猫間地獄のわらべ歌 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 256
感想 : 45
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062773133

作品紹介・あらすじ

江戸の下屋敷におわす藩主の愛妾和泉ノ方。閉ざされた書物蔵で御広敷番が絶命した。不祥事をおそれ和泉ノ方は"密室破り"を我らに命じる。一方、利権を握る銀山奉行の横暴に手を焼く国許では、ぶきみなわらべ歌どおりに殺しが続くと囁かれ!?大胆不敵なミステリ時代小説。文庫書下ろし。

感想・レビュー・書評

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  • 時代小説とバカミス、メタミスを融合した変な小説。
    密室を偽造する話、わらべ歌の見立殺人、館ものの屋形船(これ他のバカミスでもあったなぁ)、そしてアレです。
    アンフェアだと怒る人、楽しめる人がいるかと思いますが、第三章の後、とんでもなく変なタイミングで「読者への挑戦状」が入るのが最高に笑えます。
    そして、第四章は「違う違うそうじゃない、それはそういうふうに使うものじゃないー」と始まるのです。伝わりにくいけど、ここが最高なのです。

  • 色々入ってる

    密室、見立て、叙述

    だが、それがいい

  • 時代物ミステリということで、ホラー寄りのタイトルといい多いに期待していたのです。
    いやぁ、ホントいい本でした。
    ネタバレ何も触れずに感想書くのは非常に難しいから、ちょっといつもと違うの読もうかなって時におすすめしたい。
    ホント良くできてるんです。

  • 賛否両論あるようですが私は楽しめました。

    似たようなオチの「葉桜〜」より、最後の最後までオチも分かりませんでした。細かい所に粗さは感じますが、社会正義のために頑張る藩士に好感が持て読後感も悪くありません。

    「上州〜」も読んでみよう。

  • 時代小説にまさかのガチガチ本格ミステリーがはいってくるとは!嬉しいかぎり!!
    この質でたくさん書いてほしいですね〜

    ぜひ〜

  • "バカミス"との評価が高い作品だが、なんかそこまでバカじゃないような...
    「川が逆流する」という自然現象を使ったトリック、そして紐を括り付ける柱となる船を動かすというトリック、どちらも悪くはないが、"バカミス"というほどの突き抜ける意外さはなかったかな。
    中盤で明かされる語り手が犯人という事実、そしてそれを著者自身が正当化するメタ的構造は割と好みだった。

  • タイトルのセンス無さは如何ともし難いが。
    ミステリーじゃなくて時代小説だから…と涼しい顔で"アクロイド"やってるけど、密室殺人に見立て殺人ときて、それは通らないでしょう~しかもメタ。でも「時代小説のメタ」って、司馬遼太郎の語りも考えてみればそうだから、そもそもアリなのよね。

    ま、"とりかえばや"はモヤイ結びのところでバレる仕掛けだけど、「内侍之佑」=「典侍」だし、「女の御使番もいる」って明記されてたのに気付かなかったのが不覚。

  • 時代ものでわらべ歌の見立て殺人あり、密室トリックあり、どんでん返しあり、そして時々メタいユーモア・ミステリでもある。1冊でてんこ盛りな面白さだった。

  • そもそも密室で死んだ男を殺人として証明しろ、という初っ端の展開が笑えます。でもちゃんと時代小説でちゃんと本格ミステリで…だけど途中であら!これ好き♪のメタ展開。そこでのやり取りがまた楽しいのです。他にも見立てとか館とかアリバイとかぎゅうぎゅうと詰まってます。そして最後にダメ押しが来て力が抜けました。言われてみればあれもこれも伏線じゃないか。落ち着く先がそれとは、絶対誰も思わないでしょう。壁投げ本?いやいや本格好きな私ですが十分楽しみました。

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著者プロフィール

一九六八年、栃木県生まれ。武蔵野美術大学造形学部卒業。テレビ局嘱託職員を経た後、CM製作会社勤務。イラストレーターとして広告に挿絵などを描いていたが、一九九五年、フリーライターに転じ、実録物など、数多くの媒体で活躍。二〇〇八年「天下御免の信十郎」シリーズで、時代小説作家として文壇デビュー。人気を博す。

「2021年 『騎虎の将 太田道灌下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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