影法師 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062772839

感想・レビュー・書評

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  • 現代版やとちょっとくさそうやけどまあ武士やからってゆうのであるんかなっていうお話
    ただ最後の終章は余計感があった

  • たった一人の友だちの為に、そこまでできる彦四郎を眩しく、悲しく思う。私とは全然違う。


  • 江戸時代に下級武士から筆頭家老まで上り詰めた戸田勘一こと名倉彰蔵とその影法師(奉仕?)となった竹馬の友、磯貝彦四郎の話。頭脳明晰で剣の達人であった彦四郎が不遇の死を遂げた理由を、幼少期から勘一の立身出世とともに語られていく。彦四郎は中級武士であるものの嫡男ではなく、剣や学など功績を上げて養子などに取られなければ、一生嫁もとれず離れ暮らしとなる状況。新田を作りたい勘一の夢のため、切腹を免れない直訴を止め、敵撃ちの任務で自分は犠牲になりながらも勘一に功を立てさせる。その後、彦四郎の幼馴染であったみねを嫁にとった勘一が江戸に行く際の追手を、脱藩してまで密かに彦次郎が助けるなど陰ながら勘一を支えていた。最期にそれに気づいた勘一。彦四郎の想いが偲ばれ心を動かされる話。一方で、勘一も正義感にあふれ有能。農政を司る郡奉行に入り農地を歩き回る。検地帳通りでない田と黙認、心付けの話で、世の中はすべてがきれいごとでは済まされず、あるゆることが規則と法で縛られたら物事は進まない。青年期に習得した虫籠制作の技術を、その後、下級武士から希望者を募って分業制手工業を成り立たせ、金を作りだすなど経営者の一面もある。
    物語として非常に面白い一方で、熱い友情や使命もよいが、彦四郎の奉仕が多すぎて報われもせず、少し哀しいとも感じる。彦次郎の最期の名倉新田を高台から眺めていたあたり若干救いがあるが、このような人の全てを見抜けた行動を勘一がとれていたらよいのだろうがなかなか難しい。

  • 父の推薦。後半彦四郎の行動が明かされる。その生きざまに感動。大きな夢を持つ親友のために陰でどこまでも支え続けた勇気に涙した。

  • 江戸時代の男二人の暑い友情物語。彦四郎が影武者となって、主人公の勘一を支えている。それがわかるのが、40年もたって彦四郎が亡くなった後。こんな生き方ありか。。?というほどにできた人。そして二人の友情に心を捕まれる作品

  • 自分の人生の全てを懸けて誰かを護るというのはこういうことなんだと思った。国中の者に蔑まれ貧しい暮らしの中で死んでいったことを思うとやりきれない。最後に勘一が彦四郎の想いを理解したことが救いだった。まさに影法師。

  • P27
     世の中にはすべて裏と表がある。学問にもまた裏と表がある。せっかく学んだ学問が世のため人のために生かされず、ただ己の知識のためだけにあるとしたら、つまるところ手慰みと同じではないか。

  • 彦四郎の身に本当は何が起きたのか、その謎が知りたくてイッキ読み。

    読み終わったあと「影法師」というタイトルからしばらく目が離せなかった。なぜか私が藩校での日々を思い返さずにはいられなかった。

    袋とじは…読まなければ良かった。みねがそこまで出来た女だと初めから思えなかっただけに。残念。

  • うーん、さすがに泣かせるお話だった!
    架空の藩での江戸時代の武士同士の友情のお話。

    彦四郎の男っぷりにただただ感心したのだが・・・

    なぜそこまで熱い友情につながっていくのか?というのが私も日本人なので、ちょっと疑問であるかも笑 中国の歴史本をよく読むので、実は友情の類の話は中国人や欧米人のほうが心から共感できるのかもしれない。それくらい中国では横のつながりが強い。刎頚の交わりというのがそもそも中国の戦国時代の故事だし。

    当時の武士は縦のつながりが大変すぎて、友情話はそんなになかったんだろうなーなんて読みながら思ってしまった。
    (友情という概念は明治時代からできたと司馬先生は言っていた苦笑)

  • "Where there's a will, there's a way."
    意思あるところに道あり、とはE・リンカーンの有名な言葉ですが、主人公の志に触れ、道を助けてくれる周囲の人々は、一人一人が濃いキャラクターを持っていて、それでいて男女に関わらず武士道精神を生活の中で全うしようとする厳かさがある。この世界観にどっぷり浸かってしまいました。
    他の百田作品同様、シンプルで端的な文体も手伝い、のめり込んで本を繰る手が止まらなくなる。

    ラストの方で、タイトルの意味にピンときたとき…思わず胸にじーんと熱いものが込み上げてきました…後味もよし!

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「2022年 『橋下徹の研究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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