- Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062778299
感想・レビュー・書評
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「この物語に登場する男たちは実在した」
のっけからテンションあがります。
国岡商店の従業員がとにかく凄い。
店主、国岡鐡造の凄さもよく分かったつもり。
だけども、戦争、男尊女卑、権力など、時代背景によるさまざまな違和感を一旦飲み込んだ上巻でした。
さあ、海賊の生き様を見届けさせていただきましょうか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
上・下巻、完読。
序章の前にある一文。「この物語に登場する男たちは存在した」シンプルなメッセージが素敵すぎる。
目まぐるしい時代背景の詳細な描写、主人公(国岡)が手がける事業展開のスピードに追いついていくのが大変だった。正直、読むことに挫折しかけた。しかし、下巻は感動と涙で溢れかえった。読み続けて良かったと思った。
感想の詳細は下巻へ
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出光興産をモデルにし、後に映画化された小説。上巻は、終戦直後の国岡商店主・鐵造が、同業者団体からの圧力に屈せず、時にGHQに乗り込んでいき、石油販売に漕ぎつけるまでを最初に描き、後半は鐵造の生い立ちから、戦前の国岡商店設立、そして戦中の販路拡大と、大きな損失を被った終戦を描く。その時々での鐵造のゆるぎない姿勢に感銘を受けた。
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★本の概要・感想
出光興産の創業者である出光佐三をモデルとし、その生涯をつづったノンフィクション小説。この本のカタルシスは万人が共感しやすく、本屋大賞になったのもうなずける。この物語は、主に以下の構成を繰り返す。
「日本や国岡に困難が訪れる。国や大企業が利己的なせいだ。それら悪事に、国岡は立ち向かう。決して自分個人の利益ではなく、消費者のため、社員のため、家族のために困難を打ち破る。」
というものだ。極めて日本的な価値観が現れている。「奉仕」「謙虚」「家族」を重んじる国民には強く響くエピソードが満載だ。
上下巻とあるが、個人的には上巻の方が好きだ。上巻の方が主人公の国岡哲三がプレイヤーとして活躍するからだ。下巻になると、もう主人公は大企業の社長である。したがって、困難を打ち破る主役が、主人公ではなくその部下になる。皆、主人公の命に従い喜んで行う様が描かれるが、現実のところはどうなったのかなと。
国際留学生協会のサイトにて、日本の源流を紹介するために、本書のモデル人物出光佐三が載っている。本書におけるおおまかなエピソードは、ここに書いてあるそのままの通りだ。
http://www.ifsa.jp/index.php?Gidemitsusazo
★本の面白かった点、かっこいいシーン
本書の面白いシーンは大きく二分できる。一つは、「不可能や困難を乗り越える」。もう一つは「人間の義理人情が深く発揮されるシーン」だ。
前者で特に面白いのは、満洲の鉄道において、自分で独自に開発した油が、メジャーの油を打ち破るシーンだろう。満洲は本州より気温が低く、凝固点がより低い油が必要になることに独自に気づく。鐵造自身は、商人であって油制作の技術者ではなかったが、独自に調合と実験を行い、画期的な油の開発を制作する。その油が大資本のメジャー産の油よりも品質が高く...。
門外漢であっても、あきらめずに試行錯誤することの重要性。強大な敵が相手であっても、考えに考え続け、誰もきづけなかった問題点に気づけることができれば、勝機はある。
★本イマイチな点、それってどうなのって思うこと
*主人公の国岡は物語の中である種、作者から絶対的な存在として扱われ続ける
・百田氏の信条や価値観が好きでない人は読んでいて面白くない。この作品の主人公の国岡は、常に肯定的に描かれ続ける。この物語における規律・」正義を判定する役と言ってもいい。ウシジマくんにおける牛嶋のように、どんな選択や意思決定も「良い」ものとして描かれるのだ
・そのため、ややバランス感が欠けているような気はする。現実は、ある一人の行動が全て正しく、社会的に良い、ということはあり得ない
・この全肯定的な書き方は、百田氏にとって主人公のモデルの出光佐三が英雄となっているからあろう
★学んだことをどうアクションに生かすか
*義理人情ってやっぱり大切だよね。目先の金、自分の利益じゃなくて、社会のため、友人のために頑張れる人がかっこいいよね
*昔は、会ったこともない人と結婚していたんだなぁ。それが常識としてまかり通っていた。そして、そんな出会いで結婚したとしても、相手を愛することもできていた、という(もちろん、相手を愛せない夫婦もいたのだろうが)。恋愛よりも、子孫を残すことを重要視していた時代だよな。今よりは。今は何でも個人の感情、価値観が重要視されるから。そういう意味では、結婚や恋愛に対して、受け入れる器が小さくなってしまったかもしれないなぁ
*失敗を恐れてはいけないが、こう成功者の通りに進むと思ってはダメだろう。現実、多くの企業は、身の丈にあわない投資や新規事業の展開によってつぶれることとなる。挑戦や人間尊重の精神は大事にしたい。だが、実際に自分が経営をするとなれば、無茶ばかりはできない -
信念を貫くことの難しさと偉大さを感じた。
このような人がいたから今の日本があると思う。
当たり前を作ってくれてありがとうございます。
【黄金の奴隷たるなかれ】 -
もっと早く知っていたら❗️
出光でガソリン入れたのに....(笑)
偉人のマネはできませんが同じ日本人として誇らしく思います☺️ -
「錨をあげよ」を読んでから、本を読むことが楽しくなり、池井戸潤のルーズヴェルトゲームや不祥事から経済小説が好きになった。
「錨をあげよ」の作者である百田尚樹の経済小説に興味を持ってこの本を買った。国岡鐵三の生き様が心に来た。
「自分も頑張ろう」と少しだけ勇気をもらえた。
下巻が楽しみ。下巻を読んだら、また感想を書こうと思う。 -
自分自身も含め、この生き様をする人間は身近にはいない。
主人公の鐵造は非常に頭もきれるが、それ以上に強い信念のもと日本と社員を含めた家族への愛が伝わった。
第二次世界大戦前後の時代背景も伝わり、学べる一冊です。 -
出○さんとも取引があるので親近感
昔の人?はパワーありますね -
その道は、死に勝る苦しみと覚悟せよ。
黄金の奴隷たる勿れ。
漢、国岡が発した言葉は、現代のビジネスマンにとっても心を抉る内容となっている。