つぼやきのテリーヌ The cream of the notes 2 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 877
感想 : 79
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062776974

作品紹介・あらすじ

「立派な母親像」から「モグラ退治」まで、正解のない世の中を見つめ直す100の森イズム。

しなければならないことは、すべて自分がしたいことだ――。思いついたことを思いついた順に綴った100個の端的エッセィからあふれ出す森イズム。斬新な発想と知的ユーモアで、人生はこんなにも豊かにできる。文庫好きを公言する小説家・森博嗣の、著作265冊目にして記念すべき、初の文庫書下ろし!

感想・レビュー・書評

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  • 森博嗣さんは、独特の感性、視点を持たれていてそれはとてもユニーク。その思いつくままのエッセイが100もこれでどうじゃとどんどん現れる。その100のタイトルを見るだけでも,おおいに楽しい。

    例えば、「頭の体操」というクイズの本からの紹介(私もよく読んでいた本です)。その本に「Aさんは、3時間で畑を4アール耕す。Bさんは、4時間で3アールを耕す。この二人にそれぞれ12アールの畑を耕してもらった。貴方は二人に2万4千円を払うつもりだが、いったいどんな割合で分配すれば良いだろう」というのがありました。さて、どうします、ここに仕事と能力と時間といろんな要素が組み重なってきます。その答えにあたし達の時間給、能力給、仕事量と賃金、その延長には残業代というものが現れます。

    いろいろ難しい問題です・・・タクシーは、時間がかかるほど料金が高い。世の中にはそういうものだってありますな。

  • 『つぶやきのクリーム』から『つぼやきのテリーヌ』へ。
    この感じは好き。
    最近森博嗣さんの本を読むと、森さんの作品以上に森さんのことが好きなのかもしれないなと感じる。
    好きだから素直に話が聞けるのかもしれない。
    好き嫌いに関係なく相手の話を聞くことが出来るようになりたい。

    そんな浮かんでは消える思考の端っこをつかまえてある本。
    どれをつかまえるかが、「目のつけどころ」ということになるんだろう。
    面白いなと感じる視点多数。

  • 声に出して笑ってしまった。(笑)お気に入りのシリーズが、あと8冊も楽しめる!

  • 古本屋で見かけて買った都合で、シリーズの2作目から読むことになったけれど何ら大きな問題無し。

    10年弱前に初期の森博嗣小説や短編を読んだ時は「文章を書き慣れているようで書き慣れていない人」のような、ほんの少しチグハグなところが垣間見える…くらいの印象だったのが、今回久方ぶりに森博嗣文章に触れてみて、「理系思考の人が理系の独自視点から様々な概念について考えてみた」な世界観が、文章としてエッセイとして、随分マイルドに、読みやすく伝わってくるなあと感じた。
    通算265冊目とのことで初期の本とは、空気が変わってきた部分もあるのかもしれないし、単純に読む側の私が歳をとって見方が変わったのかもしれない。

  • 20200724

  • 「謝り慣れた人間ほど、ミスが多く、同じ失敗を繰り返す」「「絆」という言葉に美しいイメージしか持たないのが最近の傾向」「「有名」に価値があると思い込んでいる人が多い」「無料のものに支配される世の中」「「視点」と「目線」の違いを使い分けてほしい」「子供には、「検索ではなく、模索をしなさい」と教えたい」「目のつけどころの違いというのが、つまり才能の違いである」などなど…。

    “無料ということは、別の方法で、見えないところで、少しずつ搾取されているということであって、けっして「お得」ではない。 
     支配がすべていけない、と言っているのではなく、支配されていることを自覚する、それが大切だ。忘れてはいけない。”

    “不満に感じていることが解決しても、それは楽しさには直結しない。不満がなくなれば、満足がありそうなものだが、そうではなく、ただ「普通」があるだけである。一方、楽しさや満足を妨げるものは、不満になる。つまり、一方通行のようだ。”
    などなど…。

    短文と、それに付随する長文。
    著者は、価値があるのは当然短文の方というが、短文ほどの切れはなくても、長文も深いよね。
    というか、長文と言ったって所詮見開き2ページの話なのだけど。

    凝り固まった自分の思考のくせをリセットするために、やっぱりたまには森博嗣を読まねばダメだ。
    しかし、あまり続くのもよろしくない。
    慣れてしまうと、考えなくなりがちだからね。

    残り一冊は少し間を開けて読もう。

  • 93:目のつけどころの違いというのが、つまり才能の違いである。
    がこの本を読んで一番興味深かったことです。

  • タイトルが似ているので買い忘れていました。ついでに解説も同じ方ですし。
    何気に野生のモグラは幼い頃に見たことあります。

  • つぶやきシリーズ第2段。 正直、今回はネタばれになる。エッセイはモリログ読み継続中だが、本作は本当に特別。 はっきり言うと、今回の森先生にはかなりの変化を感じた。読書家になっていたり、自身の代表作が変わったり諸々。長く読んでるが、こんなことは初めてだ。 読めば読むほど、森先生から遠くなる。遠く及ばない。計り知れない。ここ数日、なぜ先生はまだ書き続けてくれるのか、ずっと考えていたが、ご本人からその答えがあった。 「みんなの評価が悪いこと、つまりみんなが僕から遠いことが、僕が創作を続ける動機でもある」

  • 森博嗣先生の「ごもっとも!」な言葉100。書店や電子書籍の問題、ネットやマスコミの話などは、10年前に書かれた本なのに、まさしく今、直面している事だった。ももちの♡まみれの解説がなんとも…(笑)

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著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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