SPEEDBOY! (講談社文庫)

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著者 : 舞城王太郎
  • 講談社 (2012年7月13日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062773140

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SPEEDBOY! (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

  • 「成雄シリーズ」のひとつ。
    うん。相変わらず意味が分かりません。
    シリーズの中では「山ん中の獅見朋成雄」が一番好きです。

  • 私はあまり本を読むわけではありませんが、
    舞城王太郎ほど感覚の言語化が鮮やかな作家を知りません。

    世界は壁だらけでぐにゃぐにゃしていて、
    それを越えるために他の作家が言葉や世界をこねくり回してあっちゃこっちゃぐるぐるしている間に舞城王太郎はジェットエンジンを持って飛んでいってしまう。
    でも操作がうまくないからよく墜落している。

    この作品は、まさに舞城王太郎といったもので、
    とにかくストイックに、走るスピードを追求しつづけている。
    しかしなぜかこの社会においては、足の速さと走るスピードは比例しない。それは周りの念が邪魔をするから。
    とにかく常識だとかルールなんていうものは、こと早く走ることに対しては邪魔しかしない。周りに群れる大多数の凡庸の平均値だからね。

    それに対する煩わしさの描写が実にすばらしい。
    もしかすると舞城王太郎はものすごいスピードで走り続けて地球の接線方向に飛び出したまま宇宙の彼方へ飛び去るのではないだろうか。


    (ミステリー作家ではないかという意見もあるだろうけど)
    舞城王太郎はどちらかというと純文学作家というよりも詩人のように見える。
    鮮やかに描いて、たどたどしく物語る。

    あまりにも描写が鮮やかだっただけに、ラストのまずさが異常に際立ってしまう。
    スピードを上げて上げて上げて、なんでその先に目的地があるのだろうか?否定したはずの異物の存在をなんで認めてしまうのか?
    この、最後には必ず鮮やかな世界に取り残される消化不良感もいつもの舞城王太郎です。
    それとも、このラストのちゃぶ台返しまで含めてすべてが一本筋の通った意図なのだろうか。

    いずれにしても、世界がどう広がろうと私には絶対に手の届かないところに到達している作家であろうことは間違いありません。
    そして、そう思わせてくれるのは舞城王太郎だけなのです。

  • 本全体を貫く疾走感を感じた
    収録作はどれも厳密に言えば独立した物語である
    だが、登場人物が同じだったり共通点があったりで、読んでいる最中はまるで繋がりがあるように錯覚する、あるいは疑心を抱く
    そして、1作目の強烈な疾走、読者をも置き去りにしかねない疾走
    そういった、強烈な出だしと繋がっているような感覚がいい意味で頭を麻痺させてくれ、たっぷり舞城世界を堪能出来た
    ちゃんとラストは、全体を包括するような(ように見える)物語で、疾走の流れも向きもそのままに幕を閉じる
    それもまた悪くはない

  • 2017年2月19日読了。
    2017年26冊目。

  • 「山ん中の獅見朋成雄」と設定は共通している部分が多いものの、キャラクターの印象も異なり、世界観も違う。ただ、この作品でも倫理観を飛び越えてしまう成雄くんが描かれている。前作よりもその超越感はより顕著になっており、それは彼の能力がよりわかりやすい形で表現されているためだろう。
    また、前作では彼自身が異様な世界(社会)に飛び込む展開だったが、こちらは逆で、日常的な世界で彼の異様な能力が浮き彫りにされている。同じような能力の仲間はいるものの、その中でも成雄くんの自我は一線を越えそうなのは、彼が他者の存在を必要としないためだろう。

    それでも最後の最後ではやはり他者とのコミュニケーションを求めるし、だからこそコミュニケーションの難しさにぶつかる成雄くんが愛しい。彼の暗中模索は続くだろうけど、手探りの未来が待っているのも悪くない。

  • 集中力
    善悪
    背中の毛

    歯車が噛み合ってなくて、エンジンは高速で回転してるのに、タイヤは空転してあんまり進んでない感じ。

  • 漫画的表現と展開とテンションで描くなんだかよくわからない疾走。まあまあ面白い。

  • なるおシリーズすき!

  • 少し前に福井で九十九橋を見かけたため
    久しぶりに舞城氏が読みたくなった
    相変わらずのぶっ飛んだ限界超過っぷり
    その横にいる透明感のある女子も健在

    確かに限界は自分および他人に
    つくられるものなのかもしれないと思い
    自分で限界を作っていた あることに
    挑戦してみることを決めた

    自己啓発本でうたっている限界超過と
    小説で見せつけられる限界超過は受け取り方が違う
    小説の方が夢見がちだけど
    案外、努力し続けるための納得度が高い気もする

  • これはまた違った趣向の成雄シリーズ。過去に遡ったりしてるのか?と思ったけどパラレルなのかな。ちょっとずつ設定は違えど、結局は同じテーマというか、同じところに導かれている感じはする。「獣の樹」でもそうだったけど、「木」とか「森」がなんだか禍々しいものとして描かれているのが印象的。それにくらべると石は神聖かな。とにかくどの成雄も人の痛みには鈍感なようでいて、女の子を守ることには熱心。

  • 初めて舞城王太郎の作品を読んだが、びっくりした。
    よく分からないのに、何故か引き込まれてしまう。
    不思議な魅力を感じた。

  • 地を這う意識のたゆたなのと、浮上していく意識の突破するのとがおもしい

  • 『線の上を走り続けるのは難しいが空中に並んだ点に順番に体当たりするのはたやすい。』
    『走るとき、僕の意識は足にはなくて胸にある。』

    『誰かの感じる限界が、他の人間に限界を作ることだってあるんじゃないのか?』

    『速く走ろうと思ったら独りにならなければならない』

    『百メートルを十五秒で走るのも十秒で走るのも三秒で走るのも、結局右左右左のキックの連続だ。』

    『誰も僕についてこれない。誰も僕に追いつけない。』
    『そんな奴らと友達になれるはずがない。』
    『孤独だからいいんだ。孤独だからこそ速くなれる。孤独だからこそ遠くまで行ける。』


    バチンッ!
    『成雄くん!』

  • 相変わらず繋がってるような繋がってないような展開。関連性はあれど一つの夢みたいに、全てが相関しながらも筋は全く通っていない。そんな幻想的な世界を面白がらせながら、そしてパズルとメッセージを読者に解かせながら、舞城ワールドは相変わらず疾走する。

    音速を超えちゃうランナーで背中に獣みたいな毛がいっぱい生えている。
    このB級な設定が、たまんないよ。

    善悪の分別とか、
    社会の圧力と強制とか、
    そしてそれに気づいてしまった後の人のブレについての話。
    純粋に一つのやり方を貫き通すとかじゃなくて、世の中は複雑だという話。
    未分化で社会の中でいう大人になりきれなかった、悪くはないけど規範からも外れてしまう人たち。

    気持ちと意志力が人間の一番強い力で、社会の常識はそれをたまに邪魔してしまうのはみなが賛同できる一方で、前者を突き詰めて後者をとことん軽んじた場合に思わぬconsequenceがある。感情とか心とか道徳とかを大事にしないと見失ってしまう。

    「なにかちょっと言ってみるのは、他人だからこそだ。様子をみたいんだ、判らないから。」

  • 薄っぺらくてとっつきやすそうな題材の割に、構成が難解だったなあ。。音速を超えちゃうような俊足のナルオくんの、あらゆる仮定の集積?みたいな。
    ひしひしと孤独なナルオくんがようやく救われるエンドは、後腐れなくさっぱりしてはいるけど、なんだか違和感。
    舞城王太郎の作品の中では、いまひとつかも…と思ったけれど、もっともっと読み込んでナルオくんの境地に近寄りたいな~と思わせるあたり、やっぱり舞城王太郎すごい。

    ヒュパパパパッ!

  • 着想の奇抜さ、意想外の展開に一気に引きずり込まれる。常人には到底図り知ることができない非日常世界。異なる7つの短編は脈絡なく重なる。微妙な重なりが心地よい錯誤と混乱を生じせしめ不思議なファンタジーをより幻想的なものにする。さしたる根拠もなく限界を作る愚かしさ、限界を作るのも自分なら、それを突き抜けるのも自分。多くのメッセージがこめられており考察を深めることができた。

  • なんだかよく分からないまま読了。成雄は一人だけじゃなくて増えてくってこと?名字があるないの意味は?再読しないとだなぁ…走ってるときの疾走感が気持ちよかったです。あと台詞も好み。楠夏が素敵。

  • 何というか、この人の文体やら想像力やらを表現するのに、なかなか適切な言葉が見つからない。敢えて言うと、自分の脳内に流れている声にならない言語にかなり近い。こういう作家が出てきたというのは「すげえこと」なんだろうなと思ってみる。

    石原慎太郎はこの人のことをクソミソに貶したらしいが、60年前に自分がどんなことを書いてたのか、顧みることが出来ないところはさすが老害。逆に言えば、この糞爺に貶されるというのは文学者として最大の賛辞といえるのではないか?

    立て続けに読むのは辛いが、間をおいてまた別の作品も読んでみたい、そう思う。

  • 他者と如何に出逢うか…設定を微妙に変えながらぐるぐると螺旋のように核心に近づいていく構成も面白い。

  • 成雄シリーズなんですねこれ。
    他の作品とか読まずにこれから入りました。

    帯の通り、
    早い、速い、全部が。

    成雄=五歳児のイメージで読んでた。
    小さい男の子が、周りが見えずにだだーっと走ってる感じ。
    自分は怖いモノがないから、前しか見えてなくても、周りはモノが倒れたり、ヒトにぶつかってたりしてるんだよ、
    だから、もうちょっと周りを観なよって感じかなあ。

    もしくは、
    一ファンの気持ちの悪い感想としては、
    作者の事なんかなあと。

    なんにしても、
    今の自分が勇気づけられた一冊(そして、面白かった)

  • 「孤独だからいいんだ。孤独だからこそ速くなれる。孤独だからこそ遠くまで行けるーーー。」

    相変わらず文章のスピード感が駿足で滑る滑る早い早い爽快感!クールワード!
    『山ん中の獅見朋成雄』、『獣の樹』とループしてる。楡?楠夏?も成雄と一緒に登場していて個人的にニヤニヤしている。作品の前後関係バラバラだけど。

    「僕が登場するまで皆が壁を破れなかったのは、それが無理だと思ってたからだ。壁を破ってみせたら、結構ついてくる人間も出てきた。人の意識は自分の身体にブレーキをかけるのだ。無理だと思えば無理になる。できると思えばできるようになる。
    では他人の意識はどうだろう?他人の意識は自分の身体にブレーキをかけるだろうか?」

    「自問にはっきりした答がでないのも当然だ。
    それを訊いている自分にも答えようとしている自分にも、いろんな自分といろんな他人がそれぞれいるのだ。
    答がこんがらがるのも仕方がない。
    何かを決めたかったら好きな子に相談するのが一番いい」

  • 成雄シリーズ。
    これはちょっとひどいなぁ。
    はちゃめちゃな話でも、もう少し丁寧に書いてほしい…。
    独特な擬音もいやに目につく。
    舞城好きだったけど、最近ちょっとついていけないなあ。

  • 今回の芥川賞候補に舞城王太郎とあるのを見てブッとんだわけだが、本作を読んでみてなるほど納得...となるわけないわな。

    背中にタテガミの生えた少年、成雄を中心としたパラレルワールドを描いた短編集。

    この成雄ちゃんが半端ねぇっス。足速すぎて音速超えちゃってるし。性格的にも人間的にも未熟でいろいろ欠落してるとこがグッとくる。

    それぞれの話は独立していて、映画のワンテイクを見せられてる感じ。
    ちゃんと終わってくれないので読み足りないこちらは悶々とするばかり。うぉー(>_<)

    あいかわらずのトンデモない疾走感に80点(100点満点)。

  • 舞城さん初めて!
    勢いがあって読みやすかったかも。
    意外と恋愛小説で、ほぉ、という感じ。
    こういう文章結構すきです。

  • 全七編の短編で構成されるお話。
    全篇を通して主人公は成雄という少年であり、登場人物も変わらない。
    しかし、パラレルワールド的な作りになっており、それぞれの話で主人公・成雄の立ち位置や他の人物との関係性はがらりとかわってくる。
    どのお話でも、成雄は一貫して「速さ」を求めて行動する。
    走って走って走って。遂には音速に到達する。
    そうして手に入れた速さで成雄は何を得たのか。

    終始荒唐無稽な世界観が展開されており、なんだこりゃと思う間もなく、主人公は次の行動に移っている。
    それはそれで面白いんだけど、七編にわけるんじゃなくて、やっぱり長編で読みたいなと思った。
    章が変わるたびに主人公の立場が変わるため、成長がわかりづらくなって全体の濃度が薄くなってしまっている。何よりテンポが悪くなっている。
    全篇通して主題のブレはないけれど、伝わりにくいと感じた。
    同じ舞城作品の成雄シリーズの「山ん中の獅見朋成雄」、「獣の樹」と比べる、とちょっと物足りないなあ。

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SPEEDBOY! (講談社文庫)の作品紹介

「孤独だからいいんだ。孤独だからこそ速くなれる」。友人、家族、町、世界、そして愛-すべてを置き去りにして鬣の生えた少年スプリンター成雄は速さの果てを追う。そこに何があった?何が見えた??-誰がいた???疾風怒涛、音速も超え、すべての枠を壊しマイジョウオウタロウの世界は、限界の向こう側へ。

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