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この作品からのみんなの引用
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ラーメンは単なる食べものではなく、うんちくとともに食されるある種のグルメの題材となった。人々は、有名店のこのラーメンという目的を持ってラーメン屋に行くようになり、ラーメン屋の前に列をつくることも辞さなくなる。行列をつくってラーメンを食べるという、戦後の食糧難の時代の行動が、現代に復活するのだ。もちろん、その行列の意味はまったく違う。飽食の時代に、グルメとしてのラーメンを求める人々か、メディアの媒介力を通して誕生したのだ。
― 173ページ -
ご当地ラーメンは、地域の特産物や風土に時間をかけて馴染むことで生まれたわけではない。あるとき、変わったメニューを出したラーメン屋にスポットが当たり、その店がメディアなとで知られるようになることで、観光客がやってくる。そして、地域の観光化にともない、周囲の店が右に倣えで同じメニューを提供するようになる。これがご当地ラーメンが生まれる経緯だ。
― 150ページ -
近代になって輸入されたラーメンは、在来種を駆逐する外来種のブラックバスにたとえるべきではないだろうか。繁殖力の強い外来種であるラーメンは、古来地方に根付いてきた郷土料理を、短い期間で駆逐してしまった。ご当地ラーメンはむしろ、戦後日本の地方の均質化を代表する食べものの一つだったと捉えるべきである。
― 136ページ
みんなの感想・レビュー・書評
中国をルーツに持つ料理でありながら、最早われわれ日本人と切っても切り離せない関係にある、ラーメン。そんなラーメンを起点に、日本の戦後史やメディア論と絡めて論じた本。日本のラーメン文化の基礎が、戦後のアメリカによる小麦援助のおかげであるというのは興味深かった。最後まで楽しく読める一冊だったと思う。
ラーメンでこんな本が書けるのかと感心。いやいやラーメンだからかもしれないが。
ラーメンがいかに国民食になったか。そのルーツから、ご当地ラーメン、現在の「職人風」のラーメン屋さんまで。ラーメンは日本とともに変化を遂げてきたのがよくわかった。
別に日本発祥のものではないのに、いつのまにかモンスター食文化になって海外でも注目され始めている"日本のラーメン"。ラーメンの解説ではなく、戦後に産まれたラーメン君から見た現代までの日本の国と日本人、を多様な分析でまとめられていて読み応えあります。
「ラーメン屋」が「麺屋」に変わり、厨房では作務衣風の衣装でラーメンを作る姿が当たり前になった。著者は、時代の変化を「ラーメン」という一見すると不変的に思われるものさしで俯瞰する。戦後、アメリカからの大量の小麦の流入とラーメン普及との関連性を示したり、ご当地ラーメンが地域の食文化に何ら関係性を持たないことを指摘したり。独自の視点でラーメンとナショナリズムを重ね合わせる手法に納得したり、首を傾げたり。ん〜なかなか面白い。
戦後の米国による小麦押しつけからスローフード運動まで、ラーメンをネタに日本社会の変遷を分析。ソースの怪しい眉唾な話もまたネタとしては面白かろう。
最近のラーメン屋の作務衣スタイルに社会の右傾化を見出したりとか、視点がなかなかに面白いのだ。
しかし、肝心のラーメンについてはあまり書かれていない。なんだ、ラーメン本ではなかったんだね。
ラーメンから見る日本社会という感じ。愛国と言うのには少し違和感があるから、タイトルだけで敬遠した人にも読んで欲しい
ラーメンと日本人というタイトルのほうが相応しいかもしれない。
主に戦後から現代に至るまでのラーメンの歴史的変遷といった内容で、前半では米食から小麦食への転換といった観点からラーメンと米食ナショナリズムなどが語られているが、後半はやや論点が拡散し、単にラーメン文化史的な話になっている。
チキンラーメン誕生の話や、大量生産方式の話など興味深い論点が多々あったが、やはりネーミングは少し残念だった。まぁ「ラーメンと日本人」だとありきたりではあるが。
おもしろかったです。お勧めです。特に私と同世代の方。B級グルメ談義と思いきや、さにあらず・・・です。戦後の日本の移り変わりを、とてもわかりやすくとらえています。
ラーメンって、日本人にとってどういう存在なのか・・・、実に深いです。だからみんなラーメンが好き。そしてその人気は、いまや国内にはとどまらない。
すべてをリアルタイムで経験してきた世代には、生きてきた時代の「おさらい」的な一冊です。
現代ラーメン屋の「作務衣化」を「愛国」というキーワードから考察。ラーメンの歴史から戦後の食糧政策、国民食になった経緯、ラーメン屋のイメージの変遷などにも触れていて興味深いが、全体を通してやや散漫になってしまった気も。
ラーメンという国民食を縦糸に、戦後の日本の文化・メディア・社会史を語った本。ラーメン自体の記述は想像していたほど多くない。中には無理やりというか、戦後史を語る上での”ツマ”程度にしか登場していない部分もあり、ラーメン通にとっては不満だろうが、知識を得るだけの蘊蓄本は他にもたくさんあり、これはこれで楽しめた。 特に本書では、ラーメン屋が「和風傾向」を強めていることと世の中の動向の関連に焦点を... 続きを読む »
タイトルに惹かれて久々に読書。
主に戦後における、歴史的、政治的、文化的な背景の中で、ラーメンが受け入れられてきた流れを理解できる。
雑学として、読みやすくおもしろい。
が、タイトルに「愛国」とうたわれているが、あまり本文とリンクすることがないのが気になる。笑
今時のラーメン屋には黒か紺に手書き文字のTシャツの店員、店内に相田みつを風な説教くさいラーメンポエムが必ずある。ラーメンをキーワードに語られるナショナリズム。国民食となったラーメンが10年後、どのように変貌しているか気になる。
ラジオで冷やかされ気味に宣伝されてた頃から気になっていたのだが、読んでみたら意外(?)と真面目な内容だった。私は日本で改造されたラーメンの味が大好きなので、これからも沢山食べていきたいと思っているが、ラーメンブームの歴史や、謎のポエムがどのような文脈から生まれたのかという分析が書かれていて、スッキリした。そして改めて、物語の持つ力は凄いのだなと思わされた。
しかし、こういう分析ばかり読んでいると色々面倒くさい人間になりそうだ。ベタにポエムも作務衣も気にせずラーメンだけ食って幸せに生きているだけの人間になりたいものだ。
私はちっさい店のラーメン大好きです。何はともあれ!!美味しい(笑)
日本近代史をラーメンを絡めて解説。
無理なこじづけは一切ないのが凄いところ。
とにかく最後の章のラーメンとナショナリズムが面白い。
作務衣化とかラーメンポエムに関するところなどは、確かに、と頷く事多し。
津田メルマガで速水さんを知ったけども今後も著書は追いかけていくことが決定。
【読書その22】以前からずっと読みたいと思っていた一冊。戦後のラーメンの普及、発展、変化という、ラーメンを軸に、社会を新しい切り口で分析し、新しい日本社会の側面を映し出した本。 戦後のラーメンは、支那そばという形で闇市から始まる。その背景には戦時期を支えたアメリカの小麦農家の余剰在庫がある。それが戦後、戦争で荒廃した日本に大量に流入。小麦を使った支那そばの発展につながったという。 その後、カップヌ... 続きを読む »
基本的には面白かった。
ただ何か、「いい鉱脈を探りあててるのに、サンプル調査で終わってる」みたいな感じは否めないような気はする。全般に「まとめ」になってしまっていて、「作務衣を着る当事者達に対する深掘り」みたいなところがもうほんのちょっとだけあれば、大分深みが出るだろうになあ、という気はする。
ただ最近の若者と喋っていると、東京にとんこつラーメンがほとんどなかった時代のことを知らない事などを鑑みると、充分に有用かつ面白いものではありました。
面白かった。ラーメンの歴史を戦後史から読み解いている。何故ラーメンは国民食になったのか、ご当地ラーメンはいつ作られたのか、現在のラーメンブームに潜むナショナリズムとは、等。作務衣系、ラーメンポエム、っていい言葉だね。
戦後から現在にかけての現代史において、ラーメンがどのように受け入れられ、変遷していったのかをたどっている。米国の余剰小麦のはけ口として小麦食が普及していったこと、大量生産思想の実践としてのインスタントラーメン、「貧しかった」過去の記憶としてのラーメン、など興味深く論じられている。「ご当地」ラーメンやラーメン「道」が、ある意味作られたもの(悪く言えば捏造されたもの)であること認識しながら遊戯的に行っているという筆者の指摘は論として面白い。
ラーメンの話はサイドメニューとして、現代史マシマシでガッツリいただけました。同著者の「タイアップと歌謡史」も以前読んだので、他の著作も巡礼してみたくなりました。
ラーメンを通じて日本経済史、メディア論、近時の右傾化を語っており、視点の設定の仕方がうまい。
工業製品としてのラーメン、ラーメンとノスタルジーなど読んでいて「確かにそういえそう」と思える箇所も。
ただ、ラーメンの和化と近年の右傾化を同列に語るのは少し強引では?
ものの見方としては参考にできそうではあるが。
後々いろんな本の参考文献にあげられることになりそうなので、一通り読んでおいて損はないと思う。
ラーメンのことを知りたければこの本は必要不可欠かもしれない。この本あることを知らない状態でラーメンが好きだと言ってた自分が恥ずかしいと思えるくらいにラーメンの歴史を知ることができる。うんちく本には近いが、常識があまりない人にとっては、身近な例をあげて、日本近代から現代の日本史にも触れられる。ラーメン好きインテリさん、必読。
本書はラーメンの本ではない。ラーメンと言われる日本食を作り出し、食べ、量産し、生活しきた日本人をしとしていている。よってラーメンの本と思って読み始める読者には推薦できない。ラーメンという特殊な和食から日本食風俗史を概説する趣き。

ラーメンをキーワードにした日本文化論(新書)。ややツッコミ不足な点もあるけど、概ね面白かった。






