烏丸ルヴォワール (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 334
感想 : 53
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  • Amazon.co.jp ・本 (528ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062776806

作品紹介・あらすじ

京都の支配に関わる謎の書の持ち主が死亡。それによって勃発した兄弟争いを収めるため双龍会が始まる。だが龍樹家に予想外の事態が。

感想・レビュー・書評

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  • 私事だが、たまたま京都に向かう車中で読了。双龍会(擬似法廷)シリーズの第二弾。稀覯本とその所有者の娘を巡り、争いが起こる。
    京大ミステリかつメフィスト系の系譜を継ぐ作風だが、エンタメ、アニメ的な感じが強すぎて馴染めない。ミステリとしての要素がなんか弱すぎるような気がしてならない。多重解決ものとも言えず、、、
    謎だけはめちゃくちゃ凄くて解答が台無しという清涼院流水とはまた違う感じのメタミス。(当時は壁本とか言われてた)
    烏有(なにもないという意味)という号を持つ登場人物が出てきますが、これは麻耶雄嵩リスペクトでしょうね。

  • 最初にお断りしておきますが、以下のレビューには、少なくとも前作「丸太町ルヴォワール」を読んでいないとわからない表現が幾つか出てきます。
    解説の冒頭で法月綸太郎さんも述べておられるとおり、前作を読まずして本作を読むことはあり得ませんので、前作を読まずに本作やこのレビューを読もうとしている方々は、即刻、書店や図書館に走って前作を読んでください。
    それでは本題です。
    まずは、前作と変わらぬリーダビリティで、出だしの龍樹落花と瓶賀流のやり取りからグイグイと物語に引き込まれます。
    前作を読んでから少し間が空いていたのですが、「あー、そうそうこんな感じ」とお馴染みのキャラと雰囲気を思い出しているうちに。。。第一章のラストから早くも騙されました。
    自分が見ていたものが、見えていたものが一瞬にしてシームレスに姿を変える瞬間、快感が脳を突き抜けます。アハ!ムービーも真っ青ですね。
    そんな驚きも冷めやらぬまま第二章に突入。伝説の龍師「ささめきの山月」や元龍樹家の龍師であった私立探偵の鳥辺野有など、新たな登場人物も加わって物語は「双龍会」に向かって動き始めます。
    ネタバレしないように、物語の紹介はこれくらいにしておきますが、あと一つだけ。
    流、達也、論語、撫子、そして落花など登場人物が多く、誰が主人公とは特定はできませんが、今回はそのうちの何人かの過去に関わるエピソードも出てきます。
    それらは時に痛快で、でも時に切なくほろ苦く、「ああ、青春やなぁ」と心を熱くさせられます。
    生馬の目を抜くような壮絶で厳しい双龍会の場面と比してのメリハリもよく効いてます。
    そしてクライマックスでは、再び騙されていたことに気づき(信じられへん!)、意味深なラストを読み終えるとすぐに、続きが読みたくなること請け合いです。
    ああ、続きがあるありがたさ!次作も楽しみです。

  • 「丸太町ルヴォワール」がおもしろかったので、続けてルヴォワール第2作。敵か味方か、めまぐるしく攻守がかわる裁判戦。回想をまじえた第1章もよかった。

    私語(ささめき)という言葉を覚えた。ささめき哉、ささめき哉。今のところ使いどころはない。
    誘い文句「最強の龍師が名も無き龍師に声をかけている。機会が二度お前のドアを叩くと思うな」
    バッファローマン!元はシャンホールという方の箴言らしい。
    瞬間記憶能力者が多すぎん?

  • 2作目になってキャラクターや作風が馴染んできたけれど、やっぱり少しくどい。こういうミステリの遊びを許容できる方はどうぞ。

  • 時系列のトリックに騙され過ぎて、途中まで何が起きたのかさっぱり理解できなかった。笑。ただ終章で明かされた答えの微笑ましさというか、天上の才能を描く一方で人と人の繋がりもきちんと魅せてくれる辺りがバランス良く、最後まで楽しんで読み終えることができた。もっと容赦のないミステリの方が好きだけど、これはこれで面白い。

  • 記録

  • どうしてもこういうものの性として、1作目の特別な輝きと比べるとくすんでしまうものの、それでも負けず劣らず様々な企みが施された作品。徐々に龍樹以外の存在も明らかになり、ますます先が楽しみになる一作。

  • 過去の話と現在の話の入り乱れ感がわかりにくくて、これがきっと計にかけられてる状態なんだろうけどむずかしい…烏有さん系列は初恋泥棒なんですねぇ

  • 一作目と間違って購入してしまった…案の定最初からついていけず早々に挫折。

  • 「ルヴォワール」シリーズ第2弾。

    「双龍会」にかけられることから免除されるという『黄母衣内記』(きぼろないき)を所有する綾織耕作(あやおり・こうさく)が死去し、『黄母衣内記』は娘の綾織繰子(あやおり・くりこ)に相続されることになります。繰子を引き取ることになった耕作の弟の綾織文郎(あやおり・ふみろう)は、もう一人の弟の綾織武郎(あやおり・たけろう)が耕作を殺害したのではないかといって、落花に仕事を依頼し、御堂達也たちは双龍会のための準備を開始します。他方瓶賀流は、落花のかつての師だという「ささめきの山月」という男に声をかけられ、彼とともに達也たちと対峙して、双龍会に参加することを決意します。

    前半は、流と彼女が預かることになった一人の少女との交流がていねいにえがかれており、キャラクターの個性に焦点があてられています。前作とおなじく、後半は次々に思いもかけないどんでん返しがくり広げられる展開になっていますが、推理の内容そのもののどんでん返しではなく、双龍会の展開自体が思いもかけない方向へ推移していくことに翻弄されます。といっても、けっして読みにくいということはなく、流たちのキャラクターの魅力が次々に提示されていく展開になっていて、おもしろく読みました。

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著者プロフィール

ミステリ作家。1983年、奈良県生まれ。2009年に『丸太町ルヴォワール』で講談社BOXからデビュー。同作から始まる〈ルヴォワール〉シリーズ(講談社)のほか、著作に『キングレオの冒険』(文藝春秋)、『シャーロック・ノート』(新潮文庫nex)など。

「2022年 『円居挽のミステリ塾』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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