夏を喪くす (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062773829

作品紹介・あらすじ

範子―偶然目にした詩が、自分たちを捨てた父親の記憶を呼び起こした。陽菜子―意識不明の夫の口座に毎月お金を振りこみ続けていた人物と、ついに対面を。咲子―不倫と新たな恋。病気を告知され、自分の願いがはっきりわかる。麻理子―行方不明の親友と暮らしていたNYのアパートを、7年ぶりに訪れて。―その瞬間、4人の女性は何を決意したのか? 『楽園のカンヴァス』で今年文芸界の話題をさらった女流作家の新星による、揺れ動く女性たちを描いた感動小説集。

感想・レビュー・書評

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  • うーん。つまらなかった。
    同世代の女性が描かれているが全く共感できず。

    「ごめん」のおりょうさんは好きかな。
    でもなんで10,210円なの??

  • 何かを乗り越えたその先の人生の話。大抵のことは何とかなるし、大抵のことが普通になる。大変なことをわざわざ大変って思わないように。

  • 少し前にどなたかのレビューを見て読んでみようかと思った。4つの短編からなる本。
    残念ながら、私にはあまり刺さらなかった。

    ■天国の蠅
    娘が投稿した雑誌で偶然目にした一篇の詩をきっかけに始まる少女だった頃の回想。
    あんな適当で酷い男が、あのことだけでいい父親みたいに描かれてしまうのが受入れ難い。

    ■ごめん
    事故で意識不明のまま眠り続ける夫の通帳に見つけた不審な入出金の謎。
    あんな奔放で自分勝手な女が、おあいこどころか許すほうになってしまうのが納得できない。

    ■夏を喪くす
    続けて不倫の話。『離婚する情熱すらない』夫婦の話というだけで興が乗らず。
    去年読んだ「常設展示室」でもそうだったが、なんでも病気にしなくてもという気がする。緑内障、また出て来たし。

    ■最後の晩餐
    行方不明になっている親友とかつて暮らしていたニューヨークの部屋を7年振りに訪ねた女性。
    思わせ振りな設定の中で思わせ振りなやりとりと回想。彼女が何をやりたかったか、あまりよく分からなかった。

  • 唐突に立ちはだかる壁...。その時、あなたならどうする? と問いかけられているような中短編4編。著者作品群の中では異色かな。それぞれの女性像から、今の時代を生きること、この先をどう生きるかに思いを馳せる。「天国の蠅」が好み。

  • 短編集。なんでしょう?どれも大人な女性のお話なのですが、十分過ぎるほど大人な私ですが、人生の歩んできた道が違い過ぎていて共感する部分がほとんどありませんでした(汗)こういう生き方の人や考え方の人達は強くて立派だなぁ、といった感じで、、、
    原田マハさん自身が濃厚な(?)人生を歩んでおられるんだろうな。羨ましい気持ちがあります。

  • 「天国の蠅」、「ごめん」、「夏を喪くす」、「最後の晩餐」の4つの中・短編小説が収録されていました。

    今までの原田マハ作品のような華のある、綺麗系的な内容ではなく、人間的な、孤独感のある、少し泥くさく、読者の想像に任せる的な印象を受ける作品であった。

    「夏を喪くす」の主人公・咲子は、青柳透と共同で会社経営をしていると言う設定ではあるものの、夫へのそして夫からの愛情はなく、自身は渡良瀬と不倫をしている。不倫相手がいるからこそ、いつまでも女性として扱われたいと思う意識が高く、体型を維持しファッショナブルで、かっこいいライフスタイルには、憧れてしまう。だが、それも突然割り込んできた「異物」により、不倫、結婚生活が一転してしまう(のではないかと思うだけで、小説は一転する前に終わっているので、読者の想像の世界)。加えて共同経営者の青柳から失明と言う今まで、築き上げできたワーク、ライフバランスが変化せざる得ない状況になった時に、咲子がこれからどのような考えを持って進んでいくかにとても感心がある。

  • 短編小説ってあまり好きじゃなかったけど、二度三度読み返すと、キラキラと輝いてそこにある。

    なくしたいのになくせない現実、感情、関係。同じ毎日に新しい風が吹く瞬間。

  • これって 原田マハさん2008年作 「ごめん」の文庫本版ですね。
    今から15年位前だけど 古さを全然感じない。

    今の原田マハさんとは ずいぶん違う感じがして 逆に新鮮でした。
    どの短編も 読み応えありました。

  • いつもの原田マハとは違い、ダークな感じ。苦難、挫折から乗り越える人々。再生の物語かな。不倫、浮気、癌、レイプ、W不倫、9.11、色んな描写にドキドキした(^^;;

  • 原田マハさんは大好きな作家さんのひとり。
    原田さんの本はこの本で13冊目になります。
    この本には表題作を含め、4編の作品が収められています。

    ■天国の蝿
    とても不思議なタイトル。
    範子の父との思い出。
    途中の描写がちょっと苦手な部分もあったけど、ラストはちょっとホロリ。

    ■ごめん
    結婚後も自由に恋愛を楽しむ陽奈子。
    そんな陽奈子の夫が仕事中の事故に会い…
    夫の秘密を知ってしまう陽奈子。

    ■夏を喪くす
    40歳の咲子。
    彼女もまた『ごめん』の陽奈子同様、自由奔放に生きていたのだが…
    順風満帆。
    咲子は自分自身の人生をそんなふうに思っていたのかもしれない。
    何を持って順風満帆って言うのだろう。
    それを決めるのは誰だろう。
    他人から見て?
    やっぱりそうではないよね。
    自分の人生なのだから、自分が決めるのよね。
    でも、100点満点でないと順風満帆といえない人もいれば、80点あれば良いんじゃない?と思う人もいる。
    さらには50点こえれば良いじゃない?と思う人も。
    100点満点を順風満帆と考えていると、小さなつまずきから立ち上がれなくなるのかな…
    ほどほどが良い!
    目の前の小さな灯りにぬくもりを感じられるほどに。

    ■最後の晩餐
    この作品だけ、少し異色。
    大切なものを失った悲しみはいつ癒えるのか…

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著者プロフィール

1962年東京都生まれ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部卒業。森美術館設立準備室勤務、MoMAへの派遣を経て独立。フリーのキュレーター、カルチャーライターとして活躍する。2005年『カフーを待ちわびて』で、「日本ラブストーリー大賞」を受賞し、小説家デビュー。12年『楽園のカンヴァス』で、「山本周五郎賞」を受賞。17年『リーチ先生』で、「新田次郎文学賞」を受賞する。その他著書に、『本日は、お日柄もよく』『キネマの神様』『常設展示室』『リボルバー』『黒い絵』等がある。

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