同期 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 1798
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062771733

作品紹介・あらすじ

警視庁捜査一課の宇田川は現場で発砲されるが、突然現れた公安所属の同期の蘇我に救われる。数日後、蘇我は懲戒免職となり消息不明に。宇田川は真相を探るが、調べるにつれ謎は深まる。"同期"は一体何者なのか?組織の壁に抗い、友を救おうとする刑事の闘いの行方は!?今野敏警察小説の最高峰がここにある。

感想・レビュー・書評

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  • 久しぶりの今野敏さん。やっぱり面白い。

    宇田川と蘇我、土岐と植松、世代の違う同期だけどお互いの親愛感、信頼感…それぞれいいなぁと思う。
    滝田課長は終盤、見直した。警察官だからか男気があるからなのか?こんな風に振る舞える中間管理職っているのかなぁ?妙に心に残った。

  • 警視庁捜査一課に務める主人公が久々に同期の蘇我と再会する。
    そして、ヤクザの抗争から起こる殺人事件。
    蘇我は警視庁公安部にいたはずが
    その直後、懲戒免職処分になっており気がつけば、容疑者状態に。

    同期の絆、警視庁の闇など面白くて一気読みしてしまった。
    小説としてでなく、実際もこういう闇の部分って多々ある。
    難しいし、闇深いけれど面白い。

  • 所属する部署もタイプも違う2人。しかし、同期ということはずっと変わらない。同期の2人が関係した事件解決に向け、警察組織の複雑な関係なども絡んで最後まで楽しく読めました!

  • 公安、警察庁警備局、右翼の大物フィクサー。
    普通の警察小説があっという間に陰謀論(があるかもしれない)の作品になります。
    名探偵コナンで有名になった「ゼロ」という組織が本当にあるかどうかは知る由もありませんが、世の中みんなこの手の話は好きですね。
    多分、知ることが出来ない世界の話だけに、こういう作品を読んでその一端を垣間見た気分になれるからでしょう。

  • 樋口シリーズを読み終わり、次なる獲物はこの同期シリーズに。

    取り扱う事件が少々複雑で、その分没入感を得にくいかな、というのが正直なところ。いや、その点を差し引ても十分面白いのですが、今野敏作品としての期待値の高さがそう感じさせてしまうのかもしれません。主人公・宇田川の同期である蘇我が警察を懲戒免職になる、なおも警察関連の捜査に携わる展開は、ほかのシリーズにはなかった展開で、思わず本当かいな、と思ってしまいます。

    それでも宇田川の少々無鉄砲な行動力が事件解決の突破口になるあたりは本作の読みどころといえるでしょう。特に八十島に会いに行くシーンは生きて帰ってこられないのではないかと思わされるものでした。事件を通して成長する宇田川の姿も見どころです。

    事件解決後は警察庁警備企画課からの引き抜きもありますが、刑事としての道を歩む決意をした宇田川に次回作への期待が高まる爽やかなエンディングでした。

  • パターンが同じ(こちらが最初だからいいのだけれど)。
    それぞれの思惑がわからない。ヤクザの下っぱはなぜ殺される必要があったのか?

  • 今野氏の小説は初めてだったが、人間模様やストーリーに引き込まれあっという間に読了。ハンチョウを書いた人なのか!

    土岐さんの自分のやることをやるだけ、という姿勢が渋かっこいいし、いざという時に度胸を見せる宇田川もかっこいい。(かなりハラハラしたけど)

    同期って職場の中でニュートラルに話せる大事な存在だったりする。特に辛い時。だけど、出世の具合が気になったり、複雑な関係でもある。だからこそ同期だから助けたいと思うのは当たり前、って言い切るのがジーンとする。

    次作もあるようなので読んでみたい。

  • HOさんのオススメ本
    隠蔽捜査シリーズをオススメしたら、逆にこちらも読んだ?と持ってきてくれました。
    さすがの今野敏さんで、男同士の気持ちの良い話でした。
    同期同士、上司と部下、さまざまな関係で、誰も嫌な奴がいないのが気持ち良い。
    シリーズ化されるようなので、次回が楽しみです。

  • 偶然とは思えない場所で久しぶりに出会った同期の蘇我。
    危ないところを助けられた宇田川は、先輩刑事に言われそれとなく蘇我に接触を試みる。
    しかし、突然に蘇我は懲戒免職になってしまう。
    何故、いったい何があったのか?
    宇田川はそれとなく蘇我のことを調べ始めるのだが。
    同じ警察であっても、公安というのはまったく違う組織らしい。
    目的も、行動のルールも、すべてが一般の警察とは異なる。
    同期であっても公安の蘇我が何をしていたのか。
    宇田川には知ることは出来ない。
    公安、というとあまり良いイメージがない。
    ドラマや小説の影響もあるだろうが、警察には正義という大義名分があるけれど、公安はどちらかというと情報戦術のような印象がある。
    相容れない部署がひとつの組織として活動していかなければならない矛盾。
    同じ警察官であっても所属が違うだけで、一般のような同期の友情を育むことは難しい。
    けれど、そこには刑事ならではの人間ドラマがあった。
    宇田川の相棒である先輩刑事・植松の描写がいい。
    ベテランの刑事らしさと人間味がバランスよく描かれていて魅力的だった。
    やはり今野敏が書く警察小説は面白い。

  • 刑事の宇田川を主人公にしたシリーズ第一作。

    暴力団員刺殺事件を捜査していた宇田川が発砲されるが、その危機を救ったのは同期の公安所属の蘇我だった。しかし、蘇我は突然、懲戒免職になり、消息不明に…

    警察組織の特異性を土台にして、事件の真相が少しずつ明らかになる過程がテンポの良い展開で描かれている。また、登場人物の性格もきっちり表現されており、このあたりに今野敏の警察小説の面白さの秘密があるように感じた。

    次作も、非常に楽しみである。

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著者プロフィール

1955年北海道生まれ。上智大学在学中の78年に『怪物が街にやってくる』で問題小説新人賞を受賞。2006年、『隠蔽捜査』で吉川英治文学新人賞を、08年『果断 隠蔽捜査2』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞を受賞。

「2023年 『脈動』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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