イタリア海洋都市の精神 (興亡の世界史)

  • 講談社
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (398ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062807081

作品紹介・あらすじ

海からアプローチする中世イタリア都市の歴史と魅力。ヴェネツィア、アマルフィ、ピサ、ジェノヴァ-自然環境を生かし、迷路のように入り組んだ都市空間には、ローマ、ビザンツ、イスラームなど多様な文化が積層している。その成り立ちと現在を、都市史・建築史の視点で解読する。

感想・レビュー・書評

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  • 地中海沿岸都市の景観が好きでたまらないので、大変ワクワクしながら読めた。ただ、建築についての知識が足りなくてついていけない部分もある。紙幅があるから難しいのだろうけれど、図説と写真をもっと用いてほしかった。

  • 世界史シリーズではあるが、著者が建築科の教授だけあってどちらかというと建築史に近い。
    現代の都市を歩いて、歴史を遡るという構図が、ブラタモリに似ていて中々面白い。
    あぁ、地中海行ってみてえなぁと思える一冊。

  • 中世の歴史を華やかに飾った四つの海洋都市、アマルフィ、ピサ、ジェノヴァ、ヴェネツィアが主役を演じますが、他にもナポリ、ポルト・ヴェーネレ、ドブロヴニク、モノーポリ、ガッリーポリ、さらにヴェネツィア人の足跡を訪ねてギリシャに残る植民都市とクレタ島の海洋都市が登場します。

    中世に発展したイタリアの海洋都市は、どれも独特の自然地形をもつ場所に誕生し、その特徴を生かしながら建設されました。その立地の違いが、いかに固有の都市の風景や人々の生活スタイルを生んだのかをみることもこの本の大きなねらいだと語る著者陣内教授、彼は歴史にも詳しい建築の専門家です。

    >土地の条件を生かし、限られた技術力でそこを上手に開発しただけに、どの都市も、それぞれ変化に富んだ作品としての面白さを強くみせる。地形や自然条件を最大限生かしたのが、ヨーロッパでは中世都市なのであり、逆に、巨大な技術と経済力で計画的、画一的に都市をつくってきた近代人の目に、今、新たな価値あるものとして、高い評価を受けるのである。

  • 興亡の世界史シリーズの中でも異彩を放つのが本書。ヴェネツィアやジェノヴァを初めとする中世からの海洋都市を、現地観光も踏まえたうえで広い視野のもと解説。現地の歴史や他都市との関係もさることながら、観光本の体裁も兼ねている。

  • イタリアの海洋都市について著者が情景を喚起しようとしている努力は伝わるのですが、有名どころなので旅番組か動画などを見た方がイメージが湧くのではないかと思われます
    ベネチアのゲットーや建築の基礎など、なかなか面白い話もあるのですが

  • 中世から近代にかけて、地中海世界で覇権を築いたイタリアの都市国家。その興亡をおいながら、建築の観点からも都市を分析した面白い一冊。
    残念なのは、写真や図などがある程度はついているのだけれど、豊富な建築史的な解説を頭に思い浮かべきれないこと。2時間くらいのDVDで映像付きで著者が解説をいれてくれたりしても面白いのでは、って思いました。

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著者プロフィール

陣内秀信(Hidenobu Jinnai)1947年福岡県生まれ。東京大学大学院工学係研究科博士課程修了。イタリア政府給費留学生としてヴェネツィア建築大学に留学、ユネスコのローマ・センターで研修。専門はイタリア建築史・都市史。現在、法政大学特任教授。著書に『イタリア海洋都市の精神』(講談社)、『ヴェネツィア―都市のコンテクストを読む』(鹿島出版会)、『都市のルネサンス〈増補新装判〉』(古小烏舎)ほか多数。主な受賞にサントリー学芸賞、地中海学会賞、イタリア共和国功労勲章(ウッフィチャーレ章)、ローマ大学名誉学士号、アマルフィ名誉市民、ANCSAアルガン賞ほか。

「2022年 『トスカーナ・オルチャ渓谷のテリトーリオ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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