ロンバルディア遠景 (講談社文庫)

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  • 講談社
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本棚登録 : 62
感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062772914

感想・レビュー・書評

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  • 友だちから「美少年が出てくるよ」と言われて読んだ。むずかしかった。
    小説読んでてこんなに「気持ち悪い」と思ったことがなくて、生理的に受け付けない一歩手前のものだった。それが意図して書かれてるんだから、すごいよなあ。
    最後の篤の短い小説みたいなの、ほんとぞっとするほど気持ち悪かった。

  • なにこれすごい、すごすぎる。まったく理解できないよ。グロテスクで強迫的で汚らしい。特にラストの辺りからもうゾワゾワゾワゾワ鳥肌が立ってきて気色悪くて仕方が無い。でも美しい文章のお陰でスイスイ読める、圧倒され呑み込まれて悪酔いしてしまう。表現することが生きること? 汚い糞が自分の中に詰まって死にそうだから、排泄=表現しなければ生きられない? でも排泄物は出しちまった瞬間に自分の一部ではなくなっちゃうから、結局何も排泄できなくてすぐにまた苦悶することになる? ひとまずいつか必ず再読したい。

  • ふうっ‥とまずは深呼吸。息を詰めて読み通した。意識の緻密なビジュアル化に圧倒。増殖し凸凹するグロテスクな表層はやがて客体となり細密な紋様をめぐらせた平らかな遠景となり俯瞰される。そのおぞましさといったら‥。絶句。再読するにもかなりの覚悟を要するだろう。しかし…書くことに囚われた小説家の一途さに強く惹かれる。これからどこへ向かい、どう挑むのだろう。追い続けたい。

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著者プロフィール

諏訪 哲史(すわ・てつし):1969年、愛知県生まれ。作家。國學院大學文学部で種村季弘に学ぶ。「アサッテの人」で群像新人文学賞・芥川賞を受賞。『種村季弘傑作撰Ⅰ・Ⅱ』(国書刊行会)を編む。

「2024年 『種村季弘コレクション 驚異の函』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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