- Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062775403
作品紹介・あらすじ
明治二十三年、ミナこと皆川真次郎は西洋菓子店を開いた。店には、旧幕臣の「若様組」の面々や、女学校に通うお嬢様・沙羅が甘い菓子と安らぎを求めてやってきた。その少し前――。徳川の世であれば、「若殿様」と呼ばれていたはずの旧幕臣の子息・長瀬とその友人は、暮らしのために巡査になることを決意。今は芝愛宕の巡査教習所で訓練を受けていた。ピストル強盗の噂が絶えない物騒な昨今、教習所でも銃に絡む事件が起きた。若様組の他、薩摩出身者、直参で徳川について静岡に行った士族たち、商家の子息たち、さまざまな生徒に、何やら胡散臭い所長や教員を巻き込んで、犯人捜しが始まる。大好評『アイスクリン強し』の前日譚。
感想・レビュー・書評
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「アイスクリン強し」の少し前の話。スイーツ目当てにゲリラ的に大挙して押しかけ、大騒ぎのうちに去っていくのんきで強気な若様たち…と思っていた彼らにも、いろいろ苦労があったのね!と。
明治維新後20年経っても、官軍方と賊軍方という見方で明暗が分かれてしまうという。時代が変わるって大変なことなんだな。
「会津春秋」でもそのへんのいきさつを読んでいたので、入りやすかった。
この時代、もっと読んでみたい。
明治維新って、世の中がひっくり返る大変な出来事だったんですね。
もう一度世の中がひっくり返って、官軍賊軍という見方がなくなるのは第二次世界大戦の敗戦を待つのかな?
なにせ、日本人全員が負け組になりましたからね。
…脱線しましたが。
作品自体は、青春モノで推理モノで学園モノで男子のみの全寮制モノ。
たった二ヶ月ですがいろいろな事件の末に立場を超えて絆が生まれていくのがさわやかな読後感を呼ぶ。
登場人物多くて、キャラ立ってるのは数人ですが、面白かったです。 -
前作ですっかりファンになったので真次郎主人公の話じゃないのかと残念がりながら読み始めたけど、長瀬もまた良かった!園山さんにぐんぐん惹かれるし、幹事もなかなかおもしろいキャラだし、いろんなキャラクターがいて読み応えあり。たのしかった。ただ、たのしいこといいことばっかりってわけでもなく、理不尽さとかも引っくるめて明るく?生きてる長瀬たちに惹かれる。
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旧旗本や徳川家に付いて静岡に行った幕臣の子孫、片や官軍側の旧薩摩藩士、更には商才を活かして台頭した商人など、明治時代ならではの出自による優劣が興味深い。
意外と少ないこの激動の時代の世相が分かる作品を探していたので、まさにドンピシャの内容でした。
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レトロもの!
今作こそは!!
続編だし!!!
と思って読んだが…
やはり、作者と好みの相性があるよねぇ…
( ̄▽ ̄)
まだ妖怪ものの方が読めるな! -
アイスクリン強しに続く2作目。前作を全く覚えてませんでしたf^_^;それでもおもしろく読めました!あとから気づきましたが、アイスクリン強しの方が後日談とのこと、順番的にはこちらを読んで、そのあとアイスクリンを読んでも問題ないですね。とにかくキャラがこんなに良かったっけ⁈と思うほど良い。明治のご維新で運命が分かれた若者達が、それぞれの事情で警察官学校に入学するお話。最初は反目し合ってばかりでつまらん…と思ってたけど、読むにつれどんどん引き込まれます☆楽しかったー!スイーツはあまり出てきませんf^_^;
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いつも通り非常に読み易い作風です。
明治時代と私の好きな時代設定なので楽しめました。シリーズを読み切るかどうかは未定。 -
はじめは登場人物の多さに混乱したけど、物語が動き出すと面白かった〜〜。この続きも早く読まなくちゃ!
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アイスクリン強しの続編、というか前日譚というか。長瀬をはじめとする若様組が、巡査になるため教習所(警察学校)に通うなかで起きる事件、育まれる友情。アイスクリンをもう一度読み直したくなる。
長瀬がまだ若く、アイスクリンほど腹黒くもなく、弱い部分も描かれているが、まぁとにかく格好よい。時代を背景とした派閥もありながら、段合宿生活のなかで深まっていく友情や鬼教師との関係はまさに青春。ミナも含めて若様組が皆純粋で爽やかな気持ちになった。 -
20171115読了。
やっと読めました!アイスクリン強しの前日物語。前日とは書きましたが、若様組が巡査になるまでの日々が描かれています。長瀬の葛藤が園山さんの物騒加減が福田さんの恋愛が胸にキュンときます(笑)ミナと沙羅さんのアシストも絶妙。アイスクリン強しを読んだ方には是非読んで欲しいです。