天の方舟(下) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
3.36
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本棚登録 : 99
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (327ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062773997

作品紹介・あらすじ

名栗建設の贈賄担当者・宮里一樹と裏で繋がり、異例の大抜擢で開発ラッシュに沸くベトナム駐在所長に昇りつめた七波。金も名声も得て順風満帆の彼女を、思いがけない悲劇が襲う。この非道な自分はなぜ裁かれないのか-七波は20年にわたる自らの罪と対峙する。途上国援助のダークサイドを抉る傑作長編。

感想・レビュー・書評

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  • (上下巻合わせてのレビューです。)

    数年前に買って以来、全然読めていなかった本。
    ちょっと最近、重めの本を読まないといけなかったので、
    休憩がてら小説が読みたくて手に取りました。

    ODAの闇に迫ったストーリー。
    世の中、綺麗事だけじゃないですよねというのが、
    イヤという程思い知らされます。

    個人的に好きな作家のNさんやKさん、Iさん程まではいかないものの、
    現実の実情を実によく調べ上げ、物語を紡ぎあげた小説はまさしく自分の好みのジャンル。
    もうひと押しの深みがあっても良かったとは思いますが、
    ライトに楽しめて、終盤「なるほど、そうきたか」と思わせてくれる小説です。

  • 1

  • そもそも冒頭の逮捕シーンはあからさまにミスリードが意図されているように感じるので、結末は予想の範囲内。
    蜜月の終わりから破滅へと向かうプロセスの怖さが作品の主張に繋がるはずなのに、ここの描写が不十分で、ラストも簡潔過ぎる。
    服部氏にしては珍しく締め方が甘い作品でした。

  • 130125

  • 2014/01/26読了。レビューは上巻にて。

  • 主人公にいつもほどの魅力がない。男を描く方がうまいのかも。特に恋愛関係が興醒めだった。
    ODAを題材にとった着眼点は素晴らしいが、リベートと裏金で如何に私服を肥やすかというhow to話になってしまっている感も強い。何故、が掘り下げられていない。アフリカはよくわからないが、東南アジアは何千年も昔から賄賂が当たり前であるお国柄である。捉え方が違って当然なのに、援助国基準でしか考えられていない。それは援助支援全てに渡ることで、それが人道主義に基づくものであっても、医療・技術・資金援助を真に相手国のためにすることはは本当に難しいのではないか。もっとその辺の考察も突っ込んでほしかった。

  • 途上国開発援助の闇、ODAの裏金を描いたサスペンス。文章がイマイチですがエンタテイメントとしてはまずまず。でもちょっとやりすぎかな…

  • 下巻に入り、裏金作りはエスカレート。
    こうなると気になるのはラスト。

    このまま逃げきるのか。

    ラストは予想外の展開。
    ここまでやらんでも・・・

  • ODAの金の流れ、賄賂、裏金。どれも今ひとつ突っ込んだディテールが足りない印象を受けます。

  • 2012/11/19 Amazonより届く。
    2023/9/27〜9/30

    ベトナムの近代化の大動脈となるべきキャナルウェーの工事中、名栗建設の担当部署で崩落事故が起きる。裏金作りのための手抜き工事が原因と思われ、海外での資金還流に対する規制も厳しくなる中、七波は自ら日本の警察に逮捕されるように仕向ける。七波の狙いは・・・
    最後の展開も含め、ドラマ向き。Amazon Prime とかで見られないかな。

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著者プロフィール

1961年東京都生まれ。早稲田大学教育学部卒。95年に刊行したデビュー作『龍の契り』が大きな話題となる。’97年『鷲の驕り』で吉川英治文学新人賞を受賞。以後、豊富な取材と情報量を活かしたスケールの大きな作品を発表し続けている。他の著書に『KATANA』『ポジ・スパイラル』『エクサバイト』「清談 佛々堂先生」シリーズ、『天の方舟』『深海のアトム』『夢窓』などがある。

「2020年 『令和版 全訳小説 伊勢物語 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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