ゼロの王国(上) (講談社文庫)

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著者 : 鹿島田真希
  • 講談社 (2012年6月15日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062772730

ゼロの王国(上) (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

  • 滑稽なまでに心の清い青年。
    不幸になりたいと結婚に踏み切る女性。
    富豪から贈られた一億円を燃やす美女。
    無意識に愚図な女性を好む青年医師。
    すれ違うひとつの恋が、人々の心をあばいてゆく。

  • 吉田青年の純粋さは罪か救いか。
    その答えはまだ出ない。
    絶望しかない世界であることを絵画であれ人であれ共感することで救われることはある。
    しかし、その一方で誰しも自分自身を誰よりも憎んでいて誰よりも大好きな思いを持っている。
    その不安定さの中で純粋さは人間を救ってくれるのかはわからない。

  • Holy foolishness has been a motif in Kashimada's work since her 1998 debut. A devout Orthodox Church member married to a missionary, she is captivated by the church's aesthetic of humbleness, and has challenged herself by creating her ideal yurodivy -- an archetypal trickster who acts in seemingly innocent ways while concealing a darker truth. She often takes ideas and styles from her favorite authors of Western classic literature, recasting the plots and placing her stories in Japan.
    In this story, Prince Myshkin, the protagonist of Fyodor Dostoyevsky's The Idiot, resurfaces in modern Japan.

  • これは賛否が分かれそう。
    ストーリーの進行はほとんど登場人物たちの会話に委ねられ、地の文が極端に少ない。一人ひとりの発言はいちいち長く、言葉遣いも語る内容もなかなか非現実的。
    よって、良いのか悪いのか判断しかねたまま、なんだかジェットコースターのように一気に読まされてしまった。読めているのだから嫌いではないんだろう。
    ストーリーを楽しむというよりも、作者の伝えたい事柄が直接登場人物の口から語られているという印象だな。間接話法じゃなくて直接話法というか(イメージ)。

    やや引っかかったのは瞬という人物。いつも登場に違和感があるというか、物語における役割としての「説明する人」っぽさが出てしまっているのかな。
    とりあえず、下巻を読まねば。

  • まだ決断を下すには早すぎる。

  • 鹿 島 田 文 学 た ま ん な い ! !

    もーなんだよー、なんだろこれー(誰か救心をくれ
    感想とかもうほんとまったく上手く言えないけれど、とにかく上巻の時点でどっぷり。
    特にユキさんに一番感情移入して、吉田青年が滑稽ぶりを発揮すればするほど頭おかしくなってきて自殺したくなってくる感じで白目剥いて昇天しまくった。

    大体、もー、「やせ我慢が、性愛的な悦び」だの「やせ我慢が二人(ユキとエリ)にとって性行為」だの、この言葉の選びよう……!(笑
    爆笑したった。なんてこの女性二人を端的に表す言葉なんだ!

    それからユキさん(エリさんもだけど)の、愛されたい、愛して欲しいがために偽悪的というか、自分を悪く見せるところ、そうすることでしか愛を表現できない幼さと、一方でただ身にしみついてしまってる不幸っぷりに対して、吉田青年が「あなたは現代の女神だ!」だの「謙遜が自己卑下の極致にまで至っている!」だの言いやがった(笑)瞬間、思わずソファに倒れ込んでしもうた。
    吉田青年という男を生んだ鹿島田さんに拍手喝采浴びせたい(うざい

    しかし、この男、矛盾だらけのように感じるのにちっともその矛盾が見つけられない。
    潔癖なのかと思えばそうではないし、では純粋なだけかと思えばそういうのとも違う。
    ただ「恋や愛を知らない」というだけが突出した特徴から、なんでこんな人間生み出せるんだろう……!
    鹿島田真希……ほんと恐ろしい子……!

  • これは読むのに忍耐が必要な本。
    何故なら、下巻にも書いてあったけど、今時洋書をそのまま翻訳した様な書き方の本は見た事がないから。
    主人公を初めとする台詞の長い事、長い事!
    人を選ぶ本だと思うけれど、読書への忍耐力がつく本だとは思うので読書力(忍耐力)を付けたい人にはお勧めしたい。

  • どれだけつまらないかは他のレビューでさんざん言われており、ほぼ同意。読む価値なし。

  • まったく波長が合わないまま上巻を終了。。下巻を読む気力を掻き集めねば。。

  • 最後まで読めなかった。

  • 主人公の滑稽なまでに心が清く純粋なことに、ただただ驚いた。
    彼を取り巻く人物たちが、ひどく屈折して見えてしまう。だけれども、彼らの方が一般的とされる感情、思念を持つ人種のような気もします。
    純粋で鈍感なことは、ここまでいくと罪だと思った。
    人間の愛は、清いだけじゃなくドロドロとした穢らわしさもある。
    それは、仕方のない真実です。

    会話の多い文体は慣れないですが、テンポよく読めました。

  • ほぼ会話文だけかつ独特な文体でおもしろかったけど上巻だけでおなかいっぱいになった。

  • まだ半分しか読んでませんが、恋だの死だのが自分にはとても贅沢すぎると思ってる、友達みんなにすすめたい。

  • 登場人物は皆一様に芝居懸かった(丁度翻訳された海外文学の)ような話し方をするし、異様に長い会話がひたすらと(長い時は40頁近くも延々と)続くし、その上物語の展開における起伏に乏しい。小説としてこれだけ退屈しそうな要素を持ちながら、読みすすめてみると面白いのだ。
    どこに面白さがあるのか。
    読み手は往々にして、地の文すなわち小説の会話以外の部分の独白であったり、情景描写といったところで話の筋や登場人物像を捉える。地の文の圧倒的に少ないこの小説は、ほぼ会話だけでそれらをかなえる。そういった会話センスや新たな可能性に面白さを感じたのではないかと思った。
    ちなみにドフトエフスキーの『白痴』にインスピレーションを受けた著作だそう。主人公がまさに。

  •  「現代日本のドストエフスキー」…と思って読んでいたら、どうやらドストエフスキー『白痴』を下敷きにした小説らしい。面白い!

  • 何これ!
    喜劇?悲劇?舞台!?
    これ今までの私なら絶対読めなかったよ!
    われらが吉田青年はどこへ行くの?
    下巻へ。

  • 評価分かれる本でしょうね。
    今の気分に読みたい本ではなかったので、イマイチこの本の思想世界に浸れなかったです。残念ながら。

  • 台詞が多いと読みやすいかと思って買ったこちら。
    とんでもない!
    さすがにこの論調にはなっていません、今のところ。

  • 芥川賞にいま最も近い作家という、この帯につられて購入した一冊。

  • スペイン旅行の出発前に成田空港で購入。ローマまでの飛行機で読了。

    芥川賞に最も近い、という帯の文句とカバーに惹かれたのだが、予想外の内容だった。

    小説というより、舞台。ひたすら少人数での思想の議論であり、それが場を変えて繰り返されて上巻終了。

    不思議で評価に困る作品だ。議論は一つのテーマに集約されているようなので、議論を通して読者にもそれを考えさせたいのか。

    下巻も同時購入したので読んでみよう。

  • 会話に次ぐ会話劇。こんなに地の文が少ない小説は初めてかもしれない。戯曲のようなセリフ回しは突拍子もないが、不思議なテンポを醸し出している。
    キリスト教的な聖人君子の主人公がどんな結末を迎えるのか下巻を読んでみたいと思う。

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ゼロの王国(上) (講談社文庫)の作品紹介

宛名書きのアルバイトで生計を立てる吉田青年は、滑稽なまでに心が清く純粋だ。ある日彼は、人々から軽蔑されたいと願う美少女・佐藤ユキに出会う。ユキは不幸になるため、美しく穏やかな青年医師・小森谷からのプロポーズを受けるのだと吉田青年に話す。ひとつの恋のすれ違いが生む、めくるめく会話劇。

ゼロの王国(上) (講談社文庫)のKindle版

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