天主信長〈表〉 我こそ天下なり (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062776219

作品紹介・あらすじ

天下人へ駆け上る信長が、豪壮な城を築いたのは安土だった。「天主閣」の高みから信長が描いた「天下」とは? 一向宗を殲滅し、武田騎馬軍を退け、北陸、中国へ。織田の天下は目前にして、誰よりも焦っていたのは信長自身だった。軍師・竹中半兵衛、黒田官兵衛、光秀、秀吉を集め、ひそかに語った信長の「天下」。そして、本能寺を舞台にそれを引き寄せるための驚くべき計画とは。安土城、本能寺の謎を大胆に解き明かす衝撃作!

感想・レビュー・書評

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  • 全1巻。
    だけど、別視点の
    「天主信長〈裏〉 天を望むなかれ」とセット。

    うむ。
    本能寺の変の解釈は新しく、
    少し強引な箇所はあるものの
    それなりの説得力を持ち、
    目から鱗だった。
    ちょっとおおってなった。
    おもしろい。


    問題は、〈裏〉 を発表しちゃった事。
    〈表〉は織田側視点で竹中半兵衛がメイン、
    〈裏〉は黒田勘兵衛視点。


    出版としては〈表〉 の別視点ですよって
    セット感を押し出しているが、
    前後関係が変わっちゃってたり、
    想いや動機が変わっていたり、
    視点が変わって見えてくる新たな真実とかじゃなくて
    単純に別の物語にしあがってる。
    基本は同じ物語なのに。
    A案B案どっちが良い?ってだけ。

    著者のあとがきでは、
    捨てるに忍びなかった別案を、
    文庫化にあたって〈裏〉 として出したとある。
    ただの別視点じゃなくて、
    読者が2度楽しめるように別の物語としたと。
    しかし、別の物語と言えるほど違わず、
    中途半端な調整レベルで、混乱しか起きない。
    読者のための調整ではなく、
    著者自身のための調整の結果だと思う。

    上田先生は割とこうだよねって感じ。
    設定とか凄く面白くて、
    物語に引き込む力も強いのに、
    ツメが甘い感じ。
    そんなのいいから物語の核心である
    上田版本能寺の真実について、
    もっと深く掘り下げてほしかった。
    〈表〉も〈裏〉も勘兵衛の動機付けが甘い。
    あと信長の最期も。

    やっぱり本気の伝奇ってより、
    時代文庫が向いてる人なのかなあと思った。
    ファンだけど。

  • 裏であわせて記載。

  • 信長に夢中!

    このあと、黒田官兵衛からの視点で見る信長ストーリー天主信長の裏を読みます!

    信長の忍びで知識の下地ができてたので、歴史追い易かったー!

    全く歴史ダメダメのわたしでも、信長がのさばってくるまでの過程を楽しめました!

    信長の忍びではまだ本願寺とやり合ってるとこで、この本では殺されるまでを描いてるから、ラストのイケイケ信長の感じ!これが世間で言われる信長の冷酷さなのか!!!!と、改めて思った。

    そうか、信長って人に裏切られ続けて信じられなくなってしまわれたのね。
    と。

    にしてもすごい男だ。信長。

    すごいね。髭の伸ばし方もね。粋よねぇ。

  • 今までに読んだ事のない切り口からの歴史小説。
    信長の死の謎を、史実を述べるというより物語調に描いている。
    信長の本でありながら、竹中半兵衛や黒田官兵衛目線からの描写が多い為か、あまり信長自身には思い入れを抱くことがなかった印象。※そもそも信長ファンなのに。

    明智光秀は秀吉(というか、官兵衛)の策略により、謀反者のレッテルを貼られてしまったという筋書き。
    今もなお明智光秀の謀反が戦国史の大きな謎となっているだけに、リアリティがあった。
    <裏>バージョンも読んでみたいと思った。

  • 本能寺の変の新解釈で、面白い案だと思った。誰も真実が分からないからこそ、このような斬新な物語が生まれるのだろう。

  • 信長の宗教や天皇家に対する考え方にはそれなりに説得力があった。最後は自分の想像を超えた展開だったのでワクワクして読む事が出来た。文庫書き下ろしの「裏」も続けて読みたいと思います。

  • 信長がこっけいに見えて…。
    この設定はあまりうなずけないなあ?

  • 歴史に陰謀が書かせられない上田先生
    信長・・・なぜそんな事を思いついたんだい
    しかも実行しちゃうとは

  • 表と裏で違う視点から描いているのは面白いと思ったが、信長のイメージがちょっと不満かな!実際の信長はどのような人だったかはわからないが、少なくともフィクションの中では、神のごとく偉大なものであってほしい。そんな神になろうとした男の物語である。

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著者プロフィール

上田秀人
一九五九年大阪府生まれ。大阪歯科大学卒。九七年小説CLUB新人賞佳作。二〇〇一年作家デビュー。歴史・時代小説を中心に活躍。主な文庫シリーズに「闕所物奉行 裏帳合」(中公文庫)、「禁裏付雅帳」(徳間文庫)、「聡四郎巡検譚」「惣目付臨検仕る」(光文社文庫)、「奥右筆秘帳」(講談社文庫)、「町奉行内与力奮闘記」(幻冬舎時代小説文庫)、「表御番医師診療禄」「高家表裏譚」(角川文庫)、「日雇い浪人生活録」(ハルキ文庫)、「辻番奮闘記」(集英社文庫)、「勘定侍 柳生真剣勝負」(小学館文庫)など。一〇年『孤闘 立花宗茂』(中央公論新社)で第十六回中山義秀文学賞を受賞。二二年「百万石の留守居役」
シリーズ(講談社文庫)で第七回吉川英治文庫賞を受賞。『翻弄 盛親と秀忠』(中公文庫)など著書多数。

「2023年 『夢幻(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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