- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062771337
作品紹介・あらすじ
トラブルの多くは、伝える側と受け手の思いこみにより、情報・知識・感情が正確に伝わらないことで起きる。事故や失敗、争いごとを防ぐ方法はあるのか?"失敗学"の提唱者で、福島原発事故調査・検証委員会委員長による、「みる・わかる・伝える」という「知の共有」のための究極の書。
感想・レビュー・書評
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ひとに「伝える」ことの技術を腑に落ちる見せ方をしてくれた一冊。
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タイトル通りの本。
非常にわかりやすい説明で、伝える立場の人はもちろん学ぶ立場の人にとっても非常に良い指針になります。
どんな情報や知識も発信する側と受け取る側にズレがあれば「みたつもり」「わかったつもり」「伝えたつもり」になってしまう。
それをいかにちゃんと「みる」「わかる」「伝える」ようにしていくか。
普段から無意識にやっていることも、ちゃんと理論だてて理解することが出来て勉強になりました。 -
知識の構築からその伝達までを「みる→わかる→伝える」の三段階で説明している。
また、3現(現地、現物、現人)を意識することで本当の理解や学習が得られる。
私は人にものを教える状況が習慣的に存在しているので最後の「伝える」の項目には意義深いものが多数あった。
特に伝えた≠伝わったということに関して言及しているものは自分の行動を振り返って見る必要がある。
伝え方の工夫だけに満足しないように気を付けたい。
本当の「みる・わかる・伝える」を身に付けるためにアクティブ学習をもっと意識していきたい。 -
畑村先生物の文庫版。説明図がわかりやすいのかわかりにくいのかでちょっとじっと見る必要があるが、極めて平易に書かれていて、すぐに理解ができる。何気ない一言に重みを感じ、自分のできてなさを痛感。
多くの内容が他書で何度も出てくるので、かなりの畑村シリーズを所有するものとしては冗長なところもある。でも、読んではメモ、を繰り返すに値する本。 -
「みる」、「わかる」の部はあまり良くはなかったが、「伝える」の部では、伝わる相手方と同じ知識を伝えあう土台、「暗黙知」という概念を持ち出して「伝わる」ということを説明されていたところが、なぜ伝わらないのかということについて説得力があってよかった。
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「失敗学」の提唱者による、暗黙知を形式知に転換して組織で継承していくための方法論のわかりやすい解説。
一人ひとりが「みる」「わかる」「伝える」の3ステップを「ホントウに」やらないとダメだということ。
全体として、畑村先生の他の著作でも書いてあることを文庫本として焼きなおしたもの。リスク防止に頭を絞っている本当の実務家にとっては、「わかってるよ」ということを改めてイマシメとして言ってもらうようなもの。理論家にとっては記述が冗長で内容が散漫とも感じるだろう。主として読者は「文系さらりーまん」を想定しているということだ。
先生の著作に共通している、線描の図は、目がチカチカしてわかりにくいと思います。