鉄の骨 (講談社文庫)

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著者 : 池井戸潤
  • 講談社 (2011年11月15日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (672ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062770972

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鉄の骨 (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

  • とても面白かった。ページ数の多い小説でしたが、内容に引き込まれるので苦にならないです。
    談合(「話し合い」という人もいるらしい)について考えるいいきっかけになりました。
    業界のためになることなら、内緒でせずに公に数字や順番を公表してやっていくことはできないのかな。
    しがらみにがんじがらめになっていくのを仕方ないと諦めるしかないのかな。

    この作品には若い主人公の恋愛も描かれていたので、
    読みやすさが倍増でした。
    女の子の方がおませになるのが早く、
    背伸びして年上の男性に惹かれ、
    同年代の男の子に頼りなさを感じていく展開は、
    よくわかってるなぁと池井戸さんに興味を覚えました。
    他の作品も読んでみたいです。

  • 「正義感」とは一体何でしょうか?
    この小説の読者は、きっと壁にぶつかり悩むと思います。


    大きな組織の中のひとりの社員として取らざるを得ない苦肉の立場から、
    主人公の葛藤と心情の変化が360度の角度から見事に描かれています。


    特に、新社会になる人に是非おすすめしたい一冊ですし、
    私自身にとって常に原点にしていきたい至上最高の作品だと思っています。

  • 下町ロケットを読んでから池井戸さんの本に結構はまっている。
    これは吉川英治文学新人賞を受賞しているらしい。

    で、話としてはゼネコンの談合問題をいつものごとく「まっすぐな」主人公が挑んでいく。
    でも、この人の「まっすぐ」は世の中の不条理なこともわかったうえで、それでどうするか、だからいいんですよねー。
    談合そのものの是非、というより、「問題に立ち向かう人間」の強さ弱さがわかるんですよね。

  • 最近ヘビーローテーション気味の、池井戸作品。今回の舞台はゼネコンで「談合」がテーマです。

    談合というと「悪いこと」だというくらいの認識しかありませんでしたが(お恥ずかしい話)、この小説を読んで談合が生まれるメカニズムや、談合からなかなか抜け出せないゼネコンのしがらみがよくわかりました。ゼネコン、政治家、検察など、複数の視点から談合を描いており、その仕組みが立体的に浮かび上がってくる構成もよいですね。ミステリーのようなスリリングさもあって、結末も「なるほど、そうきたか」という感じです。

    企業に関わる難しいと思われがちなテーマを、分かりやすく、面白く描き出す池井戸作品。今後も目が離せないです。

  • これはよかった。どうなるんだろ!?って思いながら最後まで楽しく読めた。サラリーマンの理想と現実がうまく描かれている。

  • こちらもまた650ページほどの大作
    面白かったなぁ。
    主人公の恋人にはちょっとイラつきましたがね。
    ふらふらとどっちやねん!
    結局裏切ったのに、しゃあしゃあとまた主人公の元に来て、どんだけ自分勝手なんだよ!

    まぁそちらはおまけで、柱はゼネコンの談合という問題。とにかくリアルですねぇ。
    これ談合の部分は想像で書いてるんだよね。すごいな。

    最後の入札のシーンは予想はしてたものの、先の行が目に入らないように一行ごとに紙で隠して読みましたよ。

    一点だけ、一松組が融資を受けることが出来たのかだけ気になります。まぁ受けられたんだろうけど。

    解説では走れ平太というタイトルの予定だったということだけど、確かに売れなさそうなタイトル。
    だけど、鉄の骨はしっくりこないなぁ。

    追記
    他の方の書評で鉄の骨(鉄筋)はコンクリートによって覆われるので、隠された部分、つまり談合を意味しているのではないかという鋭い指摘がなされてた。

    なるほどなぁ。言われてみればですね。
    前半で下請けの兄ちゃんがコンクリートにタバコを投げ入れるシーンがありますね。
    コンクリートで隠れて分かりゃしないっていう。
    象徴的なシーンなんですかね。

  • 面白かった。最後もやもやしたところはあったけど、池井戸潤は短編よりも長編だなっと再認識。
    三橋の人間性、平太と奮闘ぶり、西田の仕事っぷりなど、とくに一松の人たちは、読んでいて気持ちが良かった。西田みたいに仕事ができるようになりたいなと感じた。
    もやもやになったのはなぜ、園田は萌のことを好きになったのかと、なぜ尾形は平太を選んだのかがわかれば、すっきりできたのにと思う。

  • テーマが明確で、臨場感あふれる描写により、最後までだれることなく読むことが出来て、面白かった。珍しく?恋愛エンタメ要素もありで楽しめる?
    【2014.12】

  • この本は、地下鉄工事に関係した談合をテーマにしていますが、やはり、談合はある意味必要だと思います。

    なぜなら、同じ業者は、持ちつ持たれつだからね。

  • 著者の本は下町ロケットに続き2冊目。

    難しいキーワードも少なくスイスイ読めるのが著者の良いところ。

    談合とはなんなのか、なぜなくならないのかについて、そもそも談合とはなんなのかが良く分かる本。

    半沢シリーズでもそうだが、社会の仕組みを知れるので、読後に成長間を味わえるのがよりいっそういい。

  • 中堅土建業の一松組に入社して4年目の富島平太は、現場中心の建設課から一転、社内で談合課と呼ばれている業務課への異動を命じられた。
    経営不振の会社のために公共事業を落札しようと奔走する平太たちは、地下鉄工事の入札を巡って、ある大物政治家の息がかかった談合仕切り屋と関わっていくことになる。
    談合や政治家の裏金といった、ともすると重苦しくて読むことの難しい内容を、まっすぐな性格の平太やそれをただす彼女の萌の目線から描くことで大変読みやすいものとなっている。

  • 地下鉄工事の談合をめぐり、
    大小各社ゼネコンとゼネコンに融資している銀行、
    更には談合を摘発しようとしている東京地検など、
    様々な立場から建設業界や談合についての見方がされています。

    建設業界も談合も全く知らない世界でしたが、
    所々に分かりやすい説明があり、
    加えて登場人物の思考や感情を通して伝わってくるものがあったので、
    面白く読み進めることができました。

    善と悪、表と裏。
    立場が変われば同じものを見ていても、
    こうも見え方が違ってくるものなのか、
    その違いが人との距離に大なり小なりの影響をあたえるのかと、
    読んでいて苦しくなる部分も多々あります。
    また、脇を固める登場人物たちもリアリティがあり、
    実在しそうなくらいに身近に感じられるのも、この小説の魅力の1つなのだと思います。

  • 面白かった。全く知識のない分野の話だけど引きこまれ、分厚い本だけど、するする読めた。それぞれの立場に置かれた人々の心情がよく描かれていると思う。分かりやすく嫌な奴が出てきているのも箸休め?的な感じでよかった。ちょっとしか出てこないが、母親たちが要所要所で印象的な台詞を残しているのも、女性として考えさせられるものがある。

  • 公共工事の談合を題材として扱った長編小説です。

    中堅ゼネコン・一松組の若手、富島平太が異動した先は
    “談合課”と揶揄される大口公共事業の受注部署だった。
    今度の地下鉄工事を取らないと、ウチが傾くー
    技術力を武器に真正面から入札に挑もうとする平太らの前に「談合」の壁が。
    組織に殉じるか、正義を信じるか。
    吉川英治文学新人賞に輝いた白熱の人間ドラマ。
    (「BOOK」データベースより)

    大型の公共工事を談合で調整しようとする建設業界の話と、
    主人公である建設会社若手社員の公私にわたる葛藤の話、
    そして、官製談合事件を追う検察の話が巧みに絡み合った作品です。

    池井戸潤さんご自身が銀行出身ということもあり、
    今回の話でも融資に関するやり取りは本当の話のように感じられますし、
    入札をめぐる建設業界の駆け引きにもスリル感を感じました。

    また、物語の主軸となる談合に関連するフィクサー的人物の描き方や、
    それを取り巻く人々の描写に関しても、
    表面的なことだけではなく裏にある弱さや寂しさを描いているのが特徴です。

    池井戸さんの作品はこの「人間描写」がとても巧みで、
    「悪役」をただ単に悪役として描写しているのではなく、
    そこに人間の弱さや哀しさがあることで読み手が感情移入しやすいのだと思います。

    談合という悪しき習慣がどのような経緯で出来上がったのか、
    そのために建設業界ではどのような動きをしているのかが詳細に描写されています。
    また、入札にあたって建設業界ではどのような情報収集を行い、
    入札額をどういった方法で決めているのかなども読み応えがあります。

    私も仕事で入札を経験したことが何回かありますが、
    業界や金額規模は違っても共通する部分が多いんだなと感じました。
    そういった意味でも読み応えのある一冊です。

    読後は推理小説を読み終わったような気分になりましたし、
    ハラハラドキドキのアクション物を読んだような気分にもなりました。
    また、「働くことはどういうことなんだろう」ということも、
    真剣に考えさせられる一冊だとも言えると思います。

    かなりの長編ですが一気に読み進められる一冊です。
    何かをじっくりと読み込みたい方にもオススメの一冊です。

  • めっちゃよかった!
    読み終わってからもう一回読んでしまった。

  • ひさしぶりに一気に読んだ長編。初めての池井戸作品。
    入札における談合や建設業界の構造・・・興味のある分野だったし楽しめた。主人公もいい!
    最後の最後でちょっとだけ失速感。残念。

  • 池井戸さんの作品を読むと「仕事頑張ろう」って気持ちになります。無理してストレスためながらではなく、お仕事に真摯に向き合っていればいい出会い、いい経験を経て強く賢くなれるんだ!って前向きになれるところがすき。

  • 相変わらずの池井戸節。
    読み終わったあとの痛快さは相変わらず。

    彼女との復縁のところが唐突だった気が。
    どの作家も得手不得手あるものですね。

    分厚いけど一気に読めます!

  • 建設業界の「談合」にまつわる話。
    意図せずその渦中に放り込まれた若手社員の目を通じて業界事情やそれを取り巻く世の中の仕組みが鮮明に描かれています。
    エンディングで、彼は再び工事現場の世界に戻っていきましたが、彼の棲む建設業界の現状は何も変わっていないわけで、少しすっきりしない余韻を残しつつ終わるのはそれが現実世界ということでしょうか。

  • 話題の池井戸潤。直木賞を取る前から気になっていましたが、ようやく読む機会がありました。
    実際には間に色々入れちゃったので、読了まで間が開いてしまいましたが、その期間を全く感じさせないストーリーテリングとキャラの立ち方はさすがでした。万人にお勧めできる一冊です。間違いないです。
    ストーリーとしては、土建業界と談合に関わる世界と、そこに巻き込まれた若手社員の葛藤と活躍。ビジネス小説でもあり青春小説でもあります。サラリーマンで仕事を頑張っている人は必読です。俺も頑張ろうという気が湧いてきます。周りのキャラも実際にいそうでいなさそうで、惹かれます。
    まぁ、それだけで終わらないところも、この本の面白いところですが・・・最後まで読まずにいられません。
    一気に読めますし、絶対に損はしません。オススメです。池井戸潤、もっと読みたくなりました。

  • ラスト尻すぼみ感が否めないなぁ~。
    山崎豊子的な終わり方までは望まないけど・・・。
    下町ロケットでも同じように感じたが、人物相関関係や(まぁまぁの)ハッピーエンドへの持っていき方が、少し安直過ぎるように感じた。

  • 一気に読めた一冊でした。

    建設現場における談合を描いた作品。
    談合をしなければいけないシステムから抜け出せるのか⁇
    そういった疑問を考えながら読み進めていきました。この本で印象に残っている言葉は「必要悪」。

    談合は必要悪であると主張する上司に対して納得してしまう平太。
    私も少し納得してしまいました。

    その必要悪が生まれてしまうシステムにやはり問題があるのかもしれません。

    2012年4月6日読了

  • ストーリーがしっかりしていて、登場人物の性格もきっちり描かれている。恋いも絡んで、全然飽きない。読者の職場にも、こんないろんな人がいますか?きっといると思う。おすすめ。

  • 企業小説。
    ゼネコンの談合をテーマにした作品。一松組の平太を中心に、談合に関わる多くの人の視点を元にして、談合が繰り広げられていく様子が丁寧に描かれている。

    建築業界に身をおく一人のサラリーマンとして、平太に感情移入しながら読み進めた。談合に関わる人間の様々な立場を理解することができ、社会の矛盾を感じた。
    最後の展開はドラマティックで、平太と萌が成長していく様子が自分の気持ちを高揚させた。
    とても興味深いテーマであった。

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鉄の骨 (講談社文庫)の作品紹介

中堅ゼネコン・一松組の若手、富島平太が異動した先は"談合課"と揶揄される、大口公共事業の受注部署だった。今度の地下鉄工事を取らないと、ウチが傾く-技術力を武器に真正面から入札に挑もうとする平太らの前に「談合」の壁が。組織に殉じるか、正義を信じるか。吉川英治文学新人賞に輝いた白熱の人間ドラマ。

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