薔薇を拒む (講談社文庫)

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著者 : 近藤史恵
  • 講談社 (2014年5月15日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062778343

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薔薇を拒む (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

  • 事情があって施設で育った博人は、同じような境遇で育った樋野と共に山奥の洋館で働き始める。
    他に居場所があるわけでもない二人は、少しずつだが洋館での暮らしに馴染んでいく。
    意外にも博人は、ゆったりと自分だけの時間を過ごすことが出来る生活を楽しんでいた。
    少しでも長く、この洋館での暮らしを続けたいと願うほどに。

    やがて博人と樋野は洋館に住む令嬢・小夜に恋をする。
    それぞれ心に傷を持つ博人と樋野。
    大切だからこそ近づくことをためらってしまう博人。
    大切だからこそ壊してしまいたいという破壊衝動をかかえている樋野。
    同じように傷を隠したまま生きてきた小夜には、二人はどんなふうに映っていたのだろうか。
    彼らが洋館に雇われた理由もすべて知ったうえで、彼らを受け入れていた彼女は哀れだ。
    けれど、結局のところそれも自己満足でしかない。
    館に住む人それぞれが本当の気持ちを隠し、表面上を取り繕っていたために少しずつ歪んでいく世界。
    人は誰でも身勝手な部分を持っている。
    だが、それをあからさまにしないのは第三者の目があるからだ。
    ストッパーとなるべき存在がいないとき、人の欲望はどす黒いものへと変化していくのかもしれない。
    博人は結局幸せになったのだろう。
    それが真の幸せと呼べるものかどうかは別として。

  • 心に闇を持つ少年が山奥の館で過ごす数ヶ月。
    近藤さんの本は読みやすいし、ぐいぐい引き込まれて一気に読んでしまった。山奥の館、湖畔、美しい少女、そして殺人事件…物語の中に流れる耽美な世界観が好きだ。
    事件の結末(犯人とか…)についてはあっさりとしていたが、その後の展開にゾクッときた。

  • デビュー作「凍える島」が好きで、近藤史恵にはまった人間ですから、嬉々として買った。ちなみに「ガーデン」も好きだし、「桜姫」も、「青葉のころは…」も大好きである。
    この話は、ミステリーでは、ない。と思う。しかし、こういう痛々しい青春群像劇はやはり、このひと特有の崩れない退廃的な世界観がここちよく、満足して読了した。
    うつくしい少女、血のつながらない母、少女に焦がれるもと「殺人者」たる少年二人。閉ざされた館。
    こういうのがもっともっと読みたいのよー。とぼやいてみる。世間の需要に逆らっている気がするけど。もとめてるのですよ…。

  • 2017年8月29日読了。
    2017年49冊目。

  • 視点人物の性格設定が好きだった。
    一人で静かに過ごせる環境は素敵ですよね。
    ゴシックロマンは良いなあ。
    ラスト、ほんとは想いは通じてるんじゃないかな?と予想。

  • ただ後味が悪い
    結局だれが可哀想なのかも分からない

  • 両親を亡くし、施設で暮らす17歳の博人。
    人里離れた洋館で住み込みで3年間働けば大学の学費と生活費を負担してくれるという仕事に惹かれ、同い年の樋野とともに屋敷で博人は働き始める。
    屋敷の娘・小夜に博人は恋心を抱き、穏やかな生活を送るが、殺人事件が起こる。

    なぜ暗い過去を持つ少年二人が集められたのか、屋敷の人々が持つ秘密は何なのか、物語が進むごとに少しずつ明かされていきます。
    非日常の世界に漂う不穏な空気はとってもスリリングで、ページをめくる手が止まりません。

    ミステリーとしてはちょっとありがち。
    謎の論理的帰着に納得するというよりも、物語の退廃的な雰囲気にときめきながら読むという方向で楽しみました。

    むしろ理詰めの思考はいらないかも。
    それは物語の優美な雰囲気を遠ざけてしまうかもしれません。

  • これはなかなか衝撃的
    最近あんまりどんでん返しされず
    なんとなく予想できちゃうのが多かったけど
    うおぉぉそうきたかぁぁああ
    って感じだった

    愛って醜い

  •  両親を亡くしたぼくは、親戚を渡り歩いた末、施設から高校に通う毎日を送っていた。そんなある日、所長から思いがけない仕事の話が。静養のため山奥で暮らす家族をもつ、とある実業家が住み込みで庭仕事や家の手伝いをする若者を募集しているというのだ。できれば身寄りのない若者で、3年間働いた後大検に受かれば、国公立であろうと私立であろうと大学4年間の学費と生活費を実業家が出してくれるのだという。施設のためにも願ってもない話だけに、考えることもせず引き受けたぼくは、実業家の家族が暮らす和歌山に向かう。
     雇われるのはぼくのほかにも1人。列車で出会った樋野とともに、2人が連れて行かれたのは、湖のそばにたたずむ白い壁の西洋館だった。

     容姿に恵まれた薄幸の少年2人が、住み込みで働くことになった水辺の西洋館。そこには、美しい婦人と、血のつながらないこれまた美しい娘が。なんだ!なんだ、この設定は!という感じです。しかも、ほかにも家庭教師やら家政婦やら身の回りの世話をする使用人は十分にいて、なんで2人が呼ばれたのかが全く持って(当の本人にも)わからないときています。
     タイトルの意味は驚愕の(?)ラストでわかりますが、決していきなり最後のページをめくったりしないように。
     さっくり読める上、読んでしまえば、「ふむ」という読後感ですが、読んでる間は先が気になってなかなか楽しめました。
     

  • 人間関係や状況の設定はドキドキするようなものなのに、キャラクターの描写があまりなされていなかったり、ミステリーそのものがえらくアッサリとしていて実は大した謎がなかったり…。もったいない。

  • 隔離された館に住む一家。
    美しい娘の世話役で訪れた2人の美少年。
    3人の関係性が完成した途端、事件が起きて…。

    このシチュエーションに惹かれて手に取りました。
    最後の最後に事件後の3人のその後も描かれていたけど、予想できる展開ではあったからそこまでの衝撃はなく。

    それぞれの幸せの形があるということが感じられました。

  • 後味は悪いです。でも、かなり自分好みでした。
    ラストの小夜は気付いていると思うんですけど、どうでしょう?

  • 2015/10/22
    さいごー
    そんな偽りの幸せでずっと生きていけるのかね。
    途中ミステリーらしいミステリーいいやん。と思ってたけど、そこはそれほど重視されてなかった模様。
    犯人もふーん。やったし。
    終始温度がなく冷え冷えとして、私の好きなタイプではなかった。
    この氷が溶けるところが見たかったのに。
    犬の桃子がひたすらかわいそうで辛い。

  • 近藤史恵さんのミステリーはサラサラと読めてしまう。
    ラストはちょっと背筋が寒くなる。

  • 近藤史恵のミステリー⁈は、なんという結末。

  •  久しぶりにこの著者のミステリを読んだ。またいかにもという絵に描いたような大時代的な設定。交通辺鄙な田舎の屋敷に隔離されている美しい母娘と使用人たち、そこへなぜか選ばれて送りこまれる暗い過去を秘める美青年2人。まるで過ちを予期されるかのような危うい共同生活が始まる。そこで起こる意外な殺人事件。なんともはやいくらなんでも盛りすぎでは。最後のカタストロフィによって非現実世界から現実世界に引き戻されてからの後日譚がまた現実的すぎるのがなんというか。おどろおどろしいならばおどろおどろしいなりに結末をつければよかったのに。最後のとってつけたようなひっくり返しもさほど効果的とは思えないし。

  • ラストがなかなか不気味で怖かった。雰囲気もよく一気読み。面白かった

  • モーリアのレベッカが好きな人なら好まれると思います。
    陰鬱な鳥籠の館に集められた訳ありの孤児の美少年ふたりに、北欧の血をひく無邪気な美少女。
    大きな図書館。
    少女につき従うアルビノのグレートデン。
    湖のボートのうえの死体。
    萩尾望都の漫画に出てきそうな小道具仕立てだが、日本が舞台。
    大学の学費とその生活費を条件に、隔絶された館で住み込みで働くことになった少年。
    破格の好条件は困っている若者を支援したいという資産家の好意ゆえだと言うが、どこか嘘くさい。
    そして、「同僚」として引き合わされた少年はどこか斜に構え、自分と違い向学心もない。
    自分と彼の共通点は孤独であり、人に言われたくない過去を持ち、そして人目を引く美しい整った顔立ちをしているということ。
    ふたりはそこで、小夜というお嬢様とであう。
    一人は見つめることすら辛いほどに彼女を恋い、もう一人は彼女から目を離せない。
    まるでなにかあってくれと言わんばかりの状況。
    もちろん、ことは起こるわけだが…。

    一応現代日本が舞台なのだが、携帯(写真機能がついているから)、デジカメは取り上げられ、インターネットは玄関のモジュラー回線だけという、現代っぽさから結果的に引き離され、少年たちはベストとスラックス姿と浮世離れしている。
    そもそも制服もデジカメもあまり意味がなかったので、単なる雇い主の趣味の世界じゃ…と思った。
    けれど、グレートデンの名前が桃子だったり、ご飯は和食だったりとギャップがあるところが「これは読者と同じ時代を生きている人物の話です」というのを主張している。
    つまり、彼らもまた館という名の物語の世界に入り込んだようなものなのだ。
    読み終えられた物語を登場人物が回想という形で語られていき、登場人物が物語を閉じた後、選び取る世界。
    いや、創る世界か。
    新たにできあがった鳥かご。
    本当に閉じ込められたのはどっちなのだろう、と気づいたときにすっと心が冷える。
    どうしても近藤さんの小さくまとまってしまう欠点を抜いても完成度高め。
    ゴシックロマンが好きな人にはいい。
    残念なのは、ページ数の関係か道具仕立ては完璧なのに、キャラの書き込みが少なすぎて感情移入しにくく逼塞感も低い。
    この手の話はもっとだらだら饒舌に書いた方が迫力が出ると思う。

  • うーん、としか…。

  • ある意味、とても怖い話だ

  • ただただ、、残念。

  • 一人のお嬢さんをめぐる二人の男の子。


    一番大事なものは手に入ってたけど……
    なのに物悲しいラスト。

  • 過去に闇を抱え施設で暮らす主人公が進学を条件に湖畔に建つ別荘の使用人になる。殺人事件が起こり、恋愛が絡んだ事情が明らかになる。

  • 気味の悪さが冒頭から何となく、漂っていたけれど、最後の数ページで怖さがグッと増す感じ。

  • 意外性のある設定で、ミステリーとしては面白いと思った。日本の正統派ミステリーの約束をきちんと守っているかのような、おどろおどろしい雰囲気も備えていて、横溝正史あたりの好きな人でも抵抗なく読めるのではないだろうか。
    ただ、どんでん返しの末に落ち着くラストは戴けないと思った。意外性を狙ったのだということはわかるが、必然性が感じられないと思う。

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薔薇を拒む (講談社文庫)の作品紹介

陸の孤島で起きた殺人をめぐり、屋敷に関わる者たちが疑心に陥る。悪意すら美しく描かれる新感覚ミステリー。著者講談社文庫初登場!

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