コロボックル物語5 小さな国のつづきの話 (講談社文庫)

  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062770873

作品紹介・あらすじ

図書館に勤める杉岡正子は、日本に伝わる小人・コロボックルのことを描いた本『だれも知らない小さな国』に出会う。そして、"私が見たのはコロボックルかも"と著者に手紙を書いた。正子とコロボックルの関係は、驚くべき新しい出会いにつながる。心洗われるコロボックルワールド完結篇。

感想・レビュー・書評

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  • コロボックルシリーズ最終巻。
    新しいトモダチ、今までのトモダチ総出演。
    そしてチィサコ族との出会い。

    穏やかな文章も好きだけど村上勉さんの優しい絵も好き。
    可愛らしいコロボックルの隠れ家や物語後半離れた場所に住むチィサコ族の三人の若者とコロボックル一族とが会う場面の挿絵は素晴らしく胸が一杯になる。

    いつかまた読み返したくなる本。

  • 前4作までは、子どものころを思い出したりしながら、大人の気持ちでファンタジーを再読、という気分だった。でも、今回初めて読んだ5作目は、今までの物語とは語り口が少し変わって、ぎゅーっと、ファンタジーがこちら側に、もしくは、こちら側がファンタジーに、くっついてくる感じ。
    大人になって分別臭く、ここからここまでが現実、と高を括っているけれど、ほんとにそうなの?見えているものだけが、本当なの?と、ちょっと辺りを見回してみた。

  • コロボックル物語にまだ続きがあった!それなら自分にも杉岡さんのような幸運が訪れるかもしれないな。
    子供の頃はコロボックルたちの大活躍が本当に楽しかったし、彼らと人間やマメイヌとの出会いにワクワクして読んだものだが、大人になると違うことが気になる。この作者がちょっと癖のある変な子を、実に魅力的に描写すること。この5冊目にして完結編では、「トモダチ」たちの日常や仕事ぶりにも分量がたっぷり割かれていること。彼らを取り巻く同僚や上司も不思議と印象に残る。
    また読めてよかった。小さな人たちはずっといたのに、そのことをすっかり忘れていた。

  • 完結編〜素晴らしい〜
    ストーリーの繋がりありながらも、語り手や主人公?フォーカス当たる人が毎回変わるのが、すごく良い。今回は作者の中書き?幕間があったのがまた…すごい

  • 心が柔らかく、読んでて幸福感が増してくる。

    コロボックルが身近にいるんじゃないかと、大人になった今もそう願うように思う。
    皆が幸せになる。読んでる人も、コロボックルも、コロボックルの友達も、チィサコ族も。

  • 小学生の頃に読んだ時も、シリーズの中でこの本が一番好きだったと思う。
    女性が主人公だし、コロボックルシリーズが出てくるし、本当のことかも?と、わくわくできた。
    私も「みっともない」「ヘンな子」だったから、親近感なのかな。
    コロボックルのトモダチに私もなりたいなあ‥。

    物語の中に当の物語が出てくるのはメタ的ではあるんだけど、このシリーズに関しては成功していると思う。
    制約は勿論あるだろうけど、ぐっとリアリティが増して、より深く世界観に入り込める。

  • コロボックル物語の本編最終巻。

    前巻、不思議な目をした男の子を読んだのははるか昔なのだけど、そこではセイタカさん一家は遠景になり、これからはもうそんなに登場しないのかなと思っていたので、本巻でその後のセイタカさん一家や、昔の登場人物たちの成長した姿が語られていて、なんとも嬉しい。

    本編の主人公は正子さんとツクシンボ。
    二人の出会いの様子は(小さな人との出会いは)やっぱりワクワクする。

    物語的に驚いたのは、本編中にコロボックル物語自体が登場すること。
    これはいわばメタ構造なのだけど、この設定を書いたことはその後に影響したんだろうなと思う。
    これは現実との折り合いという難しい問題を抱えることになるわけで、本巻以降の本編の続編が書かれなかったことにも関係していそうだ。
    とは言え、これはこれで一つのやり方だし、そういう世界観は大事だ。
    ただ、本巻で物語の終わりとするには、やはり中途半端さというか、もったいなさというか、そういうものを感じてしまう。
    チィサコ族も登場したしね。
    なのでコロボックルというこの豊かな物語が、もっと続いて欲しいと思うのは、自分だけではないはずだ。
    その答えが、佐藤さんを引き継いだ有川浩さんの物語にあるのか、いつか確かめたい。

  • これまでの4冊が出版されているという現実の話がコロボックルの世界に登場するとい何とも不思議な1冊でしたが、コロボックルの世界が段々広がっているのがわかります。

  • 2016.8.17

  • 初めてのフルネームの杉岡正子さんとツクシンボ。少しずつ皆が繋がっていく。そして新しい出会いが人にも小さい人にもやってくる。色んな事があるけれど、そんな優しい人ばかりの暮らしがいいね。

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著者プロフィール

1928年、神奈川県横須賀市に生まれる。1959年、『だれも知らない小さな国』を出版し、毎日出版文化賞、国際アンデルセン賞国内賞他を受賞。コロボックルシリーズをはじめ、『かえるのアパート』、『おばあさんのひこうき』などの名作を次々に発表。日本の児童文学の代表的作家の一人。

「2009年 『もうひとつのコロボックル物語 ヒノキノヒコのかくれ家 人形のすきな男の子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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