現代霊性論 (講談社文庫)

  • 230人登録
  • 3.80評価
    • (9)
    • (25)
    • (15)
    • (2)
    • (0)
  • 20レビュー
著者 : 内田樹 釈徹宗
  • 講談社 (2013年4月12日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062775168

現代霊性論 (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

  • 内田樹と釈徹宗が 現代の霊性(宗教性)について語った本。表紙 井上雄彦 (バカボンド 柳生石舟斎)

    命題「現代の出来事について宗教的意味を考える」
    宗教の本来的役割「宗教は この世界の外部を設定することによって 解決不能な苦悩を引き受ける」

    *占い、霊能者、スピリチャルのブーム=呪術化
    都市は 土俗の宗教性がない→呪術化がおこる→呪術化は 来世など 日常の外部を重視する→日常を軽視する→呪術に振り回される

    *靖国問題、カルト宗教
    現代人や政治家は 宗教を 利益を得るため 道具的に使う傾向があり、宗教の本来的役割と異なる
    体系のない 新興宗教は リミッターがきかない


  • 【目次】
    目次 [003-007]
    文庫版のためのまえがき(二〇一三年三月 内田樹) [011-017]

    第一章 霊って何だろう? 019
    神さまや幽霊については現象学的アヲローチが有効です/WHOによる霊性への取り組み/日本の祖霊信仰と死生観の変遷/地名と「場の力」/繁華街の多くは霊的スポット?/身体感度を鈍くする現代人

    第二章 名前は呪い? 047
    名づけることは呪うこと/霊に個性はあるのか/名前の持つ力/男女共同参画社会の欺隔/「自明の前提」を系譜的に考えてみる/「葬式をやらない」は許されない

    第三章 シャーマン、霊能者、カウンセラー ――民間宗教者のお仕事 077
    供養とは故人のふるまいを繰り返すこと/コミュニケーションの三タイプ/大衆の生活に入り込んでいた民間宗教者/名医とシャーマニズム医療

    第四章 スピリチュアル・ブームの正体 095
    都市ほど占いが流行る/宗教の本質と「魔境」/メジャー宗教の裏バージョン/「ハレ・ケ・ケガレ」の三態/「ハレの常態化」とその危険/ポスト新宗教とナショナリズム/危険な宗教の「つまみ食い」/オウム真理教はマジだからああなった

    第五章 日本の宗教性はメタ宗教にあり 129
    大本を作った出口王仁三郎/鈴木大拙が考えた霊性/コナン・ドイルとスピリチュアリズム/宗教と国家権力/シャーロック・ホームズの推理法/村上春樹の作品に見る霊的な説話/本物の哲学者は幽霊の話をする?/ポスト新宗教に影響を与えた「神智学協会」/アメリカの宗教性の変遷/ヨーガ、スピリチュァル・ケアから『死ぬ瞬間』まで/日本独自の「スピリチュアル・コンベンション」

    第六章 第三期・宗教ブーム―― 一九七五年起源説 167
    日本に三度あった宗教ブーム/カルトかどうかのチェック・ポイント/宗教が持つ三つの特徴/一九七五年という分岐点/新入社員のボーナスが五百万円だった時代/カウンセラーは信用できない/閉じた教団には要注意

    第七章 靖國問題で考える「政治と宗教」 195
    首相の靖國参拝に反対する理由/高橋哲哉と小林よしのりの共通性/死者を正しく祀らないと崇る/「死者の声が聞こえる」という傲慢/宗教を道具化する靖國問題/靖國神社に求められる覚悟/世俗と宗教を分離するイスラム/国民国家は新しい概念

    第八章 宗教の本質は儀礼にあり 221
    ユダヤ教が繋いだユダヤ人の民族性/イスラムにおける「ラマダーン」の絆/宗教と一流詐欺師の共通点/「お悔やみ」の難しさ/「共食」と「個(孤)食」

    第九章 宗教とタブー 243
    「いただきます」は宗教行為か?/「お清めの塩」の問題/生き物から食べ物への移行/儀礼が軽視されてきた近代社会/「お経はわからないから、ありがたい」場合もある/儀礼の持つ「裏の顔」/インドには泥棒のカーストがある/だんじり祭の美意識/タブーとしての「豚食」/事件は橋の上で起こっている/クロスロードは異界へのドア/起源が言えないのが儀礼

    質問の時間 278

    おわりに(釈徹宗) [322-327]
    図表「おもな新宗教・ポスト新宗教の推移」 [114-117]

  • WHOが霊性を憲章に盛り込んだ的な話は良く目にしてたけど、結局欧米の反対で否決されたっていう後日談は知らなかった。
    あとポリティカルコレクトネス的な葬儀場でのお清め塩配布無しの配慮に内田が怒ってたのに対して、浄土真宗の釈がむしろ、浄土真宗も死は穢れではないという本来の仏教の立場から塩はやめましょうとな立場という話を持ち出した所が面白かった。

  • 釈先生の議論が冴えてます。

  • 本書は二〇一〇年二月に講談社より刊行された単行本を加筆したものです。

  • 宗教だとか霊性だとかっていうのはよくわからないけど、どっかでいろんな大切なこととつながっているんやろうなぁ、ということを思った。
    このお二人が本書のなかでしゃべっていることも、人間にとってとても大切な作法のはず、なんやと思う。

  • 面白かった。
    真に宗教的な人間は宗教団体から勧誘は受けないそうである。
    宗教的であっても宗教団体に属せない人間がスピリチュアルに行くというのは本当だと思う。

    村上春樹氏が世界中で読まれていることにちょっと触れて、世界文学になるような作品は「どうすればいいかわからないときに、どうすればいいか」という難問を扱っている・・とのこと。
    へーそうなの!と単純に驚いたが、そういえばそうかな?
    御二方の闊達な考察に刺激を受ける。
    靖国神社の問題も、もう少し自分の中で整理してみたい。
    (本当は日本のマスコミが、毎年騒ぎたてるからややこしいことになっただけだと思うけど。)

  • 全体的に興味深く読めました。
    従来の宗教と新興宗教の考え方の違いやら、スピリチュアル系列の思想団体とか、わかりやすく話されていますね。
    思想家の方がちょっと自分の意見を押しつけ気味なところがありますが、ま、それが思想家ってことでしょうか。
    住職さんの方の話とバランスをとりながら読んで、何とか中立って感じ。
    新興宗教とかにはしるぐらいなら、こっちを読んだ方がずっと宗教的に考えられるようになるんじゃないかな。

  • ・武道では「胆力」と言うんですけど、「驚かされちゃいけない」ということを教える。「驚かされない」ための秘訣は、いつも「驚いている」ことなんです。「驚かされる」は受け身の経験だけれど、「驚く」は能動的経験でしょう。自分から進んで驚く。「へえ、こんなことがあるんだ」「これはびっくり」というふうに、説明できないことを日常化していれば、人知を超えるような経験にたまさか遭遇しても「そういうことってあるよね」で済ませることができる。

    ・「たそがれ」という言葉がありますね。もともとは「誰そ彼」から来ています。Who is he?ということですが、そこに誰かがいることはわかるのだけれど、誰であるかが特定できないという状況。だから、「逢魔が時(大禍時)」とも言う。悪魔に出会うのはそういう時間帯ですよね。昼と夜の境界線上に、この世のものかあの世のものか、私の知っている人か知らない人か、どちらかわからないもの、帰属が判然としないものが現れてくる。

    ・境界を通過すると、私たちは何か別のものになる。

    ・死ぬというのもそれと同じで、たぶん死の瞬間に「なるほど、私の人生の『あれ』は『こういうこと』を意味していたのか」と、それまでわからなかったすべての伏線の意味が明らかになるはずなんです。少なくとも、僕たちはそう信じて今生きている。そう信じなければ生きられない。そう信じていないと推理小説を読むことがができないのと同じで、だって、結末まで読んでも、犯人もわからないし、密室トリックも解明されない。「かもしれない」と思っていたら、僕たちは誰も推理小説なんか読みませんからね。「最後にすべては解明されるのであるが、その答えは私が想像していたものとはまったく違うものである」という確信だけが推理小説を読む快楽を担保している。生きる快楽を担保するのも同じ「不可知」だと思うんです。死の瞬間に「え、死ぬってこういうことだったの!」という発見が意外であれば意外であるほど、その人の人生は「出来がいい」ということになるでしょう。

    ・僕らは直線的、不可逆的に時間を進んでいって、過去はどんどん忘れられてゆくと思っているけれど、実はそうじゃない。進みながら戻ったり、全容が俯瞰できたと思ったら、視野が狭窄したり。時間は進んだり戻ったり、伸びたり縮んだりしているような気がします。だから、死というのも、そういうダイナミックな時間意識の中でとらえるべきじゃないかと思うんですよ。

  • 宗教、オカルトについて語られた対談による講義集。

    【引用】
    「悟り」のもたらす満足感は「迷い」が深ければ深いほど大きいわけだし、いつか必ず「悟り」に達するという確証がなければだれも「迷い」さえしないですよ。
     ~内田樹

  • むらいさんにお借りしました。内田先生と浄土真宗のお坊さん・釈徹宗さんが大学で行った講義を本にしたもの。
    霊性、スピリチュアリティというのをキーワードに、現代の各宗教について、日常にある占いや「いただきます」といった行為が持つ宗教的(霊的?)意味について考察。靖国とか、オウムとか、話題が幅広。現代宗教の体系図も。おもしろいです。

    印象に残ったのは・・・
    ・「賢しらに」宗教性を否定することの憎たらしさ(「無宗教葬」の傲慢さ、六曜入りカレンダーと安息日としての日曜日、女人禁制の山と性同一性障害)
    ・「自分」「自己」が確立するほど幸せを感じづらくなる
    ・いったん自己を潰す方法
    ・イヤホンは都会で暮らしていく上であえて感覚を鈍らせるツール
    (さわ)

  • 坊さん(釈 徹宗氏)の話は非常に奥深いと感じる一方、対談相手の話に妙なクセがある。このクセは前にどこかで遭遇したような、と思ったら「下流志向」の人でした。

  • いや~面白かった。

    今まで対談の類はたくさん読んできたけど、これほど対談の素晴らしさを伝えている本はないような気がする。

    内田氏に関してはすごいことは知っている。ただ、今回の発見は相手役の釈氏である。ここまで内田氏相手に話せる人はいないんじゃないか。

    だいたい内田氏がらみの対談を読むと、ほぼみんな相手の人は内田氏のフィールドに引き込まれていく。相手の専門について話をしていても内田氏のロジックとマジックにつられてしまうのである。

    しかしこの釈氏は違った。もちろんこの対談のテーマが釈氏にとってはど真ん中ストライクのテーマだということもあろうが、内田ワールドにひきづられながらも、釈ワールドをしっかり提示しているのである。

    内田氏相手に「言ってること全然わかんないな~」みたいなことを言ってるところがあったけど、そんなこといえるのもこの人くらいなんじゃないかな~。

  • 「霊性」という言葉には、個人的に馴染みはなかったので、スピリチュアルと言った方がわかりやすい。霊、呪い、心理、宗教、など私の興味ある話題ばかりについて、碩学の著者二人がざっくばらんに話した「トークショー」を聴いた気分になれた。いい意味で「軽い」ので、「霊性ってなに?」という方は一読をお勧めする。

  • 題名とはやや違ったニュアンスの内容となっており、宗教の本質とは何かということが対談によって議論がなされている。
    本書においては、特に内田氏の議論においては、論理的であることが非常に強調されている。私自身論理的であろうと心がけている積りではあるが、まだまだ甘いということを思い知らせる、大変参考になる内容であった。
    政治家の靖国神社参拝論については、大筋は私の考えてとほぼ同じであったが、論理構成の鋭さに感心した。

  • 宗教のことをリラックスして語った本。占いも宗教なんだな〜。自然豊かな学内寮で暮らす学生は感覚回路が全開になる→自分が山登りしてる時の感覚と同じだと思った。名歯科医の話も、現在自分が歯科通いなので、なるほどな〜と感心。

  • ところで名前を付けることは、ある意味呪いをかけるのと同じだそうです。人名も襲名も役職も地名も。
    名付けはその名の意味に縛られることでもあり、実際それに悩まされるケースは少なくない。そういえば名前を書かれた人間が死ぬというデスノートってマンガがあったな。あれはだんだんルールが追加されてきて、それはそれで面白かったが、複雑になりすぎて理解するのにとても苦労した記憶があります。えっとなんの話だっけ。


    内田樹もそうだけどこういう思想家の話や哲学の本でいつも思うのは、ものごとの初期設定を疑ってかかるところに快感を覚える。

  • 読みやすく面白かった。
    占いが好きだし神社仏閣を巡るのも好き。パワースポットも好き。何でかはよくわからないけど。
    信仰について考えるのが今は面白い。

    行事ごとも好きなんだけど、そういうのも占いにはまるのと一緒で何かしらの帰属意識によるものなのかな。

  • 大学の授業の書籍化とあって、二人の熱いトークのドライブ感が気持ちよい。
    人の営みや政治・経済、歴史と深く関わる宗教の存在感が目の前に広がってくる。

  • 祝文庫化、再読予定・・・
    単行本のPRに詳しいのを載せてます、、、此方を↓
    http://booklog.jp/edit/1/4062159546

    講談社のPR
    「面白すぎる対談で明らかにされる「神さま」や「幽霊」の現代的意味。本来スピリチュアルって怪しいもんじゃありません。痛快宗教入門」

全20件中 1 - 20件を表示

現代霊性論 (講談社文庫)を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

現代霊性論 (講談社文庫)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

現代霊性論 (講談社文庫)の作品紹介

面白すぎる対談で明らかにされる「神さま」や「幽霊」の現代的意味。本来スピリチュアルって怪しいもんじゃありません。痛快宗教入門

現代霊性論 (講談社文庫)のKindle版

現代霊性論 (講談社文庫)の単行本(ソフトカバー)

ツイートする