新装版 ハゲタカ2(上) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 39
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062776714

作品紹介・あらすじ

一年ぶりに帰国した鷲津政彦が標的に定めたのは、繊維業界の老舗「鈴紡」。一方、鈴紡は元銀行員の芝野健夫を招聘し買収防衛を図る。

感想・レビュー・書評

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  • ストーリーと共に知らない単語を学ぶことが出来ます。
    ただ、有能で魅力的な鷲津のここまでモテる描写が必要なのかと感じました。

    「生きよ堕ちよ、その正当な手順の外に、」

  • 感想
    2000年代の初頭、会社は創業者のものだという経営者の時代についていけない放蕩経営の様子がよく分かる。経済の変遷も学べて面白い!

    民間会社は潰れるに任せるのではなく、変に国が介入してくる日本の社会で鷲津が抗う様子が分かる。

    日の丸親方、銀行は国が助けてくれる。そういう日本の文化が経済をダメにしている。ある意味それが続いているので今の日本経済もダメなのかもしれない。

    あらすじ
    ハゲタカ鷲津が帰ってきた。前回の銀行のスキャンダルから1年、鷲津は海外で放浪生活を送っていたが、帰国することに。鷲津がいない間に、アランが事故死を遂げ、新たに社長になったポールによって、ミカドホテルへの投資は打ち切られ、料亭などの不動産も処分されそうになっていた。

    鷲津はポールの行ったことを全て元に戻すように指示し、自分はアランのやりかけた鈴紡のMBOに乗り出す。

    鈴紡の建て直しはUTB銀行系、独立系アイアン・オックスファンド、ホライゾン系と3つに分かれる。鷲津はマスコミと世論を味方につけ、鈴紡の役員も味方にして9割方、ホライゾンはMBOするところに漕ぎ着けるが、政府のルネッサンス機構によってどんでん返しを喰らう!下巻へ。

  • 1年振りに海外放浪から帰国した鷲津は、部下のアランの不可解な死を知らされる。
    鷲津はアランが追いかけていた鈴紡を買収の標的に定めた。
    一方、鈴紡は元銀行員 芝野を招聘し再生を図る。
    その裏に芝野の元上司UTB銀行頭取 飯島の思惑が潜む。


    いやぁ、内容が濃い!
    ミカドホテルの売却の話から、後半はほぼ鈴紡買収の話へ。

    飯島の存在の大きさが、ここへ来て大変不気味。

    後半に期待大!
    難しいけど面白い本だなぁ。

  • T図書館
    2006年「バイアウト」刊行したものを改題
    20231017「ハゲタカ」読了

    繊維老舗「鈴紡」買収の攻防戦

    《感想》
    様々な思惑が飛び交い面白かった
    今回もホライズン精鋭達の机上の戦略会議のやり取りも良かった

    鈴紡を取り巻く企業は3社
    鷲津会長のホライズン、アイアンオックス、飯島頭取のUTB銀行
    手を変え品を変え画策する
    化粧部門はホライズンのMBOに、残りの部門は民事再生とした
    しかし政府系機構が最後の最後でかっさらってしまった
    煮え切らない感じで終わった

    内容は一回読むだけでは難しかったので、
    鈴紡側のグループ(主流役員、非主流役員、労組等)とMBO側(ホライズン等)を図式にしたら頭に入ってきた
    それだけ入り組んでいる

    またマスコミを使った作戦が秀逸だった
    鷲津がテレビに出演ということで、スタイリストをつけ彼らと検討を重ねた
    親近感、説得力、カリスマ性を出すイメージ戦略
    長髪と髭はそのまま、渋皮ジャケットにブラックタイで都会的に仕上げ、シャイに笑うことを勧められた
    もちろん新聞社への情報提供にも手を抜かない
    日本一の部数を誇る東洋にスクープされたことで、ライバル紙は裏取りをとり夕刊に関連記事を出してくることを織り込んでいた
    両紙に記事が出た瞬間、既成事実となるそうだ
    世間を巻き込む上で、マスコミは大事な立ち位置なのだなと知った

    鳥になぞらえた部分が重要じゃないものの、鳥好きの私にとって印象に残った
    ・ホライズンの鷲津はゴールデンイーグル、長期休暇のチベットで鳥葬に立ち会った
    鷲津の今の自分は雀やカモメの心境
    ・UTB銀行の飯島頭取はぬえ
    ・鈴紡の岩田名誉会長は「鶴の一声」の鶴
    ・他ホトトギス

  • やはり面白い。
    飯島が何故か生き残っているし、あの終わり方も含みをもたせる感じだし。

    このまま終わる訳ないし、下巻で大逆襲か?

  • 会社は誰のものか、ということを考えさせられるのと同時に大企業の論理、右肩上がりの時と低成長期のリーダーの在り方、振る舞い方、それを観察し、そのリーダーに付いていくか否かを判断しようとする取り巻き達の表情まで見えそうである。
    誰にどのように会社を売るのか。下巻も楽しみたい。

  • 第一弾から数年後の話。
    第一弾の主要人物、アランの死からストーリーが始まる。
    相変わらず読みやすいストーリーだが、
    第一弾と比べ鷲津の悩む心理描写が細かく描かれ、
    人間味がかかれている。
    下巻も楽しみ。

  • 下巻に続く。

  • 下巻を読もうとしてかなり時間が空いてしまったので久しぶりに2回目を読んだ。
    鷲津さんや登場人物に現れる企業の役員たちの人を見る目が鋭くて勉強になる。
    サムの仇をとるかのように鷲津さんが本気でディールに挑んでいる様が良かった。早く下巻を読みたい。

  • 最後のドンデン返し...続きが気になりすぎます

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著者プロフィール

1962年、大阪府生まれ。同志社大学法学部政治学科卒業。新聞記者、フリーライターを経て、2004年、企業買収の壮絶な舞台裏を描いた『ハゲタカ』でデビュー。映像化された「ハゲタカ」シリーズをはじめ、 『売国』『雨に泣いてる』『コラプティオ』「当確師」シリーズ『標的』『シンドローム』『トリガー』『神域』『ロッキード』『墜落』『タングル』など話題作を発表し続けている。

「2023年 『それでも、陽は昇る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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