- Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062771450
感想・レビュー・書評
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「本当に死ぬ気なら一年待ちませんか?一年頑張ったご褒美を差し上げます」
一年後のご褒美だけが拠り所の女、自殺した女の過去を調べる記者、交互に話は進みます。
ミステリーというよりはヒューマンドラマ的なものを感じました。
絶望や哀しみのみならず希望や人情、たくさんの感情が込められているように思えました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
むー
という感じ -
最後の最後まで、完全に騙された……。そういう目で読み直したら、確かに、あらゆるところに伏線が張られてる。なんでも感心するのは良くない癖かもしれないけど、この作品もまたすごい。
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事情の異なる3人が、なぜ同じように一年待って服毒自殺したのか。最初から答えの一部が明かされるものの、犯人につながりそうな人物は出てこない。これは語り手の解離性障害ずっこけオチかな?と一瞬心配になるが、一応ダイジョブ、グッジョブ。自殺をとりまくもろもろなトピック(死刑制度、緩和ケア施設、労災訴訟、生命保険、アルカロイド毒物、、)が語られるのに、あまり暗い気分にならないのは、作者のテイストなのだろう。一年後の自殺を決めた元OLは、それまでの暇潰しとして児童養護施設に関わり、次第に心境を変化させていく。どんでん返しはそれほどでもないし、勢いにまかせた言動も多いけど、この静謐なミステリには読ませる力がある。
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違和感を覚える描写はありながら、割と最後まで気付かなかった。希望と、絶望の本。おばちゃんがいて良かった。
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『I LOVE YOU』収録の「Sidewalk Talk」以来、わたしにとって二度目の本多孝好さん。
1年前~の過去と、その過去に起きた真実を追う現在の2時点の語りが交互にあらわれる。
どちらの語りも読む読者は全てを知りながら読み進めていくのに、なんと最後はミステリ的どんでん返し!
バッドエンドだと思い込み読んでいたのが、すてきな裏切りを受け温かい気持ちになりました。読んでいる最中に感じた違和感もすっきりです。
人はみんな孤独を感じることがある。
そんなときは最後まで読んだほうがよい。