水魑の如き沈むもの (講談社文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (768ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062775250

作品紹介・あらすじ

第10回本格ミステリ大賞に輝く刀城言耶シリーズ第5長編。奈良の山中の村、水神水魑様の儀式の最中、事件は始まった!

感想・レビュー・書評

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  • 刀城言耶シリーズ第5弾!

    今回もしてやられたぁ〜!!

    しかし!全く悔しくない、衝撃のラストです!!
    (≧∇≦)



    え〜、こちら、フレンドと推理バトルの課題本としました。

    めっちゃじっくり読みました!
    何度も何度も読み返しました!

    満を持しての犯人当ての結果は…(-∀-`; )

    …まぁ、当たらんよね笑笑


    刀城言耶に全く歯が立たず!でしたぁ。

    今回は奈良の山奥の湖で起こった殺人事件なのですが、この沈深湖には『水魑様』という神がいるそうです。

    晴天が続くと水不足となり、田んぼが枯れてしまうので、増儀と言われる雨乞いの儀式を行います。
    (逆に降りすぎたら、減儀の儀式を行う。)
    過去に2度、不審死と行方不明の事故があったという事。

    儀式を控えたある日、刀城言耶と祖父江偲が村に到着する。

    前半の、言耶と偲と阿武隈川烏とのやり取りにほんわかしました。(*´꒳​`*)~❀

    この巻まで想像していた言耶のイメージと少し印象が変わりました。(かなり良い意味で。)

    ホラー味は、少なめだったように感じます。
    物足りないという訳ではなく、程よく軽いトリハダレベル。

    ミステリー要素が強めだったような感じ。
    (当たり前か(^▽^;))

    毎度言耶の多重推理にしてやられる訳ですが、やられるのがタマラナイデス…(ღ*ˇ ˇ*)。o♡

    三津田作品、やっぱりどれを読んでも面白い!!

    超超おすすめです!!!




  • 氏の作品では「厭魅」は衝撃的だった。その時の衝撃や感動は残念ながら味わえなかった。
    ただ、横溝正史や京極堂にも通じる民俗学、怪異譚を調味料にして、本格ミステリを十二分に楽しませてくれる。

    本作は700ページオーバーの文庫本で、いささか冗長に感じた。とは言え、後半の展開は怒涛でありラストはこの手の作品としては明るい終わり方で、好感が持てた。

  • 波美地方の四つの村が舞台のホラーミステリ。毎回よくまあこんな前時代的鄙村や祀りを考えるなぁと…。
    いつものような可能性を消していく犯人探し、正直思いもよらなかったのでビックリだった。

  • 刀城言耶シリーズ第五長編。水神水魑様の儀式の最中に起こった密室殺人を皮切りに、次々と神男が殺されていく。練り上げられた舞台の設定と、それを活かした事件の真相、トリック・動機に驚愕。解決編の伏線回収も圧巻。

  • なんだこのぶっ飛んだ儀式はww…………(T^T)

    〜あらすじ〜
    水神を祀る四つの村。奇怪な雨乞いの儀式。湖上の密室殺人。神男たちは次々と……奈良の山奥、波美地方の"水魑様"を祀る四つの村で、数年ぶりに風変わりな雨乞いの儀式が行われる。儀式の日、この地を訪れていた刀城言耶の眼前で起こる不可能犯罪。今、神男連続殺人の幕が切って落とされた。ホラーとミステリの見事な融合。シリーズ集大成と言える第10回本格ミステリ大賞に輝く第五長編。

    刀城言耶シリーズ第6弾!!
    今回のシリーズ!いつもと様子がちゃう……
    いつもなら禍々しさを突っ走ってく言耶ワールド
    しかし今回は……めちゃ笑えるーーww
    その一因はなんと!今回は!まさかの!あの!
    そう!祖父江偲ちゃんが言耶に同行している!
    わぁーい!!
    この子がめちゃいい味出してる〜ww
    今までなかった和やかさ!そんな!祖父江偲ちゃんに
    拍手!!大活躍でしたww
    物語の始まりは言耶、偲ちゃん、阿武隈川烏の
    3人のやり取りから始まるのですが……めちゃ
    笑えますww偲ちゃんめちゃ阿武隈川さんを手のひらで転がしとる〜ww なんやいつもの感じと違うやんと終始和やかムード…………が!!
    皆さん!
    これは刀城言耶シリーズですよ!
    三津田信三作品ですよ!
    和やかで終わらすはずがない!!
    怖い描写ではガッツリ!背筋を凍らせて
    ゾッとさせてきます。
    油断は禁物ですぞ!!
    そしていよいよ村に、到着し、噂の水魑様の儀に
    参加するのですが…………やばい!
    とにかく!この儀式がめちゃやばい!!
    恐らく、皆さん儀式の本当の真実を知った瞬間
    口を揃えて言うでしょう………………
    『オーマイガーッッッ!!』とww
    それぐらい衝撃でした(T^T)
    そしてそれだけでは終わらせない!刀城言耶
    この儀式のどさくさに紛れての連続殺人……
    も〜〜〜う〜お腹いっぱいだよーww

    でもね!ちゃんと推理したましたよ!
    晴れの日も〜晴れの日も〜めげずに!
    そして!いざ!犯人を絞込み!
    多重解決の嵐にいざ行かん!!
    …………(´・_・`)……ハズレたぁぁぁぁぉぁww
    いやそれでも!!ラストの衝撃!!
    泣けるーーー!!
    色々思い出してきたーーー!!
    なんかめちゃかっこいい人でてくるわぁーー!!
    と言う様に余韻が凄かった……(T^T)
    かなり僕的にはめちゃ面白かった
    そして楽しめた作品でした〜!
    皆さんも是非宜しければ読んでくだされ〜

    最後に一言……「あの人の未来に幸あれ」以上!
    ww

  • 刀城言耶シリーズ最長編で最も面白いと評判が高く、本格ミステリ大賞を受賞した作品。・・・ということでとても期待していました。好きなシリーズだけに大変楽しみでした。
    が、あれれ。
    実際に蓋を開けてみると、どうも勝手が違う。たしかに面白いしよく出来ているとも思うけど、どこか薄い。どこかライト感覚なのです。読みやすいけど中毒性はない、といえばいいのか。
    自分なりに理由を考えてみた。

    ※以下、ネタバレはしませんが小説の内容に若干触れています※

    1、「厭魅」「首無」「山魔」にあるような圧倒的な怖さ=ホラー要素が薄い。常識ではあり得ない設定ともっとあり得ない人物造形にもかかわらず(笑)、そういう世界が世の中のどこかにあるのかもしれないと思わせる、読者をねじ伏せて納得させてしまう強さ、魅力にやや欠ける。
    2、厭魅(まじもの、カカシ様、ナガボウズ他)は文句なしに怖かったし、首無も山魔も夜中にトイレに行けなくなる!的な(笑)昔ながらの怪談としての薄気味悪さがあった。正体の知れない邪悪な何か。人間を襲う何か。それが水魑(ミヅチ)にはない。因習の村を覆う大いなる悪しき影のような存在であるはずなのに、怖さが足りない、弱いのではないかと思う。
    3、三津田ワールドの昭和であり、都市部から隔絶された超田舎の山村であり・・・という前提条件をもってしても、警察の介入を拒否する長老と、彼の脅しの手段、かつそれに屈してしまう周囲(刀城言耶含む)の言動があり得ない。どうしても警察を排除するなら別の方法を考えるべきだったと思う。
    4、このシリーズの弱味は、常連キャラに個人的な魅力がないこと。探偵役の刀城ですらキャラが十分に定まっていないし、あまり魅力的ではない。彼は狂言回しとして優秀だし読者の反発を買うタイプではないから「問題がない」という程度。不幸にもこの作品は、他の二人のレギュラーの会話から始まる。阿武隈川烏(刀城の先輩)と祖父江偲(編集者)の二人に人間的魅力があれば楽しいのだろうが、二人とも人物造形にリアリティがなく一面的。ヘタなラノベ以下のキャラづけしかされていないため、第一章のもたつきが半端なかった。
    以上、書き殴り失礼。
    文句ばかり書きましたが、本棚を見ればおわかりのとおり私はこの作者のファンなのです。この人の編み出す異様な雰囲気、ホラー要素に満ちたきっちりミステリ、そこが好きなのです(ホラーが好きなのではない)。それだけに今回は肩透かしを食らった気分でした。
    おかしい・・・(笑)。
    なんでこれが彼の最高傑作とか呼ばれるんだ。
    謎である。

  • 祖父江さんと阿武隈川さんのキャラがどうにもこのお話のテイストと合わないので、この二人はいらない気がしてしまう。すいません、先生…… それで欲しい4つから一つ消しました。

    今回は特にお話の登場人物のキャラが立ってたし、習わしに対して盲目的狂信的な人物の描き方が良かった!言耶が推理を何度も組み直すのはシリーズ定番なのでこれは多分別に真相あんだろうなと思ったけど。ハッピーエンドでよかった。神々櫛とさぎり、にはびっくりしたけど。ここで絡めてくるのかと。正一少年はどうなったんだろうなあ。どこかで生きてるのだろうか。

  • このミスベスト10、2011年版7位。
    この人の読むの3冊目。ホラー感満載の本格推理。京極さんぽいけどもう少し粗削りというか稚拙というか。途中の展開とかドキドキして、そんなに悪くないんだけど、いつも終盤が好きになれない。主人公の探偵さんが推理の過程を公開しながら解決していくんだけど、全て矛盾なく説明できたと思ったら、そのすぐ後、それを否定する事実(目撃証言とか)が判明して、それじゃ別の人が犯人だとかいうのが繰り返されるのが特徴。やっぱそこがいまいちなんですわ。どんでん返しの大安売りで、ほとんど誰を犯人にしてもストーリーが成立しちゃう感じがするのが、余詰めだらけの詰将棋みたいで美しくない。ちゃんとした核となるトリックもせっかくあるんだけど、それがないがしろにされるというか、どうでも良くなってまう。本格の悲しさか人物描写もちょっと薄っぺらいし、途中でつきあうのがしんどくなってきて、もう、勝手にやってよ状態になる。ほいで、結局どんな話だったっけとトリックやストーリーが思い出せなくなっちゃいます。あと、やっぱり長くて時間かかるのが一番いや。でも、皆さんの評価は結構高いんですよね。

  • 久々の、そして待望の、刀城言耶シリーズ。
    731ページもありましたが、2日で一気に読んでしまいました。

    シリーズものではありますが、読む順番は関係なく、しかも、単独でも楽しめるという、嬉しい構成は相変わらずです。
    とは言え、今回、「さぎり」という名の女性が登場するので、過去の作品を読んでいると、より、面白いかもしれません。

    今回は、衆人環視という密室状態の湖で起きる殺人に始まる、連続宮司殺人事件や、それに関係する諸々の謎を解決します。
    人間による事件も勿論とても面白いのですが、今回も、科学では解明出来ない事象の描写が凄まじくて、そちらも、とても楽しめました。

  • 前作よりさらにホラー感少なめ、というか、首無しのホラー感が強かっただけか。
    今までと違い爽やかな読後感。作中も偲ちゃんのおかげで柔らかくなっている。ここが評価の分かれる所だと思うが、ちょっと頑張ってホラーを読んでいる自分としては、今作が一番読みやすい。

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著者プロフィール

三津田信三
奈良県出身。編集者をへて、二〇〇一年『ホラー作家の棲む家』でデビュー。ホラーとミステリを融合させた独特の作風で人気を得る。『水魑の如き沈むもの』で第十回本格ミステリ大賞を受賞。主な作品に『厭魅の如き憑くもの』にはじまる「刀城言耶」シリーズ、『十三の呪』にはじまる「死相学探偵」シリーズ、映画化された『のぞきめ』、戦後まもない北九州の炭鉱を舞台にした『黒面の狐』、これまでにない幽霊屋敷怪談を描く『どこの家にも怖いものはいる』『わざと忌み家を建てて棲む』がある。

「2023年 『そこに無い家に呼ばれる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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