時限 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062772181

作品紹介・あらすじ

枯山水を望む老舗呉服屋の別邸で、若い女性の首吊り死体が見つかった。京都府警五条署の片岡真子は、遺体の首筋に不可解な扼殺痕があると知り捜査を始める。遺留品と女性の過去から容疑者が絞られていく中、真子はある"時限"に挑まなければならなかった。女性刑事の情熱に絆されるカウントダウン・サスペンス。

感想・レビュー・書評

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  • 面白かった。
    京都を舞台として、女性刑事が時効(時限)までに事件解決に挑む物語。

    老舗呉服屋の別邸で発見された女性の首吊り死体。
    女性新米刑事の真子とキャリアの高藤がその捜査を担当します。
    首にはひもの痕と別に手で絞めた痕が?
    どういうこと?
    自殺に見せかけた他殺?
    人の家で?
    という、面白いプロットです。
    容疑者は呉服屋の主人で死体発見者の向井。真子は追い詰めることができるのか?

    そして、この事件の裏側には15年前の女性の失踪事件が絡んでいて..
    といった展開です。

    本筋はこの15年前の事件の真相。
    その事件の時効前に犯人を逮捕できるのか。
    その犯人との攻防です。

    この後半の展開は楽しめました。
    その時効に絡む「生きる」ことの執念。

    良かったです。
    2時間ドラマで見てみたい。
    お勧め。

  • 血のつながりがあるから家族なのではなく、時間を共有して初めて家族となれる。
    むろん時間は長さだけではなく深さも必要だ。

  • [生きること]
    推理小説の中にうまく散りばめた感じ。
    龍馬さん、お龍さん、乙女さん。
    なるほど〜と、ちょっと歴史の勉強にもなった。

    生きる意味を問う前に、
    生きてることがすでに意味を持っている

    それをテーマに書かれた作品でした。

    読んでよかった作品でした。

  • 「東京ダモイ」の作者の作品。京女の刑事がなかなか良かった。続編はないのかな。

    • ことぶきジローさん
      続編は無いようです。鏑木蓮さんの作品でシリーズ物は今のところは『思い出探偵』だけですよ。『イーハトーブ探偵』はシリーズ化されると思います。
      続編は無いようです。鏑木蓮さんの作品でシリーズ物は今のところは『思い出探偵』だけですよ。『イーハトーブ探偵』はシリーズ化されると思います。
      2014/07/03
  • ある死体遺棄事件をきっかけに、事件は思わぬ方へと転がりはじめる。

    死体を遺棄したのは私だ、と自白したのと引き換えに、遺棄犯は失踪した妹を殺した犯人を捕まえろと要求。しかも公訴時効まで10日しかない。

    結末の意外性には驚いたが、やや冗長な印象。ラスト50ページくらいの疾走感が素晴らしいだけに、最初のもたつく漢字がもったいない。

  • 京都府警の新人女性刑事・片岡真子はタイムリミットまでに事件を解決出来るのか。京言葉を愛し、芯のある片岡刑事とキャリアの高藤に魅力を感じた。巧みなプロット、二転三転のストーリー、非常に面白い。前半は犯人の動機を突き止めるだけかと高を括っといたのだが、後半に驚きの展開が待っていた。最後の最後まで予断を許さぬ展開があるとは。片岡刑事のおっとり、うっとりするような京言葉に騙されていた。

  • 京都府警の京女、片岡真子は先輩たちから「お嬢」と呼ばれている。
    その京都府警に警察庁から赴任してきた高藤警部。
    そこへ発生した事件はなんとも奇妙だった。
    会社社長の別邸で、首吊りした若い女性が見つかったのだ。
    しかもどういうわけか、新米の真子と高藤がペアを組むことになる。
    首吊りで自殺かと思われた女性に、他殺の疑いが出てきた。
    疑われたのは、別邸の持ち主の社長だった。
    しかし、これといった証拠もないままだったが、別の容疑者が浮上してきたことで、事態は思わぬ方向へ向かう。
    一体、首吊りで見つかった女性に何があったのか、そしてそこから見えてきた過去の事件。
    真相までの道のり、真子の強い思いが伝わってくる。

    2023.4.9

  • ここまでコテコテの京言葉は日常では聞かへんし
    笑かしてんのか?と思うような言い回しに集中できひんかった

  • もっと主人公にスポットをあてる描写があったほうが、入り込めたかな。京都弁、龍馬、高藤、どれもなんか中途半端な印象でした。
    唯一のポイントは山本兄と主人公の執念。この一言に尽きます。

    余談ですが
    京都弁より博多弁のほうが好きです。

  • う~ん。
    確かに展開は面白い。
    京都の風情や
    坂本竜馬についてなど
    サイドメニューにも興味を引かれた。

    時限・・・時効の事ね。
    今は殺人などで時効は撤廃されたので(確か)
    物語が成立しないが、
    犯人って「時効成立」の瞬間以降
    こんなにペラペラ話すのかねぇ~
    しかし、お陰で最後がスッキリ。

    キャリアの高野
    (出演は少なかったが)
    が冷静沈着で
    決断力があってかっこよかったので
    ★は1個おまけ。

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著者プロフィール

鏑木 蓮(かぶらき・れん)
1961年京都府生まれ。広告代理店などを経て、92年にコピーライターとして独立する。2004年に短編ミステリー「黒い鶴」で第1回立教・池袋ふくろう文芸賞を、06年に『東京ダモイ』で第52回江戸川乱歩賞を受賞。『時限』『炎罪』と続く「片岡真子」シリーズや『思い出探偵』『ねじれた過去』『沈黙の詩』と続く「京都思い出探偵ファイル」シリーズ、『ながれたりげにながれたり』『山ねこ裁判』と続く「イーハトーブ探偵 賢治の推理手帳」シリーズ、『見えない轍』『見えない階』と続く「診療内科医・本宮慶太郎の事件カルテ」シリーズの他、『白砂』『残心』『疑薬』『水葬』など著書多数。

「2022年 『見習医ワトソンの追究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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