チェーン・ポイズン (講談社文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062771450

感想・レビュー・書評

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  • 久々に本多孝好の作品を読んだ。面白くて一気に読んでしまった。本多さんの作品は大学生の頃に何冊か読んで、記憶では装丁のさわやかさも相まって爽やかな感じが強かったけれど、これはテーマ的には重めの作品。
    主要人物の一人である槇村さんが最後に死への連鎖を断ち切り生きる道を選ぶところはまぁハッピーエンドなのかもしれない。
    所々違和感を感じるところもあったけれど、最後まで読ませる技巧、すばらしかった。

  • 本多孝好の本は読んだら残るものが多い。

    こんなところで何をしている?
    10秒に一度は襲ってくるそんな想いは、まだ残っている酔いに紛れさせた。

    うっとおしかった。
    求められている気はしなかった。
    ただしがみつかれている気がした。

    いったいだれがこんな虚しい爆発に快楽という名前をつけたのだろう。
    それが快楽と名付けられてしまったから、人は誰かを求める。
    ありもしない快楽を探して。

    平和なのが良くない。
    人類はもっと単純に殺し合えばいいのだ。
    自分と違うものに牙を剥けばいいのだ、
    その自然な発散ができないから、身近な人に当たり散らし、悪意を撒き散らし、時に敵意を剥き出しにして、簡単にキレる。

  • どこかで間違ったとは思っても、戻って人生をやり直すことは出来ない。
    いまさら過去の出来事を変えることは出来ないし、選択肢は未来にしかない。
    生きる希望とは何だろう?
    誰かに必要とされること。誰かのために何かできることがあること。
    それが生きていくために必要なことかもしれない。
    生きるとは、きっと何か大切な意味があるのだろう。
    作品中に登場する「二十歳の原点」。
    読んだことがなかったので少しネットで調べてみた。
    どうやら学生運動が盛んだった頃に亡くなった女性の日記らしい。
    機会があれば読んでみたいと思った。

  • 2017.02.16完読

    死にたいと思う人間が見ず知らずの人に、一年後楽に死ねる機会を与えられる

    それまでの一年がとても緩くて、でもだんだんと熱くなって(温かくなって)よかった。

  • きれいにひっかけられた。

    性格変わっとる気がするのは
    子どもの前やからなのかな、程度の
    違和感だけで、きれいに。

  • 最後にえっ!?とびっくりさせられた。
    ずっと何も疑わず自殺志願の元OLがどうなるのか…と読み進めていたので、突然のどんでん返しが理解できず、また読み直してしまった…

  • ヴァイオリニスト、事件の被害者家族
    そして三十代のOLが自殺した。
    彼らに共通するのは、服毒自殺、という事。

    二人の視点で、物語が綴られていきます。
    片や記者、片や無職のボラティア。
    最後の落ちに驚きでした。
    てっきりそうだと思って読み進めていましたから。
    しかし思い返してみれば、あちらこちらに
    たくさんのヒントがあったというのに…。

    『プレゼント』の元が想像していた人と違いました。
    そこもまた、ひっかけられた状態です。

  • 皆さん書いてますが、「騙された!」と言うのが本当に相応しい作品。

    結末見てから遡ると、そういえばはっきり名前は書いてない、そういえば男だとは書いてない…と、上手いなぁと思わされるポイントがちらほら。最後まで結末読めなかった。

    確かに、最初のキャラ設定にしては途中で口調や意志が強い感じを匂わせてはいますが、最後にフルネームで名乗るシーンで、「え?え?え?」ってなる感じがたまりません。

    以前読んだ短編も、同じ年の話だと思っていたら違う年の話をしていた、なんて感じだったので、本多さんはこういう騙し方が好きなのかな(笑)

    生きる時間を決められて、初めて生きる意味を見つけられる。余命宣告をされた人が残りの時間どうするかを考えるように、そうなって初めて、体裁とかプライドとか全部捨てて、できることと分かることがあるんだろうな。その生きる意味を見つけられるかどうかと、どこにそれを見つけるかは、この作品を見ると人それぞれですが。

    オムニバスの短編と『MOMENT』だけ読んだことがあり、比較的好きだったので読んだのですが、イメージがちょっと違いました。良い意味で。いろんな雰囲気で書けるのは素晴らしい作家さんだと思います。

  • ミステリーだなあ。眠るように死ぬことができる毒。現代なら、きっと誰でも欲しくなるだろう。テーマがどうしても気になって購入。終わりはとても意外で、素敵。本多さんは期待を裏切らない。

  • 死のセールスマンが、遺族、天才バイオリニスト、普通のOLに必ず死ねる薬を渡す。
    ラストのどんでん返しとはこのことか!面白かった。

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著者プロフィール

1971年東京都生まれ。慶應義塾大学法学部卒業。1994年「眠りの海」で小説推理新人賞を受賞。‘99年、『MISSING』で単行本デビュー、「このミステリーがすごい! 2000年版」でトップ10入りするなど高く評価され、脚光を浴びる。以後、恋愛、青春小説を超えた新しい静謐なエンターテインメント作品を上梓、常に読者の圧倒的支持を得ている。その他の作品に『正義のミカタ』『MOMENT』『WILL』『魔術師の視線』『君の隣に』など。『dele』では原案と脚本を担当し、山田孝之と菅田将暉主演でドラマ化された。

「2021年 『チェーン・ポイズン <新装版>』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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