっと大きく言えば国と国との対立と繋がるものを感じる。千里が共工の国で出会った一つ目の男児が言っていた事は綺麗事のようだが最大の理想だと思った。

  • 昔の中国を舞台に普通の人間と人間ではない存在とが交わっている様子を自然なこととして描写しているところは僕僕先生シリーズと同じです。
    このような作品を得意とする作家を他に知らず、またいずれも面白いので、このジャンルでは無二の存在だと思っています。
    五嶽真形図を巡る争いもひと通り決着したので先の展開の予想ができませんが、後半になってようやく性格がまともになり始めた千里が成長していく物語になるのでしょうね。
    最後に解説を読んで、千里が仁木氏の創作ではなく歴史上の人物だったことに驚きました。

  • 最初は千里の性格の悪さが受け付けられなくて、結構読むのが苦痛だったけど、最後はやっぱりよかった。マトモになった千里が、これからどんな旅をしていくのか楽しみ!

  • 期待した以上の面白さやった。こういうファンタジーは好きです。実は続編もあるらしいので楽しみ。

  • この本1冊まるごとプロローグ!!だったんですね。
    千里とバソン心が通じ合ってよかった♪
    これからはじまる冒険にわくわくです。

  • こんなに傲慢、高慢な主人公は珍しい。終盤、わりとあっさりと良い子になってしまったのは物足りないかも?でも狩人君や(元)僧侶君の活躍が光って良いです。

  • とっかかりなんでしょうか?
    此処から始まって行くんだなとは思いましたが、
    うーん、イマイチ。
    登場人物に夢中になれないのか、丸く収まったようで
    何か納得出来ないような。

  • 18歳なのに外見5歳の高家のおぼっちゃま、千里が主人公。

    行方不明となった両親を探して旅に出る。
    仲間は吐蕃のバソン、僧・絶海、道士・趙帰真。

    世界を変える秘宝を求める異界の敵の登場。
    自分の母親は人間ではなくその異界の出身と知る。
    あれ、元々知ってたんだっけ?

    とにかく生意気な千里といつもケンカしていたバソンが
    最後ちょっと仲良くしているのが可愛かった。

  • 著者の僕僕先生シリーズが好きでこの本も読んでみました。仁木さんの作品は読みやすいので好きです。

  • 不射乃射

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著者プロフィール

1973年大阪府生まれ。信州大学人文学部に入学後、北京に留学、2年間を海外で過ごす。2006年『夕陽の梨─五代英雄伝』で第12回歴史群像大賞最優秀賞、同年『僕僕先生』で第18回日本ファンタジーノベル大賞を受賞。「僕僕先生」シリーズは読者の圧倒的支持を集め、ベストセラーとなる。著書に「千里伝」シリーズ、「くるすの残光」シリーズ、「黄泉坂案内人」シリーズ、「立川忍びより」シリーズ、『撲撲少年』『真田を云て、毛利を云わず 大坂将星伝』『三舟、奔る!』など多数。

「2022年 『モノノ怪 執』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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