ナイン・ドラゴンズ(下) (講談社文庫)

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制作 : 古沢 嘉通 
  • 講談社 (2014年3月14日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062777896

ナイン・ドラゴンズ(下) (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • ハリー・ボッシュのシリーズ14作目、後半。
    アクションシーンが多く、エンタメ要素が多い作品のようだったけど、思わぬ展開に驚愕‥
    ハリー・ボッシュの新たな面を描きたくなったのか?

    娼婦の子に生まれ、父には捨てられ、母からも引き離された育ち。
    ベトナム戦争での暗い経験。
    一徹な性格がもたらす警察内部での軋轢。
    といったものを抱えつつ、刑事の感は鋭く、根っからの猟犬で、信頼できる腕前。
    女性にはモテモテだけど、家庭のイメージがないせいか、仕事の虫のせいか?長くは続かない。
    というボッシュでしたが‥

    次は、意外な重荷を背負っての再出発になりそうです。
    ある意味での若返りなのか‥?
    ボッシュ大丈夫なのかとちょっと心配になっちゃうわ。
    13歳の娘がいる割には年いってますよね~定年でも働き続けそうだけど。
    常に水準をいっているミステリで、ボッシュの人間的な成長や他の作品とのスピンオフ的な絡みもあり、興味は尽きませんね。
    この作品から読むのはオススメしません。
    長年の読者としては、いずれ出る作品も読むのは確かです☆

  •  ヒエロニムス・ボッシュ、通称ハリー・ボッシュの警察小説シリーズは、常にボッシュの内面と行動とを交互に描きつつ、そのたぐいまれなる刑事ボッシュの行動の原理・理由・動機・目的・性格などをおろそかにはせず丹念にいくつもの事件という表現を使いつつ描き続けているシリーズである。

     一作一作に外れがない、それぞれに常にツイストの利いた作品でありながら、長いスパンで見るとボッシュという苦難に満ちた道を辿る人生の孤独な魂と、その内に蹲る愛や友情の物語でもあり続けた。

     そのボッシュにあるとき娘がいるとわかる。しかもその娘が香港に別れた妻と一緒に生活していることを知ったのは、『暗く聖なる夜』の作中である。その娘が脅迫の種に使われ、ボッシュが公人としての刑事ではなく、私人としての父親というスタンスを優先し、休暇を取ってまで香港の娘を救いにゆく、何ともストレートで手に汗握るサスペンスな作品が、本書である。

     最近になって、じっくり事件と向き合い、自分と見つめ合うことの多いボッシュが、すべての音に耳を塞ぎ、目をつぶり、ただただ馬鹿になって娘の居場所を求めて疾走する物語は、むしろこのシリーズではとても珍しい。損得抜きのストレートな娘への愛情がこの小説を通常のボッシュ・シリーズとは異なる次元へ連れゆくために、行動の過激さに面食らうシーンも多いが、それでもこういう事態にボッシュならこう動くだろうなという想像の線上にストーリーが進んでいることも間違いない。

     常日頃、ボッシュという人間をいかに作者が丹念に描いてきたかを、こういう切羽詰った時空に動き回るボッシュの活劇の連続を見つめつつ、何となく思い知らされるこれは新たな体験であるとも言える。

     本書では『エンジェズ・フライト』の一場面で遭遇する中国店店主の殺人に幕を開けるのだが、他のシリーズ作品とも交錯しながら、ボッシュシリーズは過去作品までを新しい作品世界に接続して、一大コナリー・ワールドとして容赦ないLAの街を、アメリカを、アジアを、世界を描いてゆく。

     きめ細かい人物描写がいつも常に無駄に使われず、それぞれのドラマとして次々と発表される作品で展開し、生かされてゆく。本書では重要なキャラクターたちとボッシュとの、邂逅と離別が運命づけられており、シリーズのある種のクライマックスともなりそうだ。アクションの多さとタイムリミット作品であることから、娯楽色が少し強すぎるように思われるが、この転換点を受けての次回以降作品にどのような影が落とされ、どのような光が点されるものなのか、じっくり期待してゆきたいところである。

  • シリーズ14作目にして、ボッシュが海を越える。ハードボイルドというよりは、丸っきりエンタメ。

    衝撃度から見ると本作品はかなりのものであるが、全体的に見ると星みっつの評価は大甘な気もする。あらすじからもわかるように、今回は父親としてのボッシュの物語。作者は、そんな彼の脆さを表現したようだが、正直ボッシュに家族としてのドラマは期待していないし、あまり読みたいとも思わない。型破りな孤高の一匹狼でいてほしいし、もっと深みのある人間ドラマと、手強い事件にハマりたいのだ。

    “父親ボッシュ”がテーマなので、事件のクオリティーはよろしくない。偶然が重なり、無茶な方向に伸びていき、そして中途半端にまとまってしまう。シリーズを通して見たときの、本作品の位置付けが不明。確かに、ボッシュの人生は大きく変動することになるが、無理に十字架を背負わせてるだけで、却って今後が小さくまとまっていきはしないだろうか。水増し感のある展開や、ミッキー・ハラーのカメオ出演といい、ボッシュシリーズとしての味が徐々に薄くなっていってる気がする。

    彼女への感謝で、プラス☆ひとつ。 今後の展開に期待しよう。それしかないもんね。ちなみに、次回、次々回とミッキー・ハラーが続くそうな。

  • (上巻より続く)

    インドで暴れるインディ・ジョーンズにした突っ込み、
    「おいおい他人のところ(場所や文化)で勝手にやりすぎじゃない?」と同じ突っ込みを香港のボッシュにはしたくなったものの、
    娘のためなら仕方ないかもと思わせるところが上手なところなのかも。

    ミッキー・ハラ―が登場したのも、
    ラストの意外な告白もとてもお上手。

  • 久しぶりに読んだボッシュシリーズ。あまりに久しぶりで『娘』というキーワードに困惑しながらも、とりあえず過去作を読み直すよりも今作を読み進めることに。
    途中まではこんなモン?という、やや間延びしたような感覚だったし、娘に対する深い愛情と親心という今までと違うボッシュの描写は、子供を持ったことがないことを後悔する私には辛く、読むのを止めようかと思ったけれど、主案件と思われる部分が思いの外、早い段階で処理された下巻後半からは、まさに一気読み!さすがコナリーという読み応えある1作だった。

  • 14作目(だと思う)のボッシュシリーズ。前作「死角」があっさりした中篇だったので、ついに息切れか?とちらっと思っていたのだが、いやいや参りました。息もつかせぬ、とはこのことだ。アクションとサスペンスに満ちていて、おまけにボッシュにふりかかる出来事の悲痛さといったらもう言葉もない。シリーズ初期の迫力をここまで維持しているのが驚異的だ。

    どういう「サスペンス」なのかはまったく知らずに読む方が絶対面白いと思う。そういう意味で、裏表紙で重要な展開をあらかじめ明かしちゃうのはやめてほしい。

  • 香港でボッシュ刑事大暴れの巻。
    ネオハードボイルドだとか思うから不満に感じるわけで、全米ベストセラーのエンタメ小説だと思えば、台詞過多はリーダビリティの高さに、ご都合主義と超展開はプロットの疾走感に早変わり。

    いや、確かに面白い。
    でも、ボッシュ刑事モノだと思うと、ちょっとなぁ、と擦れっ枯らしの読者としては贅沢言いたくなるもんです。
    あと、(自粛)に(自粛)扱いされた挙句、(自粛)の途中で(自粛)されてしまう(自粛)はあまりにも不憫。まるっきり無駄(自粛)じゃないか。
    とはいえ、あまりにも多くのものを背負い込むことになってしまったボッシュの今後が気になるので、シリーズ最後までお付き合いしますか。

    原書を基本に、途中で出た訳書で追っかけながら読みました。
    英文はかなり平易。ただ、本書のボッシュの人物造形には違和感あり。こんな(自粛)な人だったっけ?
    本作のプロットのせいもあるのだろうけれども、僕が抱いていたボッシュのキャラクターは、やはり古沢嘉通さんの訳業の賜物なのでしょう。

  • 人気推理作家を主人公とした海外ドラマ「キャッスル」を見てたら作家同士でポーカーをするシーンで、どっかで見た顔が! あー、マイケル・コナリーだ!
    「ボッシュ」の映画化がまったくすすまいのに業を煮やして映画化権を自ら買い戻したとか、アマゾンが「ボッシュ」のドラマ化をしたとかニュースだけはあったものの翻訳がなかなかでなったボッシュシリーズも14作目。
    出だしのチャイナタウンの店主の強盗殺人というありふれた事件の緻密な描写から、ぐぐぐっと引き込まれる。そしてオオっという展開。
    その昔、何度か泊まった香港の「重慶マンション」が出てきて懐かしい。高いビルの窓に並んだエアコンの室外機、ワンフロアのホテルの狭くて長くて暗い廊下を思い出した。
    後半に入ると駆け足で、物足りないながらも、ミッキー・ハーラーやジャック・マカヴォイを登場させるサービスを見せながら、(映画「リンカーン弁護士」主演のマコノヒーの名前も!)一気にラストへ。
    偶然が重なった悲劇にとらわれたボッシュと娘のなんとも重たい終わり方は、流石、コナリー。

    まったく他人を信用しない嫌な男ボッシュ(そのくせ女にはモテモテ!)が組織のなかでどうやっていくか、まわりとの人間とどう人間関係を築くかがこのシリーズの見どころ。今回は父と娘という絶対的な関係が出てくることでいつもとは違う。

    ボッシュが娘のために買ったイケアの家具の組立図を前に困るシーン、携帯電話のなれない操作のシーンなど、時代に取り残されそうなオールドスクールな刑事の戸惑いも興味深い。

  • 結局下巻も一気読み。
    それほど面白いけれど、ハリー・ボッシュシリーズってこうだったっけ。

    馴染みのキャラクターを惜しげもなく使ってくれるよな、というのが感想。

  • 二人にここまで傷を負わせるとは、何と薄情な作者でしょう。次が読めるのは、再来年?

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ナイン・ドラゴンズ(下) (講談社文庫)の作品紹介

誘拐された娘を救うべくボッシュは前妻とその恋人の力を借り香港を駆け回る。さ中に起こる不幸な殺人。久々のボッシュ・シリーズ!

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