ロシア・ロマノフ王朝の大地 (興亡の世界史)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (398ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062807142

作品紹介・あらすじ

広大無辺の大地で、人びとは「よきツァーリ」を求め続けた。王朝の創始から、ピョートル大帝と女帝エカテリーナの改革、ナポレオンとの対決を経て、皇帝一族の悲劇的な最期まで。そして、ソヴィエトはロシアに何をもたらしたのか。信仰に支えられた社会と、専制君主の群像を描く。

感想・レビュー・書評

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  • 世代的にロシアというと~
     近代ではレーニン・スターリン、日露戦争
     現代においては冷戦時代と鉄のカーテン、フルスチョフ・ゴルバチョフ・ブレジネフと来てソ連崩壊、ロシアそしてプーチン

    非常にわかりやすく書かれたロシア社会通史だ。
    読み続けていても混乱せず、諄くもなく、骨格体形がしっかりしている。
    とはいうものの、ロマノフ王朝前夜から350年の通史ともなると、多民族国家が歩んできた歴史の膨大さには圧倒される。

    未だにこの国が抱えている「酒乱」と交通事故の多発/蔓延・はびこり

    興味があってみ始めたNHKテレビロシア語講座で知らない一面を次々と紹介されている事からも興味を持った「熊」~ロシアの愛称
    口ひげを生やすことでアイデンティを持つことに大きくつながると言う民族性は今でもある

    面白かったことは枚挙にいとまがないが~
    *ピョートルから始まった外国人雇い入れ・・外国人村まで作り、イタリア人から口火を切った。19C初頭ドイツ人のエリートを官僚に次々と引き入れたのは興味深い。

    *当初から現代に至るまで痕を残す「タタール人のくびき」モンゴル人の侵入に際してあらかた破壊されつくしたのち出発した都市は「要塞」欧州と比較してよくわかるのはコミュニティが出来ず、「市民」が生まれなかった。従い「ツァー」の強権が紆余曲折を経つつも保たれ
    多民族国家であり、「「呼び名としての」ロシア人が半数にも満たぬ「植民地帝国」を形作った。

    *ほかの本でも読んだがロシアを語るに「1000年に及ぶステップの遊牧民との敵対を余儀なくされた地理的条件」が根底にどっしり座すことが重要だと思った。

  • ロシアの時代がダイジェストでおおまかに理解できた。
    以前仕事をしていたので興味深い。
    ロシア皇帝も並外れた人物でないと在位は長くない。
    トップに立つのは大変な事が分かる。

  • 大帝の時代からロマノフ朝の崩壊、レーニンの時代まで繋げる試みは分かりやすく、入門としてもってこいだと思います
    個人的には指導者を主要因として扱うのはこの興亡の世界史シリーズにそぐわないとは思いますが、一冊のロシア史の本としてその内容を貶めるものではないです

  • 一言で言うなら、サッと振り返られるロシア通史。
    山川版各国史ロシア史とことなり、一人で全部書いているため、流れるように読める。ただし、古代~モスクワ大公国あたりまでの歴史が前後している上、これが最大の欠点なのだが、王朝の系図が掲載されておらず、ロシア史に触れていない人が読むと、つらいと思われる(特にピョートル大帝~パーヴェル帝間)。
    とはいえ、近年の研究がフィードバックされており、一回勉強したロシア史をもう一度振り返るには手軽な本である。

  • 地元の図書館で読む。

  • 内容が濃すぎて、ロシア史の素人には難しすぎ。
    ロシアの地名はほとんどなじみがないため(モスクワ・ペテルブルグ・キエフ・オデッサ レベルなら分かるけど、、、)、詳細な地図がついているとよかったと思う。

    ドストエフスキーの小説の背景がやっとわかった。「分離派」の意味もわかった。

  • ニコライは、軍による「ペトログラードの暴動」の鎮圧を命じたのだが、若い将兵たちは自分たちの「兄弟」である労働者への発砲を悔やみ、発砲を拒むようになた。その場に「革命」を指導する著名なリーダーはいなかったが、その日の午後には「労働者代表ソヴィエト臨時執行委員会」ができた。

  • よくできたロシア帝国史。

  • ソ連以前の歴史を知らなかったんで読んでみた。
    イヴァン雷帝からピョートル大帝、エカテリーナ二世等を経てニコライ二世へ。
    各皇帝の下、ロシアがどのような政策を行い、国民はどのように暮らしたかを分かりやすく解説している。
    モンゴル人の侵攻やポーランドとの戦争等、常に国境を脅かされながらも確実の領土を拡大し、様々な民族を飲み込んでいくロシア。
    故に、地方の自治を地元民族に任せず、中央集権的な体制を敷き、軍事の拡充のため重工業に力点を置く政策。そのため、国民のほとんどが農民にも係わらず、農業の進歩が送れ国民に多大な負担を強いていく。
    そしてレーニンらによる十月革命へ。
    ソ連という国はなるべくしてなって、そして破綻していったんやね。

  • ロマノフ朝の記述を中心としながらもその前史・後史も充実しており、全体的には「ロシア史概説」となっています。著者はロシアの社会史を描こうと試みたとあとがきに書いてありますが、政治的な動きもそのつど取り上げています。また、最近高校世界史でもみるようになった(私の勉強不足なだけかもしれませんが)ゼムスキー=ソボール(ロシアの身分制議会)やゼムストヴォ(県レベルの地方自治組織)なども詳しく書かれており高校世界史を教える上でもためになる本です。

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著者プロフィール

1947年生まれ。一橋大学大学院社会学研究科博士課程満期退学。現在、一橋大学名誉教授。訳書、クリュチェフスキー 『ロシア農民と農奴制の起源』 未来社、1982年。著書、『岐路に立つ歴史家たち―二十世紀ロシアの歴史学とその周辺』 山川出版社、2000年。

「2010年 『V・O・クリュチェフスキー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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