十字架 (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062774413

感想・レビュー・書評

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  • 虐めが原因で自殺した少年の遺書に親友と名指し感謝された少年の言葉で語られる、「十字架」を背負わされたその後の話。

    遺書に書かれたのは、この少年の他に、虐めの中心人物二人、思いを寄せていた少女一人の名。
    自殺した少年が何を思い、遺書に四人の名をかいたかは本人しかわからないが、親友と書かれた少年と少女は、自殺した少年の事を忘れられない。

    心情を、成長した姿を、折りにに触れ思い出し、問い掛ける。答は出ることはないが…

    自殺した少年の両親の様子や心情がリアルに伝わり、苦しい。

    十字架を「背負わされた」から「背負っていく」覚悟まで人はどれだけの道程が必要なのだろうか…

  • フジシュンが書いた遺書で人生が変わってしまったユウとサユ、なぜか遺書に名前を書かれなかった堺。
    フジシュンの遺書によって、重い十字架を背負わされたユウとサユは何年たってもフジシュンの事は忘れることはできない―

    遺書に名前をかかれなければ、二人も皆とクラスの子とおなじだけの悲しみですんだはずなのに…

    数年たってそんなこともあったなーくらいだったのに、

    なぜフジシュンがあんな遺書を残して死んでしまったのかは、誰も知ることはできない。

    よりによって自分の誕生日がフジシュンの命日になってしまったサユは気の毒だった。

    誕生日がくるたびに、フジシュンの事を思いだしてしまい、自分が最後に冷たい態度をとってしまった事を、悔やんでも悔やんでも悔やみきれないほど、責任を感じてるサユ。

    その事を高校三年生の春まで、自分の胸にめてつづけていた

    サユの苦しみは、フジシュンの自殺によって生まれたものだけど、フジシュンは果して、そこまで考えて、遺書にサユの名前をかいたのだろうか、いや多分ここまでは考えてはいないだろう…

    この小説で久しぶりにいじめについて考えた
    最近では大津の事件だったりあったけど、いじめはいつの時代もなくならない…

  • オチはまあまあだったけど、出てくる大人の理不尽さと身勝手さで共感できなかった。賞を受けるような内容かというのが
    正直なところ。

  • 表紙の雰囲気とは反して激重。

  • SNSがなくてよかったね

  • いじめを知りながら助けなかった子たちは同罪なのか?と疑問に思った
    友達なら助けたいと思うけど、友達じゃないただのクラスメートのことを助けたいとは思えない

  • 秀作。
    作者らしい、少年から成人にいたる葛藤。
    つらい話。でも、誰にも起こりうる。モデルになった事象があったのだろうか。
    歳を重ねたら、人は変わる。過去にしがみついてはいけない。

  • 小説をほとんど読まない私の感想としては、あんまり面白くなかった。
    刺激的な登場人物だったり、大どんでん返し、ストーリーとしての強度を小説に求めてしまう身としては、大きな起伏もなくスゥーっと流れる物語に退屈さえ感じてしまった。

  • 「いじめ」の傍観者と被害者の親という不思議な関係だった。子供を亡くした親は、それでも生きなければやらないけど、どうしても立ち止まってしまうことがよくわかる本だった。また、苦しみ続けることは難しいと感じた。どうしてもある時点で「もういいか」となりがちだからだ。話は飛ぶが、この話の中でのジャーナリスト(ライター?)の立ち位置がよく分からなかった。仕事で関わってはいるが、当事者ではないことが変な感じがした。

  • 途中で挫折

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著者プロフィール

重松清
1963年岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。91年『ビフォア・ラン』でデビュー。99年『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞、2001年『ビタミンF』で直木三十五賞、10年『十字架』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『流星ワゴン』『疾走』『その日のまえに』『カシオペアの丘で』『とんび』『ステップ』『きみ去りしのち』『峠うどん物語』など多数。

「2023年 『カモナマイハウス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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