- Amazon.co.jp ・本 (576ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062778275
作品紹介・あらすじ
禁断のエンターテインメント、ついに解禁!
--これからの13秒間は、何も起こしてはならない。
13時13分13秒、街から人が消えた。無人の東京に残されたのは境遇も年齢も異なる13人の男女。なぜ彼らが選ばれたのか。大雨と地震に襲われる瓦礫の山と化した街。そして生き抜こうとする人達の共通項が見えてくる。
世界が変われば善悪も変わる。
殺人すらも善となる。
極限の状態で見えてくる人間の真理とは。
--この世界の謎を解く鍵は、数学的矛盾<パラドックス>にある。
感想・レビュー・書評
-
久しぶりの東野圭吾作品。
梅雨時に、学校図書館にある雨の小説を探していて、見つけたのだが、かなりのページ数だったのでひとまず置いていた。
12年前に単行本として出版された作品だが、今読んでもタイムリーな感じさえする。
P-13現象による13秒の時間の歪みが、この地球にもたらすものとは…。
ものすごく壮大な設定で、この話の着地点はどうなるのだろうか?という一点で、最後まで一気に読んだ。
13人だけが生存する世界が現実の世界なのか、だとしたら、一瞬にして消えた人々は一体どこに行ったのか?
やはりここは、歪められた空間に存在するパラレルワールドなのか?
次々と起こる災害や13人のサバイバルの様子が、リアル過ぎるのだが、この小説自体が、東日本大震災の前に書かれていることにも驚く。
存在すべきでは無い知性生命体を宇宙の摂理が抹殺しようとしている…というP-13現象にまつわる解釈は、今の地球に言えることのようで、この小説の中で起こる事象は、近未来の予告か?と思えるほど。
2021.9.18
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
読みだすと止まらない系。
一瞬、『滅びの前のシャングリラ』と似てる?
と思いきや、
人類滅亡ではなく、
人類消えちゃいました。というお話でした。
13人をのぞいて。
わずかな人間だけが生きる世界。
通常の善悪が通用しない。
その中で食欲、性欲、生きる欲と向き合うには。
ハラハラドキドキ、
ジェットスターに乗った気分で一気読みしました。
最後にちょっとだけ救われるのはよかったな。
-
突如人が消えた東京に唯一残された13人の男女。
多くの困難と災害を目の前にしても生き抜こうとする者達。
極限状態から見える人間の真理を描いた物語。
SFかつサバイバルで疾走感ある展開。
かなりのめり込んで読んでいました。
この極限状態の世界と自分を重ね合わせ。
自分はどう考えるか。そんな思いにもさせられました。
終盤になってもどうなるか読めず。ラストで見た結末。
こういう終わり方なのかなとも。 -
「生きる意味を知るためには、ただひたすら生を求めるしかない」
変わり果てた、瓦礫の東京ジャングルを生き抜くSF小説。
パラドックス=論理的にあり得ない数学的矛盾。3/13、13時13分13秒に予測された時空の歪み。
残された13人の共通点は⁈
物語をどう終結させるのか?最後までハラハラした。本書は2009年に刊行、その後に東日本大地震が起こったわけで…。津波の映像とその後の町並みが脳裏に浮かんだ。 -
もっと有名になってもいいと思う東野圭吾作品1位。
東野圭吾作品といえば、リアリティのあるミステリーだが、本書はまさかのSFサバイバル。が、SFながらふわっとしたまま終わらず、しっかりと納得のできる結末が準備されているなど、東野圭吾の良さも残っている作品。
こんなに駆け抜けるように読み終えた小説は久しぶり。
ゲームとか漫画が好きな人は絶対好き。 -
東野圭吾のSF小説は初めて読みました。
ページターナーな作品。
異世界転生モノが溢れている近ごろ+ 連載されていた2009年からは技術が進歩しすぎているので、もしスマホがある時代だとどんな物語になっただろうとも思ってしまった。
自分勝手な行いをした人(老人は状況下ではやはり足手まといだから?)容赦なく死んでいく感じ。地球が鉄槌を下すのが怖すぎて。
13:13を待つ時に、電波時計さえも人を滅ぼすために時を変えていたのが恐怖でしかない。。。
誠哉さんが始終正しいなと思っていたけど、アダムとイブのイブになって欲しいと女性に頼むところは鳥肌が立った。きしょすぎて。村を作って人類を救いたいと急に言い出したので焦った。
河瀬も悪いやつではなかったのにちょっと残念。
東京が破壊されていく様子が辛かった。
ひもじさや捌け口のない性欲、死への思い、こんなに過酷な状況で1ヶ月も私は生きていけるかな。
SFなので、別の世界だとしか思えないけれど、大きい災害が起きた時には同じ経験をすることになるのかな。
どんな理由があろうと生きることを選べば希望は見出せる世界だったらいいな。
-
2回目約11年ぶりの再読
SFサバイバル
よくこんな世界感を描けるものだな
自分だったらどうするだろうか?どのキャラクターだろうか? -
まさにSF
いつか地球がこうなるのか? -
警察官の主人公は犯人から銃撃され、命をおとした・・・はずだったが、パラレルワールドに引き摺り込まれてしまう。
同様に命を落としたりはずの人達と出会い、パラレルワールドから生還した先には!
読み手の好みは分かれるような内容ですが、私的には好きな部類でした。