影法師 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062772839

感想・レビュー・書評

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  • 自分の何を犠牲にしてでも守りたい相手がいる人というのは、こんなにも強くなるのかと驚いた。
    彦四郎の、いつ何時も迷いのない生き方、潔さがかっこいいし、それに答えるようにして生きた勘一もまぶしい。

  • 友人は一体どうして不遇の死をとげたのか。
    それを知りたい男の、過去の思い出と、今。

    皆からも一目置かれていた友人が
    何故あんな事件を起こして、ああなったのか。
    そんな謎から話は始まっていました。
    主人公たる男の過去から、今になるまで。
    そして、その影には…。

    まさに題名通りの事があり、主人公はここにいる。
    真相が分かるにつれ、何という男なのか、と
    驚きと感動が広がっていきます。
    けれどそれは、文庫本の袋とじを開けた時
    さらなる驚きと、今まで通過してきた過去のやり取りの
    他愛無い話と思っていた台詞が重要になってきました。

    確かに、彼は貫き通しました。
    幸せに暮らしていく事を、想いを、全てを。
    まさか、話すべてが『ついで』になろうとは…。

  • 「刎頚の友」この小説で初めて知った言葉
    友情、という言葉では軽すぎて、もはや運命共同体のような感じ
    影法師のごとく、日の目を浴びることなく、陰から勘一の成功を命がけでサポートしていく彦四郎
    正直、そこまで自己犠牲してまで他人のために尽くせるのかと思ったけど、生まれた家の身分、長男か次男かなど環境によってその後の社会地位が大きく左右される時代の中だったからこそ、自分の信念、夢や希望を自分自身の人生で叶えることはできないと早々に悟り、勘一に、全てを託したのかなぁ
    武士道を貫く、義を貫くを地で生きている人々の姿はカッコいいなぁと思った
    難しい漢字が多かったけど、サクサク読めた!!
    場面が鮮やかに想像できて展開にワクワクした

  • 最後の真実を知った瞬間(TT)
    彦四朗いいやつすぎる(TT)
    男の友情、武士道カッコいいけどその背景には理不尽な政治背景、倫理観がある
    この時代に比べて今の時代は生きるって楽だな…
    一度失敗したら挽回のチャンスが一生来ず最悪の場合切腹なんて…
    生きることにこんな貪欲で葛藤してる主人公達に魅力を感じない訳がない

  • 久々の時代小説♡
    ‎私は作家の人間性と作品を切り分けて考えられるので、百田尚樹も全然読みます٩(^‿^)۶

    時代小説の多くがそうであるように中年男性のロマンティシズムの極致のような作品。百田さんはこういうのを書かせると本当に上手くて面白い!

    武士も貴族もそれなりの階級(お金持ち)になると執事を雇ったり、槍持ちや中間を雇わなくては体面が保てないという、自然と雇用を産む仕組みになってるんだよねぇ。

  • 人のために生きる。は
    人の役に立ちたい、とは違う。

    人のために耐えられるか、人のために孤独になれるか、人のために人を打てるか、人のために死ねるか。

    人のためになること、それ以外に何も望まないか。

    こんなことが出来るとき、その「人」はこんなことを許さない。感謝を求めてはいけない。

    ある人の人生の影になる。

    これしかなかった。のか、これでいい。なのか。
    決意は自分の中にある。

    自分に置き換えられるとは思えない、おもえないけど、自分にその時が来たとしたら、
    決意の瞬間をためらいたくはない。

  • 「影法師」として生きた彦四郎の生き様に心を打たれた。

    彦四郎が命をかけてでも守りたかったのは、他でもなくそれが勘一であったからだろう。決して恵まれた境遇ではないが、ひたむきに努力を重ねた勘一。

    誰にだって大切な人はいる。だが、彦四郎のように、自分が犠牲になってもその人の幸せを願うことができる人間はなかなかいないだろう。

    勘一と交わした「侍として死のう」という契りを立派に果たした彦四郎。彦四郎ほどの侍はいないであろう。

    久々に本を読んだが、読んで正解だった

  • 深く深く感動。
    今は、言葉が浮かばない。

  • 時代小説好きとしては、百田さんの時代ものということで期待大で読み始めた。藤沢さんぽいな…と思いつつラストまで読み進めると、藤沢さんに勝るとも劣らない名作だった。私の中では永遠の0超え。
    男の友情という言葉では言い尽くせないほどの深いお話。彦四郎が素晴らしすぎて泣けた。
    袋とじは賛否両論あるが、個人的にはあり。彦四郎にとっては、勘一も、みねも、同じくらい大事だったんだと思う。私がみねだったとしても、勘一も素晴らしい人だけど、やっぱり彦四郎でしょう。
    もし終章がなければ、護るという約束がそこまでつながっていたとは気付けなかった。物語に厚みが増したと思う。
    今まで読んだ本の中でもベスト5に入るくらい好きな本。たくさんの人に読んで欲しい。百田さんの本はまだ3作目なので、全て読破することに決定!

  • 本オチ自体は想像がつくのだが、それでも先が気になってどんどん読めるし、分かってても涙が出てくる。本来取っつきにくいはずの時代物をここまで分かりやすく書けるのもさすが。やはり文章が上手い。
    3対1のところにちょっと無理がある気もするけれど(そこのせいで予想された結末が実は違うのでは、と考えるようになるのである意味狙ってる可能性はある)、ほかは上手く組み立てられている。
    文庫版付録の裏オチについては、なるほどな、という感じでこれもありだと思う。どういう経緯でこういう裏オチ扱いになったのかは気になるな

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著者プロフィール



「2022年 『橋下徹の研究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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