チェーン・ポイズン (講談社文庫)

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著者 : 本多孝好
  • 講談社 (2012年1月17日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062771450

チェーン・ポイズン (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 絶望を抱え自殺を決意したヒロインの前に現れた謎の人物が「本当に死ぬ気なら、1年待ちませんか?1年頑張ったご褒美(安楽死)を差し上げます」と囁き、ヒロインは1年待つ間ひょんな事から児童養護施設で働く事になる。
    他にも自殺を選んだ人たちが辿る幾つかの結末と、その死に連続性を感じて探る記者の話。


    真逆の結末を選んだ二人の気持ちは両方ともよく分かるので、正解はないって思いました。
    僕はかつて後追い自殺に囚われた時、安楽死出来るという毒薬を飲んだら真っ赤な嘘で、一晩中真の地獄を味わい、運良く(アルコールと一緒に飲むと気持ちよく死ねてオススメの通りにしたら、お酒弱いため)地獄の最中に一度吐いたため、毒性が弱まり九死に一生を得たので、
    100%安楽死の薬は、当時の僕からしたら宝物でしたし、作中のような判断をした気持ちも分かるのです。

    そして、単に生きてるだけで解決出来ない地獄も世の中にはあるので、地獄から抜け出せない方の自殺も否定しない自分もいます。

    ちなみに自分が失敗しても抱え続けた自殺願望から抜け出せたのは、親切な方々の限りない優しさであり、
    抜け出せた後は、僕自身も自分の体験や言葉で、同じような自殺願望の方々を止める事も出来ました。
    また逆を言えば、本人が冗談レベルで発した言葉が悪意を持って他者を追い込む事もあり、言葉には人を生かす力も殺す力もあります。

    改めてその事に気付かされ、生活の中で会うどんな方にも言葉を選んで発し、痛みを聞かせて頂く機会があれば少しでも励ましていけたらと思いました。

    そんな感じで、生と死に様々考えさせられた上で、最後はあっと驚く感動もあるミステリーで涙させられた神作でした!

  • 個人的に好きになれない話だった。
    読んでいる内にどんどん疲れて読み終えた時はくたびれた。

    内容は、
    見知らぬ人物に声をかけられ1年間死ぬ事を待った自殺志望の女性と、
    彼女を含めて三人の男女の服毒自殺の真相を追う雑誌記者、それぞれの目線で描かれた物語。

    序盤に結末が分かるので、最初に書くと、主人公の女性は養護施設のボランティアをして様々な人と関わったりしながらも結局は自殺してしまう。
    人が自殺するのはそれぞれの事情があるし、人それぞれ許容量もある訳だから、何で?とは言えないけど、この主人公に関してはやはり自殺する事に疑問を感じた。
    亡くなった後、心痛める親がいる。
    仕事や人間関係に失望していたとしてもやり直せる若さもある。
    そして、後半は自分自身で手繰り寄せた縁で、自分の居場所のようなものを作ったりしてるのに・・・。
    ボランティアを通して養護施設の子供たち、様々な人に関わって再生を果たす・・・というのはありがちな話ではあるけど・・・。

    この本に関してはそんな風に感じさせるのも作者の意図のような気がして嫌~な気分になった。
    何となく読み終えて感じたのは、奇をてらってるということ。
    普通とちょっとズレた所にもっていく事によって読み手を惹きつけているという感じがした。
    私はもっと地味な部分で読ませてくれる話が好きなので、こういう作為的なのが見えた時点でしらけてしまう。

    主人公の女性は生真面目でどちらかというと面白味のない人間のように書かれているけど、それとボランティア施設のためにある人に食ってかかる場面、この本のタイトルになっている、死ぬ際に人を巻き込む、というのがどうも同じ人のような気がしなくて違和感を感じた。
    また、雑誌記者が服毒自殺という事件をここまで丁寧に時間をかけて取材するかな?とも思った。
    もっと大人数が関わっているならまだしも・・・。
    それに、この本では他の2人の自殺者の事をほとんど書いてないという事も物足りなさを感じた。

    衝撃的な事を書いてあるけれど、中身がスカスカで伝わってくるもののない本だった。

  • 久々に爽やかな読後感だった(^^)
    なんの疑問も持たなかったけど、ちょいちょい違和感があったなぁ、たしかに!
    おもしろかった(o^^o)

  • だまされた!(笑)
    人生に希望を見つけられなくて、自殺を考えていた女性の前に「1年後に、楽に死ねる手段を提供します」という提案が降って湧いてくる。
    その言葉を信じ、1年だけ生きてみようと思う女性と、連続しておこった服毒自殺者を追うライターとの話が交互に展開されていく。
    死んでしまった人が、毒を飲んだ理由というかきっかけが、なんとなくわかる気がした。
    そして、眠るように楽に死ねる毒があったら、俺でも酔っ払っていたら飲んでしまうかもしれない。っていう作中の台詞に納得した。

  • どんでん返しありと知りながらも、最後まで全く気づけず。そーゆうことか、とすっかり騙された。
    主人公のおばちゃんが、最後、ちゃんと生きがいを見つけて生きようと思ってくれて、、結末もすっきり納得して読了。

  • 世界の中から悪意が消えることはきっとない・・・。

    その悪意から目を背けたり、あきらめたりせず、その存在を認め、それでも進み続けることが生きるということなのかもしれない。

    でも、自分のためだけでは、きっと頑張れない・・・。
    一緒にいたい。そばで成長を見守り続けたい。そんな想いを持てる存在が近くにいるからこそ、人は頑張り続けることができるのだと思った。

    たまたま、チラシを見ていた時や落とし物をした時、自分にとっては何気ない小さなきっかけが大きな出会いをつくることがある。

    今、いる場所だけがすべてじゃない・・・。
    そこから、一歩踏み出したとき、見えてくる世界は無限に広がっている。

    そして、そんな世界の中で、何か大切にしたいものを見つけたとき、人は生き続けようと思うのかもしれない・・・。

    「生きがいがある。」それだけで、人はもう幸福なんだろうなと思った小説でした。

  • 久しぶりに作品の世界に入り込めた。高野章子の謎が解けないまま終わるかと思ったけど、最後の最後で大ドンデン返しがあって身体が冷たくなった。すごく面白かった!!

  • 最後まで面白く読めました。
    こういう構成の小説、個人的に好きです。
    好きなので、期待値もあがりますが…。

    文庫で読んだのですが、
    この装丁とタイトル、好きじゃないです。
    えと、個人的な感想ですが。

    あと、身も蓋もないですが、この話に、
    このトリックは必要だったのでしょうか?

    しかし、おばちゃんと子供たちの交流の描写、
    『こんにちはだけじゃなく、いい天気ですね〜』の考え方と
    ラストの結び方は、素晴らしいものだったと思う。

  • 「もし、本気で死ぬ気なら、1年待ってみませんか?」

    ―もう死にたい。
    "死のセールスマン"から「眠るように楽に死ねる薬」を約束された代わりにもう一年だけ生きる時間を与えられた女性。そしてその一年後に、”死のセールスマン”の謎を追うジャーナリストが交錯するミステリ。

    この本をミステリとして読むとその価値は半減してしまうかもしれない。
    最近良く見かける叙述トリックであることから結末が途中で分かってしまう読者も多いのではないかと思う。寧ろ作者は、トリックを見破ってほしいとすら思っているように感じた。なぜなら、主人公の女性の描き方がジャーナリストが追う自殺した女性の客観像と大きく離れている印象を受けたからだ。ジャーナリストが追う”客観的事実”は上手く符合させているが、主人公から語られる”主観的事実”の印象が全く違っているように感じた。

    寧ろこの本の主題は人の繋がりと自殺について、そして生きることの素晴らしさにあり、与えられた1年間の時間の中で死を選んだ人と生きる事を選んだ人の対比を通して(ミステリの手法で読者を引き付けつつ)作者のメッセージが込められているのではないかと思う。
    この主題に対して作者はジャーナリストの原田との口を借りてホスピスの院長との会話の中でこう表現している。
    「近所でたまに顔を見かける名前も知らない人に、こんにちは、だけではなく、そこに続けて、いいお天気ですね、と声をかけていれば高野章子は死ななかったんじゃないか」と。
    それに対して、生きる事を選んだ槇村が原田の「こんにちは、いい天気ですね」という声掛けに対して「ええ。本当に。本当にいいお天気。」と返すラストには清々しい感動を覚える。
    ミステリの体を取りつつ、自殺、生という重いメッセージを織り込ませる作者の手腕に脱帽である。

    余談だけど、ゲルセミウム・エレガンスって、本当に楽に死ねるのかしら?
    wikipediaには苦しそうな症状しか書いてなかったけど…笑


    それにしても
    「もし、本気で死ぬ気なら、1年待ってみませんか?」
    という問いは本当に考えさせられるものがありますね。

  • 自殺を1年間思いとどまり、その間に出会う施設の子供たちとの交流を通し、生きる意義を見つけるお話なのだが、ちょっとしたトリックが仕掛けられていて、話は主人公と、雑誌記者の2側面から展開される構成になっている。ラスト数十ページで読者の思い込みを打ち破るトリックがあるのだが、巧みさには欠け、逆に小説全体の後味を悪くした印象もあった。素直に、生きる意義を問い直した主人公の話に特化した作品にした方が良いように感じた。

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本当に死ぬ気なら、一年待ちませんか?人気絶頂のバイオリニスト、陰惨な事件の被害者家族、三十代のOL。三つの自殺に不思議な関連性を見出した週刊誌記者・原田は、"死のセールスマン"が運んだらしき、謎のメッセージの存在を知る。「命の取り引き」がもたらす意外な結末とは?心揺さぶるミステリアス長編。

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