幻想日記店 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 962
感想 : 75
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062776998

作品紹介・あらすじ

あなただけにぴったりの、「日記」をお売りします――日記とは悩みと希望の記録。同じ悩みを持つ人の、生きる道しるべとなりましょう。

大学一年生の友哉が雑木林の茶畑で出会った謎の美女、猩子。
彼女が営んでいるのは、「あなたにぴったりの日記が見つかる」日記堂というお店。

猩子の私有地でお茶を摘んでいたことを咎められて、友哉は日記堂で働くことになる。脱医師をした父の新しい人生、秘かに恋している同級生、そして日記堂の周辺にいるなんとも不思議で特徴的な人々……。働いているうちに、友哉は猩子が日記堂を開いている理由は、「ある日記」を探し続けているからだと聞かされる。「ある日記」とは何か? そしてその日記を探さなければならない理由は? 
そんな時に世間をにぎわせている「怪盗花泥棒」の盗難予告が、なぜか友哉のもとへと届けられる。

2012年夏に刊行した単行本『日記堂ファンタジー』の裏に隠されていた真相を明らかにして大改稿。生と死のはざまに建つ「幻想郵便局」の面々はもちろん健在。 これ一冊で楽しめることはもちろん、『幻想映画館』『幻想映画館』をお読みになった方には、あの人が実は誰もが知るあの人だったなんて! 等々の新たな発見も盛りだくさん。

ほんのり怖いホラーファンタジーであり、ミステリーであり、恋愛小説であり、まさかのアクションまで!?
人の生死はもちろん、人が残す「言葉」についても優しく教えてくれる物語。

感想・レビュー・書評

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  • 幻想シリーズ第三弾。シリーズ化しているけれども、主人公は毎回違うし、今回「幻想郵便局」に出てきたキャラを出しているもののあまり一貫性がないように思えた。前の二冊はあの世とこの世を繋ぐという共通点があったように思うが…今回はそういう描写はあるけど無理やりというか。この話は「日記堂ファンタジー」という単行本を改稿したとあったので、元はシリーズに入れるつもりはなかったのかな?
    言葉の話や設定は面白かった。ただやはり幻想シリーズを期待して読んだので少し期待外れだったかな。

  • 幻想郵便局、映画館に続いて日記堂。今回は変わったお店でタダ働きさせられることになったお人好しの大学生、友哉のはなし。
    紀貫之の土佐日記、作者不明とされている竹取物語をモチーフにしている。

    2回目
    3年前にこの本を読んで、書店でシリーズ続編がでていたので、内容を思い出すために再読。

  • 幻想シリーズ3作目。
    今回は和装美女が営む「日記を売る」お店。
    インターネットのブログが普及した今、あらためて「日記」というものの意義を考えさせられました。
    前2作同様、たくさんの小さな謎が解決されながら結末に向かいます。
    登天さんと猩子さんの正体には驚きというか、何というか……正直、やや強引な印象を受けました。

    主人公のお父さんのミントティーがおいしそうです。

  • 今回は、大学生の鹿野知哉くんが主人公。日記を売り買いするお店でバイト?することになります。
    日記店の猩子さんもやっぱり不思議な人で。。。
    相変わらずの幻想ワールドです。

    幻想郵便局の登天さんの正体がわかります!
    屋台カフェの美味しいお茶、いただきたいものです。

  • シリーズ3作目。この世にある日記を集めては助言を求めている人に売るお店・日記堂。日記には言霊が宿る。人に読まれることを前提に書かれておらず無防備だから書いた人の本心が表れる...今までは幽霊など目に見えないものが多かったけれど、今回は、時空を超えたお話に。このシリーズ特有の、ふんわり穏やかな雰囲気も漂いつつ、怪盗花泥棒などちょっと穏やかではない事柄も。今まで以上につかみどころのないお話で先が読めず、どうなるのだろうと思っていたけれど、最後は無事に解決して良かったなと思います。登天さんや鬼塚さんなど、このシリーズの登場人物もちらほら。特に登天さんの正体にはびっくりです。

  • 今回は(たぶん新しい)登天郵便局のある場所のすぐ近くに位置する、日記堂が舞台。日記堂は、書き記した日記を売り買いする不思議なお店です。
    主人公はここの店主である猩子さんに買われ?てしまった、一介の大学生である鹿野くん。
    この猩子さん、なんと登天さんをパパと呼んでいたーーー!!?えぇぇー!?あの人の良さそうな、いつも手紙を燃してるおじいちゃんが、この和装美女のパパとな!?そしてついに、登天さんの正体が明らかに!?
    いやー、面白いです。やっぱり登天郵便局界隈は面白いですなぁ。
    んー、でも、今までより、こう胸にぐっときて泣いてしまうわー( ノД`)シクシク… ってことはなかったなぁ。ひたすら猩子さんに度肝抜かれるばかりで…笑。それもまた楽しいんだけどね。
    うーん、出てくる人があんまり共感できなかったからかなぁ。あの酷い親戚連中にも、佐久山さんも、丸山先生にも、その浮気相手にも、ジャスミン嬢にも、共感できないからなぁ。うわー、こんな人周りにいたら、私ならぜーったい関わりたくないわー、って思うばかりで…苦笑。鹿野くんがイラつくの、よーく分かりますよ。君は人がよすぎですよ(私もよくそう言われるけど、君ほどじゃない!…はず)。
    次は感情移入できる話だといいなー。次巻は、探偵社だそうですよー?今度は誰の正体が明らかになるのかなー?楽しみだなー!

  • 幻想シリーズ3作目✩.*˚

    郵便局、映画館、ときて今回は日記がテーマ。
    個人的に1.2作目とはちょっとテイストが違ったような気がします。直接幽霊が出てきたり、とかではなく言葉を通じて感じる、というか。まあ日記がテーマですからね( °ω° )w

    日記は誰かに読んでもらうために書いているわけじゃないからこそ、ありのままのことが書かれている。そこには読み手の人生をも動かすほどの力がある。それがいい方にも悪い方にも言ってしまうのが言葉の難しさですね…

    幻想シリーズ、まだまだ作品あるようなので是非読んでみたいと思います(*ˊᵕˋ*)♩

  • まずわかったこと。読む順番逆だった。
    前に読んだ『日記堂ファンタジー』と短編の内容が似通ってて、あれぇ?登場人物が少し増えたり減ったりしてるけど、大筋は一緒じゃーん。あれ?結末はちょい違うなぁ?なんて思いながら読んでいたら、それもそのはず。あとがきに『日記堂ファンタジー』の改稿作品だと…。その上幻想シリーズの三弾とあるから、『日記堂ファンタジー』の続きと勘違いした私は2度読み直すことになりました笑

    でも、すごく面白かった。前作でふんわりしてるなぁと思っていた部分も納得できる結末だったし、まさかキーパーソンが紀貫之だなんて。これだけみるとわけわからないけど、文学部出身者としてはなるほどね。と思う部分もあったかな。まさにファンタジー。不可思議なことと言霊の威力を思い知りました笑

  • 学生(らいすた)ミニコメント
    店主が客の隠していることがなぜかわかる日記を売る店が舞台の小説。過去シリーズよりも現実的で読みやすい。

    桃山学院大学附属図書館蔵書検索OPACへ↓
    https://indus.andrew.ac.jp/opac/volume/1323324

  • 「幻想郵便局」、「幻想映画館」に続く第3作目と言う事で気になっていた小説。
    元々別の話の連作物を改題改編して幻想シリーズに書き上げた小説との事で、前半は前2作と比べて少し物足りなさがありましたが、最終章では前2作に通ずる面白さがありました。
    やはりこのシリーズは幻想で無ければ!
    紀貫之や土佐日記、竹取物語の解釈も中々に興味深い物がありました。
    シリーズ第4弾も出てる様なのでその内読もう。

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著者プロフィール

1964年青森県生まれ。2006年『闇鏡』で第18回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞してデビュー。『幻想郵便局』がベストセラーとなり、以降、「幻想」シリーズで人気を博す。他の著書に『ある晴れた日に、墓じまい』『うさぎ通り丸亀不動産 あの部屋、ワケアリ物件でした!』『オリンピックがやってきた 猫とカラーテレビと卵焼き』「おもてなし時空」シリーズ、「仕掛け絵本の少女」シリーズなどがある。

「2023年 『キッチン・テルちゃん なまけもの繁盛記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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