キング&クイーン (講談社文庫)

著者 : 柳広司

• 講談社 (2012年2月15日発売)

作品紹介・あらすじ

二度読み必至！！　新たなる「ゲーム」、ここに始まる。

「巨大な敵に狙われている」。元警視庁SPの冬木安奈は、チェスの世界王者アンディ・ウォーカーの護衛依頼を受けた。謎めいた任務に就いた安奈を次々と奇妙な「事故」が襲う。アンディ（キング）を狙うのは一体誰なのか。盤上さながらのスリリングな攻防戦（ゲーム）――そして真の敵が姿を現した瞬間、見えていたはずのものが全て裏返る！

＜ゲームを始める際の心得＞
一、相手の手を、注意深く読め。
一、相手の心を、注意深く読め。
一、考えろ。無限の可能性を疑え。

感想・レビュー・書評

[raindropsさんの感想 · 2022年10月24日]

元SPの安奈がかっこいい。
チェスの世界チャンピオンの変人ぶりに振り回されながらも、しっかり警護する。そのスマートさと熱さが良かった。
できたら安奈の続きが読みたいと思わせる本でした。

[おびのりさんの感想 · 2022年6月17日]

お強くお美しい(たぶん)元SPの女性が、詳細がわからないまま、チェスのチャンピオンを警護することになる。
逃避中のちょっとSPっぽい行動はスリリング。
チェスについてのルールや試合描写は詳細。
キングが神童と呼ばれていた頃のエピソードは、将棋界のそーた君と重なる。2010年くらいの発刊なので、年齢的にも合いそうな。
柳さんの「ジョーカーゲーム」が大好きで、あの昂奮を今一度と期待したのですけど、少し違ったかなあ。
キングが何者かに狙われるのだけれど、伏線は面白いけど、ちょっと事件が小さいかなあ。
チェス好きには、絶妙な作品と思います。

[さっささんの感想 · 2021年3月31日]

何者かに命を狙われている天才チェスプレーヤーを元SPの女性が警護しつつ、不可解な警護依頼の裏に何があるのか探っていくミステリー。
このチェスプレーヤーは変人ぽくて言動にイラッとさせられるけど、そんなところが分かりやすい天才像という感じ。
チェスが分からなくても問題ない。あっさりした文章で、さくっと読み終えた。

[***さんの感想 · 2020年2月27日]

珍しく半日で読み終えた本！
大好きなジョーカーゲームの作者･柳さんの作品ってことで手にした本。
チェスのルールは全く知らないけど
それでも面白かった！！
ストーリーのテンポが軽くてサクサク読めた！
犯人も、タイトルの意味も最後にわかったときは
してやられたなーって思いました！(笑)
さすが柳さん！
さらーっと読めちゃうので
他の方の批評にある通り
確かにラストは物足りないかなーって感じ( ´ㅁ` ;)
でも普通に面白かったです！！
ナイト&シャドウも読んでみたいと思います！！

[アキラさんの感想 · 2021年10月7日]

元警視庁SPのあんなが、チェスの世界王者アンディ・ウォーカーの護衛をするお話。
テンポよく進むアクションの展開が素晴らしく面白かった。犯人の正体も、全然わからなかったので、純粋に楽しめた。
あんなの過去とかギュッと一冊に詰め込んであって、贅沢だな。シリーズ化しようと思えばシリーズ化できそうなお話。

[林檎飴甘さんの感想 · 2017年3月30日]

「トーキョー・プリズン」で柳さんの物語と出会った。
それから「ジョーカー・ゲーム」のシリーズを追いかけ、この物語を手にとった。
面白くないわけではない。
けれど、結末での大どんでん返しをいかすための伏線…というのが読み終わってから少し興ざめした。
主人公である安奈が魅力的に思えなかったのも原因のひとつかもしれない。
アンディはとても癖のある人物だと物語の中でも語られていたけれど、実際にはそれほどの偏屈さも変人ぶりも感じられなかった。
浅いところで物語が進んでいく。
もう少し踏み込んだ描写が欲しかったような気もした。
結末ありきの物語になってしまっているのが残念だ。

[masatoさんの感想 · 2018年12月30日]

面白かった!
チェスの世界王者を護衛することになった女性元SPの物語。
主人公は、元警視庁SPの安奈。今は六本木のバー、ダズンの店員。そんな安奈に、チェスの世界王者アンディー・ウォーカーの護衛の依頼が。
アンディの護衛は民間では全て断られ、警察にも相手されず。
警察はまだしも民間でも護衛を断られる理由は?
誰がなぜアンディを狙っているのか?
その真相は何か?
アンディーを狙っているのはアメリカ大統領?
といった展開と、
安奈はなぜSPをやめたのか?
それらの謎と、チェスの話がクロスして語られていきます。

SPの仕事が詳細に、かつ具体的に語られていて、その仕事の大変さと、その業務に携わる人達のすごさがわかります。

安奈はSPをやめた理由、そして彼女の信念は物語を読み進むうえで明らかになっていきます。

そして、最後、一気にアンディーを狙う真相が明らかになります。
そこで帯にある「二度読必至」の意味と本題の「キング＆クィーン」の意味も明らかになります。



叙述トリック!

ものの見事にだまされて、スッキリですが、そこを意識しすぎて物語を作った感じ。
安奈の信念を軸にもっと掘り下げても良かった。

とはいえ、十分楽しめました!
ここで内容がさらせないので、是非、読んでみて!

[ひるあんどんさんの感想 · 2021年9月18日]

元警視庁SPの安奈はチェス世界王者を警護することになる。長い話だけどあっという間に読めました。最後に明かされるタイトル「キング&クイーン」の意味。面白かったけどなんか今一歩て感じで引き込まれる、というほどじゃなかったな。

[しろコシオさんの感想 · 2014年2月6日]

スパイを描いた「ジョーカーゲーム」は連作短編だったが、今作は長編である。あの切れ味は長編でははどうなるや？と思いつつ読了した。

ん～氏はやはり短編が得意なのだと思う、サスペンスフルな展開が急遽収束してしまい、さして緊迫した危険ではなかった。国際謀略と思ったら、近所のイジメ合戦だったんだ！というような感想しか持ち得なかった。

チェスの世界チャンピオン及び、その勝負の世界が背景にあり、ジャンルは違うが「猫を抱いて像と泳ぐ」を思い出す。チェスに取り付かれた人の描写は共通点が多々あった。チェスのルールくらいは勉強してみようかな？と思わされた。

ヒロインのキャラ立ちは非常によかったと思う、元ＳＰで高身長モデル体系、愛想のない怜悧な美貌、祖父から古武道を受け継いでいる。シリーズ化の構想があるのだろうと思える。

ちょっと残念に思えるものの、これから進化していく物語かもしれない。

[豊太郎さんの感想 · 2012年4月29日]

「う〜ん、こんなものか、、、」と言うのが正直な感想だ。
文章の書き方は読みやすく、心地好い。
ポイント、ポイントの展開も面白い。
ただ長編にしてはもう少し捻りが欲しいところだ。
ところで、オビの所に書いてあった "衝撃のドンデン返し!" って、どこの事なんだろうか、、、、分からない。

[keixinhuさんの感想 · 2012年4月28日]

成り行きで元SPがチェスの世界チャンピオンを守る事に。誰が何の為に。敵が見えない中、昔の上司とも敵対する。守るきる事が出来るのか？
オチに近づくにつれ、話がどんどんスケールダウンして行く。チェスの話などは面白いけど、ストーリー的には今ひとつ。文章構成的にトリックはあったけど唐突すぎて不自然だった。

[明太子の海綿体さんの感想 · 2024年4月11日]

天才の描き方が素晴らしい
ただトリックの為の伏線が乏しい為かやられた感が全く無かった
もっと頭脳戦の駆け引きして欲しかった、残念

[aviwynksさんの感想 · 2021年10月29日]

あり得ない設定を「まあ小説だからな」って受け入れられる人しか楽しめない作品だと思う。私は受け入れられなかった。
チェスの世界チャンピオンとはいえ言うなればただの一般人にアメリカ全土が動く意味が分からん。
何千人といる911の被害者の中のただ1人のお願いをこんなにちゃんと聞いてくれる地元元議員の意味が分からん。
アメリカのいち地元元議員がヤクザの組長と繋がりがある意味が分からん。
ていうかそもそも犯人がアンディをそこまで憎む理由が薄っぺらすぎて意味わからん。
あと元SP、元SP、元SPってしつこい。実はシリーズもので主人公杏奈のバッググラウンドや感情がもっとしっかり描かれている作品が他にあるというなら理解出来るけどそういう訳でもないし。
警護はしたくないよ、出来ないよって言ってたと思ったら次の瞬間には「絶対に見捨てないから」って。え？何か読み落とした？！と思って読み返したけど何もなかったわ笑
期待は全然してなかったけどそれでも期待以下でした。

[miakaさんの感想 · 2021年8月22日]

期待しすぎたかなぁ。
ジョーカーゲームは面白かったんだけど。
チェスの世界チャンピオンをガードすることになった元SPの安奈。
現在の事件、昔の回想、アンディの過去の話が交互に出てくる。そのため話の進み方が遅く、単調に感じる。
大掛かりな叙述トリックが仕掛けられており、犯人の意外性はある。動機は理解できないけど。
ガードを頼むのに危機感の無い蓮花とアンディに、最初はイライラさせられる。

[よーへーさんの感想 · 2021年5月5日]

元SPの女性バーテン安奈が、チェスの天才で世界チャンピオンのアンドリューウォーカーを護る。なぜウォーカーは狙われるのか、安奈はどのように彼を護るのか。

[345さんの感想 · 2020年1月20日]

中断してから再開するまで大分間が空いてしまったので、
ラストの衝撃が、いまいち伝わらず…。
本来だったら、…へ！？ってなるところだったよね…


ところで。
巻末の用語一覧にて、サクリファイスの意味を知りました。
近藤史恵のサクリファイス、
用語の意味知らずに読んでて良かったわ。

[こまいぬさんの感想 · 2019年11月11日]

追うものと追われるものの先を読み合う頭脳戦を期待してたもんだから、肩透かし。
キャラクターの説明に終始。
騙された！とはなるが、そこじゃないんだよ、楽しみたかったのは。

なんとももやもやする読書となりました。

[masatora4さんの感想 · 2019年11月4日]

チェスの元世界チャンピオンを元SPの主人公がガードすることになる。チェスの場面は面白かったが、ストリーに真新しいところはない。過去と現在が交互に描かれるが、間隔が短すぎて効果的とは感じなかった。

[herbteaさんの感想 · 2019年6月14日]

元ＳＰの女性が引き受けた天才チェスプレイヤーの警護。最初は少し読みづらい部分があったのですが、現在と過去を行き来する話の作りに慣れてくるころにはしっかりとのめり込み畳みかけるような後半の展開に一気に流されて最後まで読んでしまいました。暗黙の連係プレーがすごく楽しかったです。例の部分は全く気付かなかったので驚きましたが、元ＳＰの女性も天才チェスプレイヤーたちの逸話もとても魅力的に生き生きと描かれている分、結末が薄く感じてしまったのが残念でした。でも楽しめましたので「ナイト＆シャドウ」も読んでみたいです。

[emarute1208さんの感想 · 2018年11月11日]

チェスは『出来るとかっこいいかも』と度々興味を持つが実際にPLAYしたことは無い。そんな訳で専門用語やチェス好きなら知っていて当然の知識がトリックなどに使われてたら嫌だなぁと思ったが・・・大丈夫！チェスのゲーム進行を描写するところは多々あるものの、それは臨場感の演出であって実際の盤面が思い浮かばなくてもぜんぜん楽しめました。
この本を読んでいる途中、私の6歳の息子が独り言で「あんぱっさん」と言ったのには驚いた。彼はたまたまチェスも含まれたボードゲームの説明書を読んでその単語を覚えたようだった。

[nimbus3さんの感想 · 2018年10月22日]

小説

[2006takahiroさんの感想 · 2018年6月17日]

「巨大な敵に狙われている」。元警視庁ＳＰの冬木安奈は、チェスの世界王者アンディ・ウォーカーの護衛依頼を受けた。謎めいた任務に就いた安奈を次々と奇妙な「事故」が襲う。アンディを狙うのは一体誰なのか。盤上さながらのスリリングな攻防戦ーそして真の敵が姿を現した瞬間、見えていたはずのものが全て裏返る。

[tantanさんの感想 · 2018年6月13日]

将棋の次は、チェスかっ！っと自分にどついてみるｗｗ

ちょっち、っつーか、ほぼ「ありえねー！ｗｗｗ」って設定だけど、まぁまぁおもしろかったんで、まーいーやｗｗ

そんで、結局、なんか、みんないい人、だしーｗ

[bakumon17さんの感想 · 2018年4月29日]

あまり面白くなかった

[nopaceさんの感想 · 2018年4月28日]

ジョーカーゲームが面白かったので読破。意外性には欠けるが面白い。やはりこの人は天才を書くのがうまい。ほかの作品を読んでみたい。

[ikezawaさんの感想 · 2018年3月17日]

帯に騙された感アリ

[wfukazawaさんの感想 · 2018年3月12日]

主語を変えることで読者を犯人ミスリードさせていたが、その結果犯人を知りモヤモヤを感じた。

[あぴさんの感想 · 2018年2月25日]

ジョーカーシリーズが面白かったのと、
帯に「裏切られ度120%」みたいな紹介文が書いてあったので、
過度な期待はしちゃいけないと思いつつ読んでみたところ…
たしかに犯人は意外な人物だったのかもしれないけれど、
なんていうか…うーん…

偉大なチェス・プレイヤー「アンディ」という人物に、
それほど魅力を感じないままラストにきてしまった、のが原因？かな？
そこに感情移入なり興味を持てていたなら感想はもっと違ったかもしれない。

例えば、安奈の元仕事関係者が黒幕だったりした方が、
衝撃度は強かったような気がします。
でも、柳さんの書く文章は、ストーリも含めて読みやすく、
面白いなあと改めて実感しました。

[191919cccさんの感想 · 2018年1月28日]

面白かった

[mayasmrさんの感想 · 2017年12月7日]

悪くなかったけど、展開に違和感もある。主人公が魅力的になり得たので勿体無いと思う。あと、気になる間違いもあったな。

著者プロフィール

一九六七年生まれ。二〇〇一年『贋作『坊っちゃん』殺人事件』で第十二回朝日新人文学賞受賞。〇八年に刊行した『ジョーカー・ゲーム』で吉川英治文学新人賞と日本推理作家協会賞をダブル受賞。他の著書に『象は忘れない』『風神雷神』『二度読んだ本を三度読む』『太平洋食堂』『アンブレイカブル』などがある。

「2022年 『はじまりの島』 で使われていた紹介文から引用しています。」