僕は君たちに武器を配りたい エッセンシャル版 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
3.98
  • (131)
  • (142)
  • (99)
  • (16)
  • (3)
本棚登録 : 2153
感想 : 158
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062777018

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • リスクをとる、すぐに行動に移す、ということは納得。他は抽象的で、明日から何をやったら良いのか分からない。私にはあまり瀧本哲史さんの本は馴染まなそう

  • 後半の投資についての考え方が、果たして若者に通じるのだろうか?

    成功者の考え方の一つとして認識しておけばよいかも

  • 本書を読むのは2回目である。
    以前読んだときは咀嚼しきれていないような気がしたので感想は書かなかったが、今回再読して著者の主張がよく分かった。
    本書は「グローバル経済で金儲けをするための心得」が書かれている。
    冷戦時代は本当の資本主義ではなかった。格差が広がると社会主義を求める人が増えるため、格差が広がらないように配慮されていたからだ。1991年ソ連崩壊とともに、「むき出しの資本主義」が世界席巻している。
    本書の主張はグローバリストの主張そのものである。
    変化する時代をとらえ続け、グローバリゼーションの最先端で、トップアスリートとして稼ぎ続けるには、
    ・英語を学べ
    ・イノベーションを理解しろ
    ・投資家であれ
    と説く。
    しかし、この3つが実践でき、ビジネスリーダーになれる人間は一握りである。
    それ以外の人はどうすれば良いのか。「働かざる者食うべからず」と言うのか。「力なき者は死ね」と言うのか。
    いや、ビジネスリーダーになることを望まない人はどうなるのか。その人たちが生きていけるための知恵は本書には書かれていない。
    しかし、リベラルアーツを学ぶべきという最終盤での主張は極めて重要である。金儲けのためではなく、精神的に満たされた人生を送るために、教育が必要だ。

  •  なるべくコストやリスクは少なくしたい。これは資本主義だろうと他の仕組みだろうと当然の考え方。「強い」立場だからといって自らを犠牲にしてまで「施し」を強制されるいわれはない。特に日本では弱者にやさしくない強者は非難される傾向が強いように思う。しかし、完全な「強者」「弱者」といったものがあるのかどうか。賃金を払う立場の人間にしても、それを引き換えになにかしらの労力を提供する人間がいなければ自分の仕事は成り立たない。そこをどの立場の人間であるにしても認識しておくべきである。適正なバランスが保たれていれば「労働三権」といったものを設定する必要はないはずだ。そのバランスを崩しているのはどちらかといえば労力を提供している側の「施されている」という認識ではないか。もっともそうした認識も「施している」側の教育や啓蒙によって造られているのかもしれないが。

     労働組合といったものも現状の体制をみてみれば、いわゆる正規雇用という形式で雇われている人達にとっては不要であるように思う。こうした雇用形態はもともと「契約」によって自らの立場を守られた人達であり、しがらみや慣習の問題を解決すれば法的な処理が可能と思われるからである。組合のような相互扶助が必要なのはむしろ不安定な非正規雇用で働いている人達だ。最近ではそうした仕組みがあるようであるがまだ一般的ではない。本書の著者が言うような働き方を実践しやすいのは、おそらくそうした非正規雇用者に加えて自営業者であろう。自ら小規模な会社を立ち上げた人の成功例は決して多くはない。「相互扶助」の仕組みは非正規雇用の対象者とともに中小企業経営者の間でも広く一般化されてしかるべきものと思われる。

     集団としての一員という立場に慣れてしまうと欠けてくるものは「当事者意識」である。その欠缺によって無責任や過剰な自己犠牲、場合によっては「人間としての自覚」すらも失ってしまうのではないだろうか。まずは株式会社などの企業を一つの「世界」としてみるのではなく、一つの「当事者」としてみることではないかと思う。本書で提唱しているような「起業家」「投資家」といった概念は「当事者」としての自覚を促す有効なツールだといえる。

     形式面ではなぜか文字組のレイアウトが雑で極めて読みにくく付箋も貼りにくい。何か意味があるのかもしれないが、本書の価値を大きく減殺している要素となっている。

著者プロフィール

京都大学客員准教授、エンジェル投資家、教育者。1972年生まれ。麻布高等学校、東京大学法学部を卒業後、大学院をスキップして直ちに助手に採用。専攻は民法。任期終了後は学界に残らず、マッキンゼーへ入社。3年で独立し、多額の債務を抱えていた日本交通の経営再建などを手がけながら、エンジェル投資家として極めて初期段階の企業を15年以上にわたって支援し続ける。京都大学では教育、研究、産官学連携活動に従事。「意思決定論」「起業論」「交渉論」の授業を担当し、人気NO.1若手教官として「4共30」講義室を立ち見に。各界において意思決定を先導するリーダーを育てることを目標に、選抜制の「瀧本ゼミ」を主宰。著作物やディベートの普及活動を通して、次世代への教育に力を入れていた。2019年8月10日永眠。

「2022年 『瀧本哲史クーリエ・ジャポン連載集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

瀧本哲史の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
シーナ・アイエン...
米澤 穂信
又吉 直樹
佐々木 圭一
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×