アイビー・ハウス (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 43
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062774871

作品紹介・あらすじ

夕食会を開く週末、傷ついた小鳥を看病した嵐の夜、日々の何気ない会話。共同購入した蔦のからまる赤いレンガの一軒家は、ともに子どものいない若い二組の夫婦にとって幸せの象徴のはずだった。だが、名も知らぬ若い女の訪問がいつの間にか潜んでいた4人の微妙な変化を浮かび上がらせていく。

感想・レビュー・書評

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  • 原田ひ香さん初の文庫作品にして、初のオリジナル文庫作品。友人は家族になれるのか?
    人は成長する。考え方も変わる。生活の中に多様性はありなのか?むずかしい。多様性はこれからどこにいくのか
    シェアハウスっていいなあーと思っていたけど、現実を見たような気がする。

  • え、


    あのタクシーでアイビーハウスに来た女は
    何だったんだ?

  • ある一軒家で同居する二組の夫婦の話。
    よくわからないところもあって、三千円の使いかたと比べると少し物足りなさを感じた。
    大人の悩みなどの心情はよく描かれているように感じた。

  • どこまでも伸びていく蔦のように、この関係も暮らしも希望にぐんぐん満ち溢れていた。いつからだろう、絡まって外れなくなりそれでも誤魔化し続け、まだだまだ伸びるんだと。そんな風に信じていたのは誰だったか。二組の夫婦が二世帯住宅を買い、生活をシェアしていくお話。仲良い二組だが、どこか常に一線を引き、衝突するでもなく気を遣うのとも少し違う。気を張って張って最後は蔦に雁字搦めにされてしまった心境。

  • なんだかよく分らない終わり方。それに、きっかけを作った女性が、なんだったのか語られないのも、なぞが回収されない感じで気持ち悪い。

  • 原田ひ香の本だから、ということで読んだ。悪くはないが、期待していたほどでもなかった。
    思うに、登場人物が個性的すぎる。薫は普通だが、未世子は特別によく分からない人物だった。幾つも資格を持ち、おそらく有能なのに、ウェイトレスのアルバイトが大好きで、他方で夫には稼ぐ力を求めている。そして、寡黙だけど注意深い。一緒にいると疲れそうだが、それはともかく、結局彼女は何をどうしたいのか分からなかった。
    ストーリーも、流れとしては素直に楽しめるのだが、アイビー・ハウスに訪ねてきた謎の女や隆の不審な挙動など、思わせぶりなことが書かれていながら、最後までよく分からないまま放置されていて、わざとそうしているのだろうが、結局、話を盛り上げるためのネタだったのか思わざるを得なかった。
    気軽に読めるし、暇つぶしには十分楽しいのだが。

  • 二組の知り合いのカップルが、同居するアイビーハウス。最初のうちは上手くいっていたが、だんだんと合わなくなっているのに気付いた。夫婦2人でもケンカなどするのに、二組のカップルでの生活なんてとても大変であると思う。

  • わずかな違和感から不穏さがジワジワと増していく…。人を思いやるってなんだろう?結局みんな自分視点からしか考えられないよね。と思いましたマル

  • 各々の微妙な価値観のズレが最後には決定的な亀裂となってバラバラになるのが読んでいてしんどかった。しかし、その絶妙な心理描写が非常にうまい。後味の悪い終わり方だが、もしあのまま何かを誤魔化しながらアイビーハウスに住み続ける結末だったらもっと恐ろしかっただろう。価値観の多様化が進みつつあった平成後半の時代を的確に表現した作品だと思う。十年後に読んだらまた感想が変わるかもしれない。

  • 夫婦2組が同居するって、普通に考えて難しそう。そんな心配をよそに、最初は夫婦で一緒にご飯食べたり、こんな環境も良いな〜と思って読み進めるうちにそれぞれの価値観が離れていってやっぱりか、、という感じ。

    ところで、アイビーハウスを訪れた女性は一体何者だったのか、、、

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著者プロフィール

1970年神奈川県生まれ。2005年『リトルプリンセス2号』で、第34回「NHK創作ラジオドラマ大賞」を受賞。07年『はじまらないティータイム』で、第31回「すばる文学賞」受賞。他の著書に、『母親ウエスタン』『復讐屋成海慶介の事件簿』『ラジオ・ガガガ』『幸福レシピ』『一橋桐子(76)の犯罪日記』『ランチ酒』「三人屋」シリーズ等がある。

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